陸行水行、大正区渡船場めぐり
2017/12/16

久しぶりに風邪を引いてしまったのは、いつも行っている奈良市西部生涯スポーツセンターのジャグジーがぬるいせいかも。とうとうボイラー取替工事が始まり、ふた月ほど休場となる。これは困った。週に3回は通っていて、体重も2〜3kg減り快調だったのに。

別のプールという選択肢もあるが、古い施設で設備もいまいち、どうも足が向かない。そこでウォーキングで凌ごうと、思いついたのが大阪市内渡船めぐり。大阪市内には8つの渡し船があり、これは市の直営で無料なのだ。此花区と港区を結ぶ天保山渡はUSJと海遊館を繋ぐものだけに外国人観光客にも人気スポットとなっている。もうそれには乗船したことがあるので、残りは7つ、いずれも大正区と対岸を結ぶものだ。順繰りに行けば一筆書きコースが出来る。いざ出発。

一筆書きに拘るなら大正区千島を起点にするのが順当なのだが、対岸の西成区津守からスタートする。それには理由がある。たんに南海汐見橋線に乗ったことがないという、テッちゃんにしか理解されない動機。これが1時間に2本という環状線の内側の電車とは思えないダイヤ、近鉄の大阪難波駅から早足で向かう。阪神電車か地下鉄で桜川までひと駅乗るのはもったいない。

汐見橋は小綺麗なターミナルになっている。地下鉄なにわ筋線が出来たら新大阪と関西空港が直結することになるが、いつのことやらという感じかな。今はダイヤの好き具合と複線が不似合いなローカル線の風情だ。
 津守駅の目の前は西成公園、ベンチでごろ寝しているのはホームレスの人なのか、この季節は厳しいだろうなあ。10分足らずで落合上渡船場に着く。これが4つある木津川の渡船場の最上流。1時間に4便もあるから南海電車以上のフレクェンシー、10:30に乗船、あっという間に対岸。落合下渡船場は近い。10:45の便に間に合う、大きなアーチが見えるのは木津川水門だ。隣にはゲート状の三軒家水門、さっき渡った落合上の渡しの少し上流になる。ここで高潮を食い止めようということなんだろう。ということはその下流はどうなる、先々のことを不安がっていても暮らしていけない。ともかく、私以外の乗船客は自転車の人ばかり、地元の足ということなんだろう。

次の千本松渡船場までは少し距離がある。乗船は11:15、そして戻りが11:30。ここで往復しておかなければ、いろいろと具合が悪いのだ。ここには千本松大橋が架かっているのだが、船舶を通すのでずいぶん高い。そりゃあ渡し船のほうが楽というものだ。渡船場には浪華百景の版画のレプリカが置かれている。往時の景色はこういうものだったか。

ここで西成区から住之江区に入る。木津川渡船場までの距離は今回の最長となる。この渡し船は45分間隔と他とはずいぶん違うので要注意、12:45の便を目指す。新なにわ筋、南港通と交通量の多い道となる。地下鉄四つ橋線の北加賀屋駅周辺にはロードサイドの店が並んでいるので昼ご飯の場所には不自由しない。それも計算のうち。時間の計算が出来る丸亀製麺で最近さかんに宣伝している「かに蟹あんかけ」を試す。きっと客単価アップを狙っているのだろう。味はまあまあかな。お腹から暖まることは間違いない。

新木津川大橋は最下流の自動車道だ。珍しいタイプの中路式アーチ橋、水面からの高さを確保するためな両端はループ構造になっている。川幅は広いと言っても渡船はあっいう間に対岸に着く。

大正区船町、中山製鋼所の脇に船着場がある。左に折れると日立造船、この辺りの工場がくすんだ色合いばかりなのに、ここは外観がずいぶんきれいだ。正門の奥には咲洲のWTCが見えている。そういうレイアウトに設計したんだろうか。日立造船の脇の船町渡船場からは狭い水路を鶴町に渡る。1時間に3本、13:20乗船。

大正区の端になる鶴町には馴染みがある。地下鉄長堀鶴見緑地線の終点は大正駅だが、鶴町まで延長の計画はかねてからある。公共交通機関は大阪市バスだけだが、いちおう幹線で本数も多い。湾岸地帯が工場や倉庫ばかりで殺風景なのに、ここには生活の臭いがある。鶴町小学校の脇を過ぎ、むかしよく通った取引先の本社あたりを進むのだが、それが見当たらない。東京タワーを造った松尾橋梁という会社がない。その場所にはIHIと記されているだけ。そうだったのか、企業統合があったんだ。20分足らずで鶴町を抜けて千歳渡船場に。13:40の便に乗船、千歳橋の下を対岸に渡る。入り組んだ運河の入口になるこの辺りだと、大きめの船の姿がある。

最後の渡し、甚兵衛渡船場に辿り着く。ここにもアーチ型の尻無川水門がある。14:15乗船、対岸は港区になる。ゴール地点はすぐそこだ。津守駅をスタートし、時計回りに1時から11時まで歩いたことになる。いや渡し船もあるから、魏志倭人伝じゃないけど陸行水行だ。ぐるっと大正区を一回り。歩数計を見ると20,000歩を超えている。場所が場所だけに、ずっとフラットなコース、距離だけはだいぶ稼いだようだ。

甚兵衛渡船場の先に目的地の倉庫が見える。オンワードのオペレーションセンター、最近は年に4〜5回開催されるバーゲンの会場、今回はクリスマス直前の週末だけと会期は短い。JR・地下鉄の弁天町駅から無料シャトルバスに乗って、老若男女が押しかけている。ボーナスが出た人も多いのだろう。こちら、もうスーツを頻繁に買い換える歳でもないので、ウロウロと売り場を眺めるだけ、と思ったら、やっぱり買ってしまった。いやあ、歳とともに趣味がだんだん派手になる。そりゃあドブネズミ色では服装から老け込んでしまうもの。

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