小劇場オペラ「ねじの回転」 ~ こりゃ、なかなか見応えが…
2001/4/22

新国立劇場、大・中・小と三つもオペラをやれる劇場を持つというのは贅沢なことだ。しかも、それが自宅ご近所だから、納税者としては、せいぜい元を取らなきゃ、と思ってしまう。

ここは座席が階段状になっていて、舞台が近いし、見やすい。ただ、座席は座面を押さえておかないと、跳ね上がってしまう。前の席の女性が、開演前に派手に尻餅をついていて、お気の毒だった。それにしても、4回公演の最終日で満員。東京のマーケットは懐が深い。

平尾力哉の演出がよくできている。もっと簡素なものかと思っていたら、さにあらず。立体的で奥行きもうまく使った美しい舞台になっている。お話は辛気くさいものだが、飽きさせない。

歌手は名前を聞くのも初めての人ばかりにしても、なかなかの出来だ。語り手および悪魔役のテノールと男の子役のソプラノ(なかなかかわいい)が上出来。出演者はだいぶ英語を練習したようです。オーケストラと言っても、僅か13人(東京フィルメンバー、指揮は松岡究)、でも、これがなかなか雄弁。登場人物は6人、指揮者を入れても20人だから、小劇場にはぴったり。歌い手の最も低い音域でテノールなので、ちょっと音色的にも異色な曲になる。でも、英語というのは、子音が多くてオペラには相性が悪いと感じる(ドイツ語だって)。

出演者は、山本美樹(家庭教師)、押見朋子(家政婦)、森田裕子(少女)、前田真木子(少年)、悦田比呂子(元家庭教師)、小貫岩夫(悪魔)、という顔ぶれだった。

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