遠回りしてシンフォニーホールへ
2015/11/21

土曜日の夕方5時からのシンフォニーホールでのコンサート、ちょっと早めに家を出て大阪市内探検に向かう。と言うのは、このあいだ西区役所で面白いパンフレットを見つけたからだ。これは、さっそく。

天保山付近の地形図 大阪市内の渡船場マップ

もらった大阪渡船場マップには現在も運行しているものが8箇所あると記載されている。大阪市の直営で渡し賃は無料だという。なぜ無料なのかよく判らないところもあるが、それは措いて地下鉄中央線の大阪港駅に降り立つ。

海遊館や天保山マーケットプレースに向かう人たちと離れ、人影まばらな東出口から外に出る。地下鉄とは言いながら中央線は阿波座〜大阪港は高架を走る。まあ渋谷駅の地上3階が東京メトロ銀座線みたいなもの。

大阪港駅 天保山公園に向かう 天保山公園

道を渡って団地の中を抜けると目の前が天保山公園の入口、今回のもう一つの目的、天保山はこの公園の端っこにある。天保山山岳会で登頂証明書を発行してくれるとか聞いていたが、事務所らしきものも見当たらず断念。平坦地の三角点なので見つけらない遭難者が相次ぎ、山岳救助隊も組織されたらしいが、今は「日本一低い山」の目立つ標識が国土地理院の杭に並んでいる。標高4.53m、登った山のリストに追加しておこう。

天保山 日本一低い山の表示

安治川両岸を結ぶ渡船は昼間は30分に一本の運航だ。ちょうど対岸からの便が到着するところだ。折り返しまでは少し時間がある。思いのほか多くの乗客が下りてくる。自転車の人も多い。なぜか外国人の姿も。彼らは自転車なのでレンタサイクルなんだろうか。

このあたりの安治川は上流部分の川幅が広くなっていて、ほとんど海という趣きだ。市内のビル群が浮かんでいる様子はまさに水の都、対岸のユニバーサル・スタジオ・ジャパンのホテル群の隣にはアミューズメント施設の裏側が丸見え、こっちから見ると艶消しだ。

渡船場からUSJ方面 渡船場から大阪中心街方面

出発時刻が近づいてくると乗船客が増えてくる。向こうに渡る人も自転車組が半分、やはり外国人の姿も。どうも、"lonely planet"(「地球の歩き方」の本家)あたりに紹介されているのかも知れない。そのせいか、欧米系の人ばかりだ。大きなリュックを担いで、お金をかけずに日本を回るスタイル、西成あたりの安宿に泊まっているのかも。これは、難波や日本橋で爆買いしている中国からの旅行者とは対照的、いろんな観光パターンがあるものだ。大阪への経済効果なら圧倒的に隣国の人たちなんだけど。

渡船にて 渡船から海遊館方面

それなりの人数を乗せて出航、天保山側には帆船型観光船サンタマリアがデイクルーズの客を乗せて航行している。あっちは1600円、こっちは無料だ。ニューヨークにいたとき、友だちが来たら先ずスタテン島フェリーに乗せたことを思い出す。あれは確か片道25セントだったはず(現在はあちらも無料らしい)。
 スタテン島フェリーは自由の女神像の横を通り、今はなきWTCなどの摩天楼をたっぷりを眺められたが、こちらの乗船時間はわずか3分、あっという間に此花区側に到着する。こちらでも折り返し便の乗船待ちに大勢並んでいるぞ。

JRゆめ咲線の終点桜島駅までは倉庫の並ぶ通りを抜けて10分ほど。通りに大衆食堂があり、「めし」という看板とともに、Japanese Style Restaurantとの横文字標記つきだ。あのサイクリストたちが立ち寄ることも多いのだろう。USJや海遊館に遊びに来る日本人だとまず入らないだろう食堂に、外国人が座っている図を想像すると何だか可笑しい。こういう食堂のおっちゃん、おばちゃんは、きっと普通に大阪弁で彼らとコミュニケーションするに違いない。

渡船場近くの食堂 ゆめ咲線の終点 桜島駅

ゆめ咲線の正式名称は桜島線、昔はそう呼んでいたのに、USJができ大阪環状線から直通電車が走るようになって愛称のほうが通りになった。派手なラッピングの車両も走っている。延伸の話もあったが、いまも盲腸線であることは変わらない。ホームの端には終点の車止めがある。でも駅舎はずいぶん立派になっている。住友化学やUSJと取引があった関係で、安治川口やユニバーサルシティまでは何度も乗車したものの、実は末端の一駅間は未乗車だった。それがいま叶う。

桜島からシンフォニーホール最寄りの福島まで、直通電車に乗ったので15分ほどで着く。ちょっと遠回りになったが、なかなか面白い周遊だった。一部の外国人には知られていても、地元の人以外だと日本人もあまり知らないのではないかなあ。

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