大和富士登山大会に参加
2019/2/24

午後7時のNHKニュースの前、地元局の時間帯に奈良県下の自治体のPRコーナーがある。イベントの案内を自治体職員などが出演してやるのだが、原稿棒読みのような人も多くて、かえってそれが目立つという効果がある。何気なく横目で見ていたテレビで、今度の日曜日に大和富士登山大会、参加無料、申込不要なんて言っているのを耳にする。額井岳にみんなで登ろうということか。「行ってみる?」とカミサンに言うと、乗り気。パートを辞めてからは運動不足気味だし、ちょうどいいかも。

近鉄大阪線榛原駅からバスで10分ほどの天満台住宅地、その中にある大和富士ホールが集合場所。徒歩で10分ほどの丘陵地の麓、国道165号沿いにあるスーパーでお茶とお弁当を買って、車を置かせてもらう。住宅地の中には駐車場はないのだ。ネットで見つけたチラシにも公共交通機関で、と書いてある。

額井岳を正面に見る大和富士ホール、だいたい200人ぐらい集まっただろうか、見たところ地元の人が多い感じ。中には家族連れの姿もあるが、日曜日だというのに平均年齢は高そう。午前10時、主催の挨拶、諸注意などがあって一斉に出発。住宅地の中をゾロゾロと進む一団、まるで小学生の遠足か耐寒登山のよう。こういう山登りは、最近ついぞしたことがない。

20分ほど歩けば登山口の十八神社、ここで安全祈願のお祓いを受ける。地元のメディアなのか、主催者側なのか、カメラを回しているおねえさんもいる。挨拶に立った宇陀市長も一緒に登るとか。境内には地元の卵などの店も出ている。下山後はここで豚汁の振る舞いがあるらしい。

山道になると渋滞が起きる。これじゃ自分のペースで歩くなんて無理というもの。ゆっくりした歩み、1時間足らずの登りなのだけど、かえって疲れる感じ。富士の名が付くだけに、最後の登りは急になる。去年の夏に北側から登った尾根が見えてくると頂上はすぐ。そんなに広くない印象があった山頂はまあまあのスペースがある。100人ぐらいが弁当を広げても大丈夫だ。現在は眺望がきかなくなっているのが残念だが、木も伸びるのだから仕方ないこと。

出発は一斉だったけど、あとは各自のペースで好きに歩いてということのよう。お昼を済ませた人から三々五々下山となる。私は土地鑑があるし、ここに登るのは三度目なので、受付で渡されたマップを見ることもない。「山」の字の第一画、一番高いのが額井岳816m、そこを下りて「山」の三画目のピークとの鞍部から南に下る。山仕事の道なのか、幅はそれなりにあるが打ち払った枝や落ち葉で不明瞭なところも随所に。あれれ、もっと先まで尾根を進んでから下りるコースだったかと思いつつ高度を下げる。途中で水平道に二度出くわす。
 後ろから続いてきたオジサンとオバサン、「どっちに行くんでしょうね。これでいいんでしょうか」と不安げに尋ねてくる。「いやあ、それはわかりません」と答えて、右でも左でもなく、真っ直ぐ下へ。人家も見えてきて、車道に出たら十八神社は目と鼻の先、早い話がショートカットで一周した訳だ。

家に戻ってから、改めてマップを見ると、「山」の第三画も越えて、東の戒場山との間の峠から下山する設定になっていたようだ。どおりで我々の下降地点には案内板も何もなかったわけだ。まあいいや、おかげで美味しい豚汁を早くいただけたのだから。

早く下山したので、月ヶ瀬梅渓に寄って奈良に戻る。少し暖かくなったので、あと一週間もすれば満開になるかも。まだせいぜい三分か五分かというところ。山登りも梅見も、風がなくて穏やかな一日だった。たまたま参加したこのイベント、もう回を重ねているようだ。しかし、全国富士山の日とは初耳、2月23日の語呂合わせで山梨県河口湖町が言い出しっぺらしい。山梨県でも静岡県でも条例で制定していて、静岡県では学校も休みになるらしい。もっとも今年は土曜日だったけど。宇陀市では近い日曜日に登山大会をやっているもよう。あれっ、来年からは天皇誕生日で自動的に休日になる。しかし、畏れ多くて「全国富士山の日」なんて言えなくなるんじゃないかな。いや、今度の陛下は山好きだから問題なしか。

それで思いだしたのは、博報堂が作った休日満載のカレンダーのこと。来年版はここにも新しい休日として載るのだろう。世界中の休日を集めたら真っ赤になるのかと思ったら、お休みの日は279日(今年の場合)しかないのが意外だった。「今月も世界は休んでいる」というキャッチコピーは、働き方改革なのか、同業のライバル会社への当てつけなのか、何とも意味深だ。こちら、週3日の勤務だから、もう3年前から実践しているんだけど。

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