摩耶山に登る 〜 梅雨の合間に夏山トレーニング
2019/7/15

この時期になると、夏の中部山岳に備えた足慣らしに出かける。予定では8月上旬なので、今のうちにと梅雨の晴れ間を狙う。出かけるのは六甲山、電車で行けて、低くても海抜0mからの登りだから、それなりにトレーニングにはなる。大汗をかいて暑さに慣れるという側面もあるのだ。西の塩屋から細切れで全山縦走ルートを歩いてきて、再度山まで来ているのでその東、今回は摩耶山だ。

新神戸駅の下を抜けると布引の滝への登山道になるが、それではなく少し東に行ったところで跨線橋を渡る。真下は新神戸駅のホーム、しばらく橋の上にいると上りも下りも新幹線の列車がやって来る。金網がちょっと邪魔だ。

いきなり住宅地の急坂になるのは六甲山はどこでも、石灯籠に旧摩耶道はこちらと小さな案内板が貼り付けてある。地図をよく見ていないと見落としそうだ。お寺の境内を抜け、猪除けの扉から山道になる。ここは金毘羅山雷声寺という寺、縁起を読んでみると浜田国太郎という人が昭和のはじめに開いた寺で、新しい。元々は船員だった人で、出家して雷声、船員供養、航路安全、水難防止、海運業発展などを祈念し、金刀比羅宮から仏を迎えたのだとか。まあ、神戸には似合っているか。

古い道ではあるらしいが、誰も歩いていない。新神戸駅から山に入る人たちは、布引の滝を経て市ヶ原あたりでバーベキューでもしているのだろう。静かな山道なのはいいが、前方に通行禁止の黄色いテープ、「ハチに注意」なんて掲示がある。5mほどの区間の前後にテープなのだが、巻き道もないのにどうしろというのだろう。土中にスズメバチの巣でもあるのか。邪魔をしないようにそおっと通り過ぎる。酷い目に遭った仲間もいたことだし、ハチは危険。

旧摩耶道が尾根に出たところで学校林道という道になり、さらに尾根が合わさると天狗道という六甲全山縦走路となる。ここまで来ると突然にトレランの人が多くなる。しばらく休んで歩き出すと、後ろから大きめのザックを担いだ40代のカップルが続いてくる。前を歩くオッサンを抜かそうかという勢いだ。ザックにはヘルメットなんぞも付いているから、これは北アルプス行きの装備そのままで足慣らしかな。やがて足許は岩場が多くなってきて、こちらもペースアップ、きっと抜けそうで抜けないもどかしさがあるだろう。意地悪をするつもりはないが、こちらもトレーニング、追いつかれることもなく摩耶山に到達だ。

NHKの中継基地の横に踏み跡があり、たぶんこれが三角点への道と踏んで登っていく。アタリ、標高698.60mの三等三角点の横には石丸猿田彦大神、天狗岩大神が並ぶ。林の中で眺めはない。多くの登山者は素通りのようで、人影はない。ここで新神戸駅で買った定番、六甲縦走弁当をいただく。680円の良心価格でおかずが豊富、私の一押し。

摩耶山頂はロープウエイもあるし路線バスも走っている。御多分に洩れず中国人観光客の姿も。この季節、観光なら夜景のほうがいいだろうに。まあ、それほど暑くないのが幸い、しばらくは車道と山道を交互に進む。早くから開けた場所だから山上には小洒落たホテルもある。オテル・ド・マヤとフランス語で来るか。

この先、有馬側に抜けるつもりで、ダイヤモンドポイントという北摂の眺めが開けた場所に到着、石楠花谷を下るつもりだったが、尾根にも谷筋にも踏み跡もなさそう。廃道になってしまったんだろうか。それとも先年の台風の被害なのか。さらに先に進んで、地獄谷の下降はどうかというと、こちらは立派な通行止めの柵、どんどん歩く距離が増えそうで最後の選択肢のシュラインロードを辿る。やれやれ。

長い林道は神戸電鉄有馬口駅に続くのだが、途中で横にそれて唐櫃台駅に向かう。駅前にスーパー銭湯があるのを地図で発見、有馬温泉だと少し寄り道になってしまうので、こっちでいいや。かくして、トレーニングには充分過ぎる山歩きになった。帰宅して歩数計を見たら33,000という数字になっていた。

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