ベルティーニ/東京都響の現代もの ~ と言っても、いろいろ
2001/4/19

公演のチラシ

東京に住みだして、どのオーケストラの定期会員になろうか迷い、結局、東京都響の東京文化会館のシリーズにした。プログラム内容への興味は当然だが、最終的に価格が決め手。何しろ4階サイドのEX席というのは単価が1200円。大阪フィルの1回券1000円席には及ばないが、格安。

そして、これが会員になって初めての定期。サントリーホールだと結構満員になるのに、東京文化会館だと七分ぐらいの入りだ。

武満徹のヴィジョンズ。私には、武満作品は何を聴いても同じように聞こえ、区別がつかない。リズム感に乏しいせいかな。

メシアンのキリストの昇天。4楽章からなる30分弱の曲。それぞれが特徴的で、これは面白く聴けた。現代曲と言っても、作曲後数十年も経てば、耳に違和感がない。これがこの夜のプログラムでは一番。

最後は、ストラヴィンスキーの春の祭典。これは、もう完全に古典、普通に演奏し、普通に聴く作品になっている。最近、コンサートでこの曲の演奏がとても多いような気がするのは、著作権が切れたのかな。休憩後は1階に移ったので、太鼓類がやたら響き、音はかえって今ひとつという感じだった。演奏は、ごく普通の水準か。

コンサートはなんだか不完全燃焼で帰宅、テレビをつけたら、NHKで三波春夫の追悼番組をやっていた。番組の最後に放送されたのは、平成11年末の紅白歌合戦で歌った「俵星玄蕃」。万博の歌のような駄作も多いが、確かにこれは彼の歌の最高傑作だ。その紅白の時にも感動したが、これはヴェルディのアリアにも匹敵する。カヴァティーナ、カバレッタ、レチタティーヴォまであるんだから。「イル・トロヴァトーレ」開幕のフェランド(バス)のアリアとイメージ的に近いものがある。そう言えば、大野和士氏がテレビで、「ラ・トラヴィアータ」のアリアと藤圭子の歌を対比させていたことを思い出した。

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