鈴鹿・入道ヶ岳に登る 〜 また、道間違い
2018/2/25

天気は下り坂の日曜日、夕方までは保ちそうだがこの季節、途中から雨というのもご勘弁、1時間足らずで登れる山との両睨みで鈴鹿に向かう。予定は入道ヶ岳、ここはてっぺんまで2時間はかかる。奈良から2時間で登山口に着いた。なんとか行けそうだ。ここは椿大神社という神社が麓にあり、結構な賑わいを見せている。駐車場も広い。一番下にある第3駐車場が登山者用も兼ねている。山に登るなら歩くのは苦にならないはずという趣旨なんだろう。でも、車道歩きなんて極力避けたい登山者である私は、さらに車を進めてキャンプ所近くの堰堤に駐める。ここが谷沿いのコースと尾根道の分岐になっている。

既に堰堤上部の平地には車が9台駐まっている。地元の三重や名古屋方面から来ているようだ。奈良ナンバーは私だけだ。出発が遅いのだからこんなものだろう、もう11時。さて、ここからガイドブックにある井戸谷のルートを辿るつもりが、キャンプ場を過ぎたあたりで道が不鮮明になる。
 どこかで見落としたのか。次に現れる堰堤には右手に梯子が架かっているが、これを登るということか。どうもお粗末な梯子だし、上のほうは背の低い草木が被っている。これはどうもねえと、右手の踏み跡らしきものを行く。これはまともな登山道ではないと知りつつ、下草もない尾根に取り付く。こんな状態なら藪漕ぎは避けられる。足許の邪魔は無いものの傾斜はかなり急で、靴底の角度がきつくるから思いのほか足にくる。
 あーあ、また鈴鹿で道を踏み外してしまった。何度目だろう。この地域の山は必要なところに道標がなく、どうでもいいところにある。いつも感じる中京圏の公共交通機関の案内の不適切さと同様だなんて、文句のひとつも言いたくなる。山登り、所詮は自己責任なのだけど。
 この枝尾根を登り切れば、椿大神社から来る北尾根ルートに合流すると判りきっているので不安はない。息せき切って40分間、急斜面が平坦になったと思ったら、木の間越しに白い道標が見えた。目出度くまともな登山道に合流だ。

急な登りは続く。まあ間違いようのない道だから、そのまま歩き続ければ頂上に至る。尾根上はずっと雪が残っている。途中で20人ほどの団体とすれ違った。あの9台の車に分乗してきた人たちなのか、それとも神社の駐車場から登った人たちなのか。そんなことを訊く気もないし、あとどのくらいとも尋ねない。頂上はすぐ先に見えている。

鈴鹿山脈
入道ヶ岳から望む鈴鹿山脈主稜線 (ダブルクリックすると拡大しスクロール、クリックでもとに戻る)

アセビの群落を抜けると笹原の頂上に到達。ここは三つのピークからなる入道ヶ岳の北の頭にあたる。三角点のあるピークはここより低い。三角点のそばの鳥居のところに登山者の姿も見える。眺めの点ではここのほうが優れているだろうから大休止で昼飯とする。この山は鈴鹿山脈の主稜線から東に派生した尾根筋にあるので、ちょうどよい展望台だ。やはり三角形の鎌ヶ岳が目立つ。右隣はずんぐりした御在所岳になる。

なんとか天気は保った。たぶん降りた頃には雨が落ちることになるだろう。いまのところ風もなく、野外のコンロも問題ない。ここで下りに備えて簡易アイゼンを装着する。先日、面識のあった音楽学者の方の訃報を聞いたばかりなのだ。東京の大雪で転倒して頭部を強打、救急搬送のあとそのまま亡くなったらしい。都会の大雪は危険だけど、山も同様、雪道を侮ってはいけない。

入道ヶ岳の三角点は906m、北の頭は910mほど、最高地点はちょっと西の915mの独立標高点になる。ここには椿大神社の奥宮がある。ぐるっと10分ほどかけて周回して新しい鳥居のある三角点に着く。伊勢平野が見下ろせるのだが、視界は悪く見えるはずの伊勢湾も知多半島も霞んでいる。まあ、雨に遭わないだけよろしい。

登山口から600mほどの標高差だが、二本松ルートの下りは1時間ちょっとで車のところに辿り着く。正しい井戸谷ルートの登り口に出会うかと思ったが、それはない。とすると、登るときに入口を見落としたのだろう。キャンプ場のところに建物があったから、あのあたりに分岐があったのかも。まあいいや。ということで、1/25,000地形図に道が書かれていない尾根に赤い線を引く。しかし、このWebからとった地形図には登山ルートがほぼ正確に標されているのに、手許の紙の地図だと南東に下る二本松ルートが描かれていないばかりか、井戸谷のルートも全く違う。登山道を示す破線も線の引き方が杜撰だ。平成25年図式に移行したときに書き加えられ、修正されたのだろうか。最新のものをプリントアウトしておくべきだった。

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