六甲縦走の続き 〜 再度山と高雄山
2019/5/5

花粉も落ち着いてきたので、2月の六甲山縦走の続きに出かける。これから中部山岳の夏山まで、何度か足慣らしをするつもり。山登りのトレーニングは山登りに限る。スイミングだけでは足りないというより、使う筋肉が違う。

前回は鍋蓋山まで歩いたので、その続き、再度山を目指す。元町駅からスタート。いつもは駅の南側、南京町に行くのだが、今日は北側へ。六甲山のいいところはバスに乗らなくても駅からすぐに山登りになること、それにどの尾根にも谷にも道が付いているから適当なところで切り上げられる。さて元町駅、南側と北側ではだいぶ雰囲気が違う。こちらは山の手、兵庫県庁はここにあるのか。隣接する兵庫県公館は大阪府のそれに比べるとずいぶん立派だ。

街歩きはすぐに終わり、神戸山手女子中学校・高等学校の先は谷に入る。大師道という名の古い道、名前からして弘法大師に因んだもの。二十丁から始まる丁目石があり、昔は茶店をやっていたのか道筋には廃屋がいくつか目に付く。この丁目石の終点は再度山中腹の大龍寺、山号も再度山というのは空海が唐に渡る直前と帰国直後に参詣したからだという。どうもお寺のほうが主体になっていて、背後の山に登る人は多くなさそう。ハイキングコースも再度公園まで山腹を捲いていく。そもそも、私の手許の昭文社の登山地図には山頂までの道は破線になっていて、わざわざ「眺望なし」なんて注記まである。

大龍寺の本堂の脇から登っていくと、道筋に私設のようなお堂が並んでいる。それが途切れて急斜面を登り切ると、神戸の街の眺望に恵まれた山頂に至る。何のことはない、少し伐採して南側の見通しを良くしたのだろう。最近の地図だとどうなっているのか、この種の注記内容は経年変化する。登山道の荒廃や整備にしてもそう、いまどきはヤマレコとかで最新の現地情報が得られるが、そんなものを見て追従するだけの山歩きなんて願い下げだし、歩いて発見のほうが面白い。

大師道を歩いていたときは、ハイキングの子供たちなど大勢の人がいたのに、再度山の山頂には誰もいない。ちょっとコースをはずれると六甲山でもこんなものだ。再度公園に下りると再びハイキングの人たち、しかし、車道を横切り少し先の高雄山への登りに入れば出会う人もない山歩き。標高ゼロからの山登りとはいえ、500mに満たない再度山と高雄山、ところが高雄山の登りは小さなピークが連続してけっこうくたびれる。どうも最短コースではなく、分水嶺の尾根を行く遠回りをしてしまったせいもある。塩屋から宝塚までの六甲全山縦走というのは、この山系の南北の分水嶺を忠実に辿るものではない。今回歩いた部分は南に神戸へ流れる水系を横切る箇所にあたる。

高雄山の山頂も無人、この季節にしては暑い。小さな虫が顔の周りを飛び回り、目に飛び込んでくるのが鬱陶しい。ここから下って摩耶山に登り返す気もなくなったので、トレーニングの手始めとしてはこれでお仕舞いにする。市ヶ原まで急斜面を下る。ここでも河原はバーベキューの人たちで大賑わい。

前に市ヶ原まで歩いたときは、布引貯水池に沿う道は通行止めになっていて、ハーブ園のほうから大回りしたのだが、今回は真っ直ぐ新神戸駅に向かう。布引の滝も登山者、観光客でいっぱい。なにしろ新幹線の駅から10分も歩けば名瀑なのだから。そして、新神戸駅の裏手に到着すると、あっと驚く光景が。新幹線のホームの下、布引谷の続き、新生田川の河原でバーベキューをやっているのだ。確かに、ホームの陰で日焼け防止にはいいかも知れないが、自然の中でとは言い難い。「のぞみ博多行きが到着します」とか何とかのアナウンスが聞こえる河原で焼肉、その臭いと煙が漂ってくるホームで新幹線を待つ、これは何ともシュールな情景だ。夕方ともなれば近鉄鶴橋駅にはコリアタウンの焼肉の香りが漂ってくるが、こちらは全てののぞみが停車する新幹線駅だし、ちょっと格が違うはず、それでも禁止されているるわけでもなさそうなのはいかにも関西かな。

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