セゲルスタム/読売日響のマーラー ~ 同じユダヤ人でも
2001/2/25

メンデルスゾーンとマーラー、ドイツ・オーストリアで活躍したユダヤ人音楽家、ロマン派の初期と末期、面白い取り合わせだ。前者のヴァイオリン協奏曲ホ短調(トーマス・ツェトマイヤーのソロ)、後者の交響曲第1番ニ長調、レイフ・セゲルスタム指揮の読売日本交響楽団、サントリーホールでの演奏会。

同じユダヤ人でも二人の音楽は全く違う。革新性はそれぞれあるのだが、伸びやかに屈託なく響くヴァイオリン協奏曲と、ドロドロと粘るようなところがある交響曲とでは、その違いは限りなく大きい。休憩を挟んで対照的な音楽を聴くのは面白いものだ。

とは言っても、演奏自体はそんなに面白いものでもなかった。フィンランドの巨人とか大仰なキャッチコピーがチラシに踊っているセゲルスタムという指揮者、サントリーホールでマーラーのシリーズが3回(1回は第9交響曲)予定されているので、それなりの人なんだろうが…。作曲家でもあるらしいが、私は聴いたことはない。

しばらく前に、ユリアフ・インバルの指揮でこの第1交響曲を聴いているので、どうしてもそれとの比較になると分が悪い。あちらは外連味があると言うか、面白すぎるんだろうが、比べるとやはりこちらは平板な感じかなあ。

ほんとうに久しぶりに聴く読売日本交響楽団の響きは、少し粗い感じ。こんな音だったんだろうか。東京のオーケストラの競争の中では苦戦かも知れない。

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