彼岸花のついでに案山子と壁画 〜 飛鳥の賑わい
2016/9/24

「飛鳥に彼岸花を観に行かない?」とカミサンが宣う。「ああ、稲渕ね」とすぐに判る。棚田に咲く赤い花はあそこの名物みたいになっている。前に石舞台から芋峠を越えて吉野まで歩いたことがあるから土地鑑もある。「それじゃ」と車を走らせる。先ずは飛鳥駅前の農作物直販店に寄ってから、続いた台風の影響もあって何しろ野菜が高いのだ。

歩きなら石舞台のところから飛鳥川を遡るのだが、車だと高松塚古墳のほうから丘陵を越える。稲渕集落のあたりには駐車場がないので、雄綱の少し上流で道幅の広いところに路肩駐車の車が並んでいる。遅い出発なので帰りの車が出た隙間に駐める。雨もぱらつく空模様なので土曜日にしては人出が少ないようだ。飛鳥川も少し増水してていて飛び石を渡るのは危なそうだ。

棚田と民家、そこに真っ赤な曼珠沙華、ここは日本の原風景みたいなところだ。赤ばかりではないぞ、黄色の花なんて初めて見た。彼岸花とはよく言ったもの、季節を忘れずに花は咲く。そうそう、この時期、棚田に創作案山子が並ぶのだ。「案山子ロード」という案内板がある。50体ぐらいあるだろうか。どうも毎年テーマが設定されているようで、今年はオリンピックらしい。個人だけでなく、地元の施設や企業などの作品が田圃の畦道に並んでいる。ボルトがいると思えば、ご当地(?)ケンブリッジ飛鳥もいるぞ。奥にいるのは巨大な真田丸案山子だ。

稲渕から飛鳥川下流左岸の案山子ロードを歩いて車に戻る。上流の栢森集落の手前にある雌綱のところまで行ってみる。なぜか石段マニアのカミサンは左手の山に登る長い石段に目を付ける。あれは飛鳥川上坐宇須多岐比賣命神社(あすかのかわかみにいますうすたきひめのみことじんじゃ)という長ったらしい名前のお宮さんだ。前のハイキングのときはパスしたが、今回は登ってみる。相当な急勾配だ。ひっそりとした社は趣きがあるのだが、本殿はともかく周りの建物は傷みが激しい。氏子の減少、高齢化などの影響が出ているのだろうか。

帰り道、往きに気になっていた新しい施設に立ち寄る。このあたり、国営飛鳥歴史公園ということで整備が進んでいるらしく、この日が「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」のオープンというだ。手前のグラウンドが臨時駐車場になっていて、無料バスが走っている。ちょうど最終便が出るとのことで、あわてて乗車、少し離れた半地下の新しい建物に向かう。入場無料。

キトラ古墳の内部壁画の劣化を防ぐために壁ごと剥がして保存展示する施設とのこと。下の階が画像による展示で上の階に本物があるようだ。ところが、本物は観覧予約申込をした人だけ。期間限定・事前登録制で公開するらしい。ということで実物は拝めずじまいとなる。でも、この施設、所管が国土交通省というのは妙だ。てっきり文部科学省か文化庁だと思ったのだが。 行政の縦割りはよく判らないことが多いなあ。

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