東大阪、神社巡り 〜 むかしの河内市を歩く
2015/12/12

東大阪の荒本にある大阪府立図書館に予約の本を受け取るついでに、ちょっと回り道で半日ウォーキングに出かける。スタートが近鉄奈良線の東花園駅、ゴールがけいはんな線の荒本駅なので、うまい具合だ。

近鉄奈良線の高架工事が長く続いていた頃、この路線に乗るたびに運転台の後ろで工事の進捗を見ていたものだ。少年ならともかく、こんなことをするいい歳をしたオッサンが他にもいるのが可笑しかった。
 既に完成して高架を走るようになった今は、逆にこれまで走っていた地上がどうなっているのか気になる。民家の脇をぎりぎりに走っていたように思ったが、更地になった今は意外に広いんだ。ここをどうするんだろうか。

さて、駅で配られたマップの最初のポイントは吉田神社、花園駅周辺のごちゃごちゃした商店街の先に立派な神社が現れる。またの名をラグビー神社と言うらしい。私の生地にはサッカー神社もあるから、各スポーツそれぞれに神様がいるのは八百万の神の国ならでは。対立を深めている独善と排他の一神教の国々には見習ってほしい気がする。
 神社の由来はともかく、ここは聖地花園のそばなのだ。木造りの大きなラクビーボールが本殿横にある。もうすぐ全国高校ラグビーが花園で開催されるから、きっと参加校の参拝もあるだろう。

神社から狭い路地を進むと行く手に場違いなスタジアムの姿が見えてくる。あれが花園ラグビー場、2019年にはワールドカップの試合会場になる。近鉄奈良線の東花園駅は今でこそ準急が停まり各駅停車との乗り換え駅になっているが、私が子供の頃にはラグビー場前という駅名で、試合があるとき以外は各駅停車も通過する田んぼの中の臨時駅だった。ここに観に来たことはなく、メインスタジアムだけでなく、サブグラウンド、陸上競技場、野球場など、総合運動公園になっているとは知らなかった。これから周辺環境整備も進むのだろう。この日は、ここをホームグラウンドにしている近鉄ライナーズの試合があるようで、ゲートに列が出来ていた。これも五郎丸効果かなあ。

神社巡りという触れ込みだけど、神社以外のものが興味深い。南から北へ進み中央大通りを渡った先、今米公園にある中甚兵衛顕彰碑、元禄年間に実施された大和川の付替工事の推進者である。むかし大和川は河内平野を北行し淀川と合流していたため、このあたりは幾度も洪水に見舞われていた。その流路を西に堺方面に付け替えたあと、湿地帯の新田開発が行われた。
 説明板に付替前の絵図と付替後に出来た新田の地図がある。これで見ると、付替前の古くからの地名と、付替後の新しい地名がよく判る。私の住んでいた八尾市を例にとると、実家があった山本は新田であり、母親の出である福万寺や、父親が最後に入居していた施設がある都塚は旧村ということになる。通っていた小学校の通学路のお地蔵さんのところに1〜2mぐらいの段差があったが、あれは旧大和川の流路だと聞いたことがある。しかし、今はそれと気付かないぐらいの傾斜になっていたはず。

今米公園の隣には周りと隔絶したような緑の一角がある。川中邸屋敷林ということだ。まさに、何でこんなところに突然という感じ。今米特別緑地保全地区との標識が立っている。中に入ると、とてもここが東大阪の街中とは思えない。まだ紅葉が見頃だ。すぐそばが交通量の多い中央大通りなのだから、このギャップは半端じゃない。

ウォーキングのテーマの神社巡りはさておき、東大阪吉田界隈、昭和42年の合併前は河内市、知らなかったことがいっぱいあった。楽しい発見を終えて荒本駅にゴール、じゃなかった、そこから5分、大阪府立図書館に用事があったのだ。

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