岩井理花・中鉢聡ジョイントリサイタル ~ 東京生活のスタート
2001/1/18

銀座十字屋ホールのリサイタルで、私の東京ミュージックライフがスタートした。岩井理花(ソプラノ)・中鉢聡(テノール)、高橋裕子(ピアノ)という顔ぶれ。少人数の会場でのくつろいだコンサート。
 新年9日に東京に転勤となり、単身生活を始めた矢先、ともだちのT君から岩井さんのリサイタルが銀座十字屋ホールであると聞き及び、早速二人で出かけた。

コンサートからしばらく経ったある日、当の岩井さんから電話。単身生活をしていると、電話が少ない上に、女性からの電話となると希なので嬉しいものだ。当方から出した葉書へのお礼だった。当日、私が聴きに来ていることに気づかなかったようだ。

転勤後の初めてのコンサートが岩井さんのリサイタルとは因縁めいた感じ、最初に会った頃と変わらない美しい声と姿にうっとりとするとともに、中鉢さんとのコンビも息のあったもので、楽しいひとときを過ごした。

当日のプログラムは次のような内容(*は、岩井さんの歌、一部デュエットあり)。

デ・クルティス:わすれな草
 ビクシオ:マリウ愛の言葉を
 ヴェルディ:煙突掃除夫*
 ショパン:悲しみ*
 カルディルロ:つれない心
 ディ・カプア:オー・ソレ・ミオ
 橋本国彦:お六娘*
 小林秀雄:落葉松*
 ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」~そよ風に聞けば
 ヴェルディ:歌劇「リゴレット」~女心の歌
 ドニゼッティ:歌劇「シャモニーのリンダ」~私の心の光*
 プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」~冷たいこの手
 プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」~私の名はミミ*
 プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」~愛らしい娘さん

岩井さんは、リリコ・スピントに近いリリコ。舞台ではヴェルディの諸役や、サロメなどのやや重めのレパートリーも歌っているが、この日のプログラムを聴くと、軽目のものもいい感じだ。「愛の妙薬」のデュエットなど、初めて聴く新進テノール中鉢さんとの息もぴったり。

「ラインの黄金」のフライア役での、岩井さんの新国立劇場登場も近いし、これから東京で舞台に接するチャンスも増えそう。

中鉢さんは声に色気がある人。まだまだこれから伸びることを感じさせる素材だ。技術的なことは精進の過程で身に付く、でも惹き付ける個性は、最初からあるかないか、だと思う。彼の場合は、ある。これから、期待できそう。

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