復活したぞ、飲み放題 〜 飛鳥ハイキングから酒蔵へ
2016/1/17

近鉄の酒蔵みてある記、橿原市の喜多酒造はもう3回目になるかな。ここは飛鳥のハイキングコースがいっぱいあるのでマンネリということにはならない。これまでの回と少しルートが違う。

出がけにカミサンが「お土産は道ばたで売っている八朔10個」とのたまう。山辺の道ならいざ知らず、飛鳥ではどうかなあと若干の危惧、よくしたものでスタートの飛鳥駅の正面には大きな農産物直販所がある。いきなり八朔をリュックに詰め込むのは重くて仕方ないが、買い損ねのリスクもあるから3個入りを3つ、1個少ないが勘弁してもらおう。それにしても大勢の参加者だ。橿原神宮前で乗り換えた吉野線の電車は超満員だった。酒蔵もさることながら、飛鳥だとウォーキングも魅力なんだろう。

駅からすぐのところにあるのが欽明天皇陵、それと並んで猿石がある。吉備姫皇女王墓の内にある四体、それぞれに名前が付いているらしい。このあたりには謎の石造物がいっぱいだ。次に鬼の雪隠、鬼の俎がある。もともとは一つの石棺が崩れて分離したものだろうとは容易に想像がつく。このあたりは白菜畑の中ののんびりした遊歩道だ。

この先、あまり有名でない古墳が並ぶ道は市街地になっている。飛鳥エリアを離れて橿原市の街中になって一休み、公園でお弁当を食べてコンビニで100円コーヒーを飲む。もう久米寺は近い。観音練供養を観に来たときには境内に橋懸が設けられていたが、普段はそんなものはない。お寺の中を抜けて南大阪線の踏切を渡れば橿原神宮、少し遅いが初詣。

さて、いよいよ喜多酒造、前回はごく小さなカップに1人1杯なんて無粋な制約があり、よほど不評だったのだろう、以前の飲み放題が復活しているぞ。大きな鉢にどんどん一升瓶から注いでくれる。柄杓で掬っておかわりOK、酒蔵の中庭では隅に座り込んでおつまみを出しているグループもいるぞ。こんなことなら、途中のコンビニで笹かまぼこぐらい買ってくればよかったかな。さすがに発泡スチロール容器のおでんはやり過ぎだろうけど。おっと、リックの中に山登り用のミックスナッツがあるはずだ。日本酒との相性はどうかと思うけど、ないよりはいい。

即売コーナーには一升瓶も並んでいるぞ。ますます荷物が重くなるが、やっぱりこっち、「倭」という純米酒を求める。係のおばさんに、ひと言。
「よう売れてウハウハでっしゃろ」
「いやあ、そんなことあらしまへん」
いやいや、きっと、そんなこと、あるよ。

酒造の出口に助役さんの姿が見えたので聞いてみた。
「前は利き酒一杯ずつとか制限があったのに、また復活したんですねえ」
「喜んでもらって、活気があってよろしいわ」
「酔っ払いが続出したんで、いっとき制限したんですかね」
「いやあ、そういうこともあったようで」
「今日はどれぐらいの参加なんですか」
「マップをお配りしたのが1508人で、大勢参加してもらいましたわ」

ゴールの畝傍御陵前駅に向かって、おばちゃんが連れだって歩いている。
「いやあ、こんな飲んだん、久しぶりやわあ」
「ほんま、もう千鳥足やわあ」
半世紀前の娘さん、嬌声だけはそのままに、しっかり元も歳も取りましたなあ。

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