経ヶ峰に登る 〜 富士山は見えず
2017/1/3

正月休みの帰省Uターンラッシュ、高速道路の渋滞がニュースを賑わしていても、名阪国道はスムースに流れている。奈良から関インターを経て登山口まで2時間で到着してしまった。六甲山あたりと大差ないぐらいだ。車で出かけるのに雪の心配が少ないから、冬場は伊勢の山に行くことが多い。今回目指すのは経ヶ峰、布引山地の東端の山、360°の展望ということである。

前に登った錫杖ヶ岳の南側にあたる。錫杖湖というダム湖の畔から南に笹子谷に入る林道を進む。こちら側から見る錫杖ヶ岳は綺麗なピラミッドだ。谷を進むこと10分ほどで右手に未舗装の林道が別れる。そちらが経ヶ峰への登山口、登る人がいるようで、三重ナンバー、鈴鹿ナンバーが3台駐まっていた。たぶん、頂上で出逢うだろう。

林道は左岸、右岸と渡り返していく。落石や地割れもあるから、ちょっと普通の車では無理だろう。30分ぐらいは林道歩きが続く。ようやく登山道になるが、沢沿いは100mほどで、すぐに尾根に取り付く。急な登りが終わると尾根筋は伐採跡になり、次の植林が始まるようすだ。霜柱が緩んだのか足許は柔らかくて下りは滑りそうだ。ガイドブックによれば往復2時間程度なのに、1時間歩いてもなかなか頂上には近づかない。正月休みで体が重くなったのかな。

主稜線に出て平坦地を進むと植林の向こうに山小屋が見えてくる。こんな日帰りの山にしちゃずいぶん立派な小屋だ。中を覗いてみると無人、シュラフを並べたら10人ぐらいは泊まれるだろう。火床も用意されている。頂上は吹きさらしで寒いに違いないから、戻りにここで湯を沸かして持参のカップそばを食べることにしよう。

地図をよく見ると、確かに小さく建物の表示がある。国土地理院のWebで拡大してみると、さらに明瞭だ。比較的新しい1:25000「平松」の図葉を携えて行ったが、プリントアウトした最新のものには、登ってきた尾根道も破線が入っている。等高線の曲がり具合も極めて正確だ。どんどん更新されているようだ。これは山登りの準備に必須のアイテムかも知れない。

山小屋から10分もかからず山頂に到着。ここで東側からの登山道に出逢う。どうもそちらがメインルートのようだ。笹子谷に駐まっていたクルマから想定される人数以上が山頂で憩う。でも、お弁当を食べる子供は寒そうだ。ここは風が抜ける。西の青山高原には、ずらりと風力発電のプロペラが並んでいるぐらいだもの。

これは掛け値なしの大展望だ。三重県の山にはてっぺんが草地というところが多く、ここのその例に漏れない。頂上三角点の直下には展望台、生憎の曇り空で遠望は効かないが、伊勢湾の方向はよく見える。

新しい山名表示板が頂上に置かれている。まさに360°の記載だ。何と言っても、堂々と富士山の名がある。大台ヶ原、青山高原でも見えるときがあるぐらいだから、そこより少し東の経ヶ峰から見えてもおかしくない。中部山岳で御嶽の名前があるのは判るにしても、槍・穂高まで書き込まれているのはどうなんだろう。見えるかも知れないが、ちょっと遠いし雲が出ていることも多い。ただ、快晴の正月はその可能性が高いタイミングではあるけど、生来の雨男ときては期待すべくもない。

富士山、槍・穂高どころか、山小屋で暖かい蕎麦を啜っている間に、小雨も落ちてきたぞ。慣れっことはいえ、もう、これなんだから。新年早々に雨具を着ての下山となる。雨はほどなくあがり、下りは快調なペース、確かにこれなら往復2時間だ。勤務日の関係で正月休みはあと2日あるが、これで平常ペースに戻ったかな。

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