新国立劇場「トスカ」 ~ 恒例(?)尻上がりパターン
2002/5/11

公演のチラシ

早朝からのZ券入手作戦奏功(京王新線上り二本目で5:13初台着)。ところが、20枚ほど発券したところで、「ぴあ」のオンラインがダウン。10番目だった私は帰宅して昼寝できたが、午後の会場で聞くとオンライン再開は11:30だったとか、かなりの混乱だったもよう。みずほ銀行と同じことなんだろう。結果的に、62枚中の40数枚が新国立劇場のボックスオフィスで出せたということだが、ボーダーのところに並んだ人は、ストレスが溜まっただろう。

私は歩いても行ける地の利があるにしても、やはりこの売り出し方法は問題がある。少なくとも、渋谷・新宿・池袋での販売は止めて、柏・横浜との3か所に絞り、枚数を固定する方が、結局はファンを大事にするということではないかしら。このZ券というのは他の前売りチケットとは性格が違うものだし。

長く待たされた人、そして並んでも入手できなかった人には申し訳ないが、ファンティーニ、ラ・スコーラは8日に勝る出来映えだった。
 あの日は勤め帰り、今日は昼寝もしたし熱いシャワーも浴びて体調万全という事情もあるけど、それでもやはり千秋楽の今日の方が素晴らしかったと思う。

二人のデュエットで前回感じた違和感はほとんど感じなかったし、それぞれのアリアも、これだけの歌を聴くことができるのは滅多にない。感情移入過多という批判もあるかも知れないが、それはそういうもので、だから舞台なんだと思う。

ちょっと気の毒だったのは、ダルテーニャ。予定の出番とは言え、昨日のグェルフィ降板の代役から24時間経ってもいない。立派な歌だし、グェルフィを聴いていなければ大満足だったかも知れないが、どうしても比較してしまう。トスカとの対決場面はちょっと迫力不足(風貌は強面なのに)、キーワードの響きが薄っぺらなものになって、ドラマを感じさせない場面が随所にあった。例えば第一幕なら、In chiesaという言葉で偽善者としての性格、Va Toscaという言葉で邪悪な企てを感じさせるかどうかなのだ。

それにしても、オーケストラは素晴らしかった。世界のメジャーハウスに出しても恥ずかしくない。いったい東フィル、どうしちゃったんだろう。昨年のピットでは、気の抜けたようなフレーズを限りなく聴いたのに…

しかしまあ、税金はそれなりに払っているとは言え、1500円でこれだけのものを、観る聴けるというのは大変ありがたいこと。

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