若杉弘/都響/詩編交響曲ほか ~ 大事件の翌日
2001/9/12

忙しいT君に代わり行ってきた。9月12日の東京都響の定期演奏会(サントリーホール)。指揮は7日に続き若杉弘、合唱は晋友会合唱団。

公演のチラシ

バッハ:ブランデンブルク協奏曲第6番 変ロ長調
 ブラームス:セレナーデ第2番 イ長調 作品16
 ストラヴィンスキー:詩篇交響曲

このプログラムも一見バラバラのようだが、古典派・隠れ古典派・新古典派の系譜をなぞっているところ、若杉氏らしい。

何しろ、前夜の超弩級の恐ろしいニュースで寝不足(いったん12時過ぎに寝たが、4時前に目が覚めた)。したがってバッハは夢見心地のため論評できず。この曲じゃ、起きてろと言うのが無理というもの。

ブラームスは何を聴いてもブラームスという感じ。ちょっと意外と思われるのだが、私はブラームスが好き(フランソワーズ・サガンに訊かれた訳ではないが…)。これは作品番号からすると、若い頃の作品のようで、聴くのは初めてかな。後の交響曲などの特質が既に現れているようだ。つまり、低音弦を重視し、厚めに弦を重ねた上に、くすんだ感じで木管を乗せる。やや遅めの各楽章のテンポにあまり差がない(楽譜上の指示は違っているのだろうが、表情・響きのせいか、聴いた印象はいつも近似になる)。私のメインストリームのイタリアオペラとは全然違うんだけど、私はそんなブラームスが好き(好き嫌いに理由は要らないし)。演奏については、良かったと思うが、何しろ自身のコンディションの加減もあって、突っ込んだことの言える状態じゃない。客席にも寝不足の人が多かったのでは。

ストラヴィンスキーは面白かった。何しろ編成がとっても変わっている。中央にピアノ二台、その後ろの弦はチェロとコントラバスだけ、左に木管(何とクラリネットなしの五管)、右に金管と打楽器、奥に混声合唱。チューニングからして普通とは全然違う音(当たり前)。これじゃ、しゅっちゅうやれる曲じゃないなあ。
 五本の管を揃えると、ちょっとレベルの差が見えるが、これは仕方ないだろう。打楽器みたいなピアノが、ペトルーシュカを彷彿とさせる。コーラスは何語で歌っているのか判らないが、かなり器楽的な扱いだ。プログラム後半はこの三楽章20分程度の曲だけ、各楽章のカラーも違って楽しめた。

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