鈴鹿・高畑山 〜 あれれ、いきなり藪漕ぎ
2017/4/16

スギが終わればヒノキ、花粉の季節は続いているけど、週に3回のスイミングだけじゃつまらない。毎日、プールやトラックで過ごすアスリートたちは、飽きないのだろうかなんて思ったりする。まあ、それは人それぞれ、違った景色を求めて私は山に行く。

朝の天気を観て、今日はスイミングじゃなく山歩きと決めた。行先は鈴鹿山脈の南部、高畑山にする。鈴鹿峠から往復3時間もあれば充分だろう。久々のウォーキングには適当な感じかな。

名阪国道を向井インターで降り、田舎道という風情の国道25号と国道1号を走る。鈴鹿峠に車を置いて往復するつもりだったが、上り線と下り線が別ルートとなった国道はトンネルの近くに駐める場所がない。三重県側と滋賀県側をぐるぐると二度回って、滋賀県側からようやく峠への脇道を発見した。巨大な常夜灯の置かれた旧東海道鈴鹿峠、山登りなんだろう、駐車スペースには3台ほどの車の姿がある。

さて、ここから尾根筋を辿れば高畑山に到達するはずが、登り口はどこなんだろう。トイレの近くから切り開きがあるので、それを進むことにする。登山道という感じはしないが、大勢の人が登る山でもなさそうだし、こんなものかと先を急ぐ。いや、しかし、これは登山コースじゃなさそう。切り開きはすぐに消えるし、沢沿いの踏み跡もなくなってくる。この季節、藪の繁茂にはまだ時間があるし、尾根筋を進めばいずれまともな登山道に出逢うだろうと、戻るのも面倒なので急斜面に取り付く。いきなり藪漕ぎとはねえ。小一時間、両手両足をフルに使って尾根筋に到達する。やれやれ、全身運動で大汗をかいてしまった。突然の人の出現で日向ぼっこの蛇もびっくりしていたぞ。

あとで地図を子細に見ると、ちゃんと登山道の位置が示されていた。茶畑が広がる鈴鹿峠の南側の縁に沿って破線が延びている。いちおう、国土地理院のサイトから最新の地形図をプリントアウトして持参したのにこのざまだ。ヤマレコというサイトには写真入りで最新の登山情報が掲載されているのに、ロクに見もしないのでこういうことになる。誰かの足跡をなぞるだけの山歩きなんて詰まらないというのが理由だが、低山を舐めて掛かるということもどこかにあるだろう。鈴鹿の山は地形が複雑だし、危険箇所も少なくないから、本当はいけないことだけど。現に、南の油日岳に登ったときはルートファインディングに失敗したし、北の雨乞岳に登ったときは道を見失いそうになったのだから。

結局、ひとつ北側の尾根を登ったことになる。本来の登山道に合流したら、細い林道から高速道路に出たようなものだ。足にも手にも、何の抵抗もない。ただ、そこから山頂までは思いのほか遠い。小さなピークをいくつも越えていく。藪漕ぎの1ピッチでの消耗があるせいか、なかなか辿り着かないアップダウンがしんどい。コースタイムを見ると1時間20分ということだったが、ヘンなルートをとったおかげで2時間近くを要することとなった。ようやく山頂だ。

鈴鹿峠に登山者の車があったのに、高畑山のてっぺんには誰もいない。私が藪漕ぎしているあいだに、まともな登山道を往復したのか、それとも峠から反対方向の山に登ったのか。ともかく気持ちのいい山頂だ。高さは772mだけど、琵琶湖と伊勢湾を振り分けに見る360°の展望。荷物を放り出して心地よい風に吹かれる。ふつうに登山道を来たのと違って、ひと踏ん張りのあとだけにお腹も空いた。これだけの眺めなのに、日曜日でも誰も登っていないとは不遇な山だ。冬場に登る山なのかも。

もしもに備えて、谷への降り口を倒木でマークしておいたが、その必要はない。明瞭な登山道が鈴鹿峠まで続いている。やっぱり普通の道ははやい。1時間ほどでスタート地点に戻った。あとは国道307号を走るだけ。花粉の季節も過ぎたら、そろそろ夏の中部山岳に備えて足慣らしをしていかなくては。何と言っても、山登りのトレーニングには山登り。

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