日立フィルハーモニー/マーラー「復活」 〜 アマチュアだと、こうなる
2001/2/4
 
 単身赴任1か月、生活のペースはできつつありますが、週末の過ごし方がなかなか確立しない。まず、家族の許への帰省がある。貯まった洗濯や掃除がある。自分でどれだけ料理を作るか(どれだけ外食するか)も、家計に直結する問題。東京に一人で住んでいるからには、こっちで山登りにも行きたいし、もちろん、好きなオペラやコンサートにも…。
 大概、週末の予定は詰まるのですが、何もないと逆に不安に。そこは良くしたもので、東京では毎日両手では足りないほどのコンサートが開催されているので、予算さえ気にしなければ行き先に困ることはない。そんな訳で、何もない日曜日に出かけたのはアマチュアオーケストラの演奏会です。
 
 日立フィルハーモニー管弦楽団(指揮:神宮章)と言うからには、日立製作所の企業内オーケストラです。さすが天下の大企業だけあって、企業内オーケストラがもう一つあるそうな。日立コールファミリエというのも企業内のコーラスなんでしょう。すごいなあ。
 
 この日の演目は、次の二つ。
 グリーグ:ホルベルグ組曲Op.40
 マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」
   佐藤ひさら(ソプラノ)、森山京子(アルト)
 
 昼下がりのサントリーホールは予想に反して満員、考えてみれば、オーケストラやコーラスの身内だけでも相当な数だから、これは当たり前です。
 
 前半のグリーグは初めて聴く曲ですが、弦のアンサンブルはなかなかの水準と見ました。
 ところが、メインのマーラーは、アマチュアの限界がはっきり聞こえてきます。ソリストは第一線のプロを呼んでいますが、オーケストラ、コーラスはアマチュア。もちろん、大変な時間の練習をこなし、立派に仕上げているのは判るのですが、これはマーラーの音楽になっていない。例えて言えば、ハイドンを聴くようなマーラー、マーラー特有の緩急もなければ表情もない。テンポの揺れは全くと言っていいほどなく、機械的にメトロノームに合わせたような感じ。技術的にきちんと合奏するという域を出ない演奏だし、極言すれば音楽以前かなあ。
 ちょっと厳しすぎるかなあとは思いますが、身内だけの発表会でもなさそうだし、木戸銭を取る以上は批判も避けて通れません。
 
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