新国立劇場「リゴレット」 ~ 半額ディスカウントに納得
2001/2/7

新国立劇場の「トロヴァトーレ」に続いて、今度は「リゴレット」、没後100年、ヴェルディ作品の上演が多いこと。この日は、ダブルキャストの裏の日になる。

私は、釜洞祐子さんのジルダがお目当て、彼女は期待以上の出来だった。ピュアな音色、正確な発声、明確な言葉、確実な技術、舞台栄えもして言うことなし。

しかし、マントヴァ公爵の田口興輔さんには、もともと期待はしていなかったとはいえ、ひどいものだった。他に人はいないのだろうか。役柄に合わせたわけではないだろうけど、下品な歌いぶり、時折スピントの片鱗を見せるものの、全体が雑で音程もでたらめ。この人はキャリアが長いせいか贔屓筋がいるらしく、Bravo!の声も飛んでいたが、同じくらいのブーイングもあった。こんな人を舞台に上げるのは、どうかしている。

リゴレット役のジャンカルロ・パスクエットは、可もなく不可もなし。マッダレーナ役の西けい子さん、声があまり聞こえず、論評のしようもない。モンテローネ役のバス、小川裕二さんは、まだ若い人のようだが、これは良かった。

プロダクションとしては再演、舞台装置はよくできている。リゴレットの家が回り舞台になっており、幕中で人の出入りに応じて回転し、3つのアングルで見せる。
 オーケストラは東京交響楽団、演奏は生気に欠ける。東京フィルが素晴らしいというわけでもないが、ちょっとピットでは差があるのを実感する。

14日がこの「リゴレット」の楽日で、話題のテノール、マルセロ・アルバレスが歌うので、聴いてみたいと思ったが、それもならず。
 このリゴレットも、先のトロヴァトーレに続いて法人会員の半額料金。割引はありがたいけど、実質価値がそれだったら、何と言っていいのか…

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