コヴァーチュ/東京フィルのドヴォルザーク ~ 耳も夏バテ?
2001/7/18

ひと月ばかり、大阪の父親の具合が悪く、コンサート、オペラにはご無沙汰していた。手術も成功し、経過も良好なので、ぼちぼち復帰。

公演のチラシ

ヤーノシュ・コヴァーチュ指揮によるオール・ドヴォルザークプロ。序曲「オセロ」、セルゲイ・スロヴァチェフスキーのソロでチェロ協奏曲、そして交響曲第7番。

この日の演奏を聴く限り、東京フィルと新星日響という2つのオーケストラの合併は、マイナスに作用していると思う。金融機関の合併も同じだが、効果発揮までには時間がかかるし、茨の道ということか。

合併につきもののリストラも全く行われていないようだし、どういうふうに多数のメンバーを振り分けているのかも不明だ。管楽器にどうしようもなく下手な奏者が混じっている。気の毒だけど、メンバーの淘汰が進まないと、旧東京フィルのレベルに見劣りがする。

プログラムに前回の定期についての文章が載っていたけど、客席の盛り上がりや、カーテンコールの熱狂だけが書かれていて、(私の代わりに行ってもらった)ともだちが指摘していたような演奏そのものについてのコメントなしというのも気になる。こんな調子で上滑りしてしまっては先が思いやられる。

ドヴォルザークは、今となってみれば、自分の感性とは遠いところになってしまったと思った。ちっともいいと思わなかったのは、曲のせいか、夏バテ気味の体調のせいか。

チェロ協奏曲は名曲だけど、コンサートで採り上げられる回数があまりにも多く食傷気味。退屈してしまって第二楽章では爆睡、自分のいびきでハッとする。休憩前のアンコール、サンサーンス「白鳥」はとても綺麗なチェロだったが。

よく考えると、このホールでは声楽以外ほとんど聴いていないので、オーケストラだけだと遠くで鳴っている感じ(サントリーホールの定期と振り替えた結果、珍しく一階席の後ろになったせいかも)。

指揮のコヴァーチュ氏、写真では高齢かと思ったが、まだ50歳、指揮台も(もちろん譜面も)棒も使わないのは珍しい。色々と原曲に加筆するタイプの人らしいが、私はどこに加筆しているのか判らない。

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