93円のプレゼント
2016/4/25

ふらっと立ち寄ったジュンク堂書店の地図コーナー、棚の片隅に面白いものを見つけた。好評で品切れになっていたものが再登場とかのコメントが書かれた見本を手にする。おおっ、これは面白い。パラパラとページを繰る。とっても楽しい。裏を見ると頒価は何と93円、消費税を入れて100円ということか。爆買い中国人よろしく棚に置かれた10冊ほどを買い占めようかとも思ったが、ここは自分用とプレゼント用の2冊にする。

マップMEMO表紙 マップMEMO中身

国土地理院の地形図を扱っている一般財団法人日本地図センターが販売する商品で、書店の店頭にあるとはいえ書籍とは言えない。「マップMEMO」というのが商品名、葉書よりひとまわり大きいB6サイズのメモ帳だが、この100円グッズは裏がすごい。本物の地形図が裁断されてメモ用紙になっているのだ。こんな紙質のよい丈夫なメモ用紙なんてザラにない。もったいなくてちょっと使えないのが問題。

見本として置かれたマップMEMOには、主に25,000分の1地形図で各地のものが混在している。さらにカラフルな200,000分の1の地形図のものも混じっている。一葉が風呂敷ぐらいある地形図をB6に裁断するのだから、それぞれは部分、そこに記載された地名からどこの地形図かを推理する楽しみがあるので、思わず各ページを凝視してしまう。これは地図マニアには堪えられない。二人いたら当てっこをして遊べるぞ。どの地域どころか、図葉名まで言えたらオタク度はグンと上がる。

販売用のものは密着包装してあったので、家に帰って開けてみるまで何が入っているか判らない。セロファンを剥がしておもむろに開く。あれっ、これには200,000分の1の地形図がないぞ。25,000分の1地形図ばっかりだ。地域的には中部山岳、わけても北アルプスのものが多い。これだと一瞥するだけでどこか判る。あっ、これは高瀬川だ。湯股温泉まで歩いたことがある。こっちは五竜岳か。立山タンボ平付近のものもあるぞ。

考えてみれば、北アルプス周辺のものが多いのは判る。登山用に需要があるから多数刷られているだろうし、それが最新測量で改版が出たら残部が溶解処理されることになる。それをメモ帳として再版するという仕組だろう。現在25,000分の1地形図が世界測地系に移行中だから、旧版は次々に廃版となっていくという事情もあるのだろう。

最近の近場の山登りでは国土地理院のホームページから必要部分だけプリントアウトして持参することが増えたので、地形図を購入することも稀だ。でも、こうしてマップMEMOを見ると、地図用紙の手触りは何とも言えない。家にある何十年も前の雨に濡れた痕跡や泥の色が残る大量の地形図を捨てられないのは、この紙であってこそ。益々このメモ帳は使えないなあ。差し上げて大喜びしていただいた方も同じ思いかも知れない。

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