スクロヴァチェフスキ/N響 ~ つまらないことを覚えてる
2002/4/19
オペラ最優先の私は、東京に転居して一年以上も経ったのに、N響は初めてだ。もちろん、スクロヴァチェフスキも。
印象、オケも指揮もどうってことないなあ、というもの。これが、世評の高い指揮者とオーケストラか。
実はチャイコフスキーは結構好きだけど、悲愴交響曲なんて何十年振りかだなあ。これが指揮者の意図なのかも知れないが、各パートがバラバラという感じだった。もちろん合っていないというのではなく、ことさら合奏になることを拒否したような演奏かなあ。後半の楽章はそれがいいところもあったけれど、前半は?
体調がよければ楽しめたのかも知れないが、それがイマイチなせいで。てなことで、タクシー奮発して帰宅、わりと近いので30分後には風呂に入っていた。
ふらっと立ち寄って3階の自由席で聴いたが、前半のブルックナーやシマノフスキ、感性が合わないこともあり、半分以上寝てしまった。
悲愴交響曲では思い出すことがある。
あれは中学生のときだから、私がクラシックを聴きだしたころ。大阪市内の中学校だったので、中之島のフェスティバルホールで開催された音楽鑑賞会という学校行事があった。オーケストラは大阪フィルで、ポピュラー名曲を集めたコンサートだったように思うが、他の曲が何だったかは覚えていない。
悲愴交響曲は第一楽章だけが演奏されたが、ヴァイオリンの美しい第二主題が消え入るように奏でられたあと、展開部の開始を告げる強烈な和音の一撃。前の席に座っていた引率の社会科の先生が椅子から飛び上がった。きっと、よくおやすみだったんだろう。
だから、何十年経っても、この曲を聴くと、その情景が鮮やかに甦り、ニヤリとする始末。笑うような曲じゃないんだけどなあ。