浅香山のツツジを観る 〜 大和川堤防歩き
2017/5/3

近鉄主催のフリーハイキングにはだいぶ出かけたので、季節ごとに駅に置かれるパンフレットをめくっても、興味をひくものが少なくなってしまった。まあ、そんなものだろう。沿線という制約があるし、スポットも限られる。そんな中で、浅香山のツツジを観るという企画に目が止まった。そんなのJR阪和線だろうとツッコミを入れたくもなるが、ある程度のウォーキングを絡めるとなると、近鉄沿線からスタートというのもアリか。

「布忍」、これは難読駅。「ぬのせ」と読む。近鉄南大阪線、松原市の西の端だ。ここから西へ、真っ平らな街歩き、布忍神社、船堂公園、華表神社、浅香山稲荷神社とお宮さんや公園を繋いで、建て込んだ狭い道を辿っていく。ごちゃごちゃした街並み、南大阪らしい。

JR阪和線のガードを潜った先が浅香山緑道、以前は浅香山浄水場だったのだが、高度成長期に大和川の水質悪化が進み、浄水場の機能はなくなっているようだ。そんなことに関係なく、ツツジは変わらずに咲いている。堺生まれのカミサンは小さいときに何度か来たことがあるらしい。私は阪和線の車窓から眺めたことがあるだけだ。

曇りがちでも紫外線は強い。歩き始めに日焼け止めをしっかり塗ったけど、浅香山公園の入口で見たおばちゃんは完全防備だ。帽子を目深にかぶり、顔全体をタオルで覆って、UV除けの日傘まで差している。ここまでやるかという感じ。これから、こんなおばちゃんが多数出没しそうだ。

大和川沿いに数百メートル、赤、ピンク、白と、色とりどりのツツジが並ぶ。こんなに大きな木になるのか、街路で見かけるものとはずいぶん違う。ご当地出身の与謝野晶子の歌碑もある。「大和川 砂にわたせる 板橋を 遠くおもへと 月見草咲く」、全然知らない歌だ。そもそも大和川を詠んだ歌が少ないのかも。あっ、そうか。大和川が堺を流れるようになったのは付け替えが行われた近世以降だから、上流の飛鳥川や竜田川のような万葉の歌があるはずもない。

さて、ひとしきりツツジを愛でたら、大和川の堤防の上を東に引き返す。JR阪和線の大和川橋梁はいろんな電車が通る。普通や関空・紀州路快速のほか、南紀方面への特急くろしお、関西空港への特急はるか、ゴトンゴトンという橋梁通過の音が聞こえると思わず振り返ってしまうのはテッちゃん。私だけじゃなく、他にもそんなオジサンがいる。

大和川の堤防を歩いて行くと、途中から工事中のフェンスが連なっている。阪神高速の大和川線の工事が進められているようだ。堤防の上を走るのではなくて、このあたりでは地下を潜るようだ。これが出来ると大阪市の外郭を繋ぐ環状道路が完成することになる。果たして阪神高速環状線の混雑も緩和されるのだろうか。

今池水みらいセンターという施設の近くに阪神高速のランプが出来るようだ。ここは下水処理施設、屋上と隣地が公園になっている。虹の広場、風の広場とかの名前が付いている。虹の広場に登ると二上山から大和葛城山、金剛山に連なる山並みがよく見える。あの向こう側、奈良盆地の水が大和川となって流れてくる。なんだかんだで、この川の流れに沿ったハイキングを何度か歩いたことになるなあ。

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