お久しぶり、高関さん ~ 都響/ショスタコーヴィチ第8交響曲ほか
2001/5/18

公演のチラシ

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番とショスタコーヴィチの交響曲第8番という変わった組み合わせのプログラム。どちらもほとんど初めて聴くもの。ヴァイオリンはカトリーン・ショルツというドイツ人女性。指揮は高関健。彼は大阪センチュリー交響楽団の定期演奏会でおなじみの指揮者で、奇を衒うことのない真摯な音づくりは私の好みだ。

この日のプログラム、聴いてみて、二曲の共通点は木に竹を接いだような展開というところかな。ショスタコーヴィチはどんな曲でもそんなところがあるので驚かないし、それが面白さでもあるのだが、モーツァルトの第3楽章ロンドにはちょっと驚いた。普通はABACABAなんて感じなのが、この曲ではAXAなんて感じ。極端にイメージが違う中間部が入ってくる。

このモーツァルトは素敵な演奏だった。オーケストラのアンサンブルは、大阪センチュリーのとき同様、この人の指揮はバランスがいい。ソロも音色に派手さはないが、しっとりと聴かせて、とても好ましい。アンコールで弾いた無伴奏の曲(たぶんバッハ)も、テクニックをひけらかす感じではなく、落ち着いた音色で終始した。

ショスタコーヴィチは、まあこんなものかという感じ。第5交響曲のような集中はなく、散漫に展開するばかりで、視覚を伴っていると管楽器や打楽器の大活躍もあって楽しいが、ライブ以外であまり聴いてみようという気にはなれないなあ。特に、主役を後方の楽器に奪われ、ズンチャ、ズンチャとやっている弦楽器はつまらないだろうなと思う。曲自体が脈絡のない展開なので、低い方のクラリネットのお姉さんが、休止の小節を指折り数えているのをオペラグラスで発見するなど、ライブならではの面白さもある。

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