沼尻竜典/都響、オール吉松隆 ~ そうか、これが、あの人
2002/1/24

公演のチラシ

東京都響の定期、沼尻竜典さんの指揮でオール吉松隆プロ。私はこれまでこの人の作品は聴いたことがなく、雑誌"Mostly Classic"で特集までするぐらいの作曲家なので、どんな音がするのか興味津々出かける。この人は文章が書け、絵(マンガ)が描ける人なので、そっちの方はこれまでおなじみでも、曲を耳にするのは初めて。

「朱鷺によせる哀歌」、ピアノと弦楽器の作品、これは聴きやすい。確かに好感が持てる音だし、音楽の流れ。これがポストモダンか?

次のピアノ協奏曲「メモ・フローラ」、ソロは田部京子さん。これは正直言って、つまらない。駄作じゃないかな。途中で意識がなくなってしまう。ごく普通の編成で、いったいいつの時代のものか、古くさい感じだ。よく判らないが、ピアノのパートはすごく簡単じゃないのかな。ちっとも協奏曲という感じがしない。まあ、半分以上寝ていから、あまり言えないけど…

カムイチカプ交響曲(交響曲第1番)、面白い曲だ。第1楽章なんて、「ボレロ」あるいは、ショスタコーヴィチの第7交響曲の"三番煎じ"という感じ。でも、それなりの面白さがあって視覚的にも楽しめる。
 ジャズのイディオムが全曲にちりばめられており、うまく取り込んでいると言えるが、各楽章の性格が全くバラバラで全体の統一感は今ひとつ。この人は、マーラー、ショスタコーヴィチ、その後の時代を飛ばして、彼らに続く作品を書こうとしているのかな。まあ、それも正解なのかも知れない。

機会があれば、また聴いてみたい作曲家だ。

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