ギルバート/N響「ショスタコーヴィチ4番」 ~ これが同じ曲とは!
2002/5/16

これは名演だった。N響の実力を実感。
 この曲は、大阪勤務のころ、2000年7月に井上道義指揮の大阪フィル定期で聴いたのが最初で、今回は二度目になる。とても同じ曲とは思えない、と言うのが率直な印象。
 故人となった方の声価が高止まりしていた一方で、アンサンブルの乱れやバランスの悪さが、耳を覆いたくなるほどだった当時の大阪フィルと比べると、唖然呆然とするほどの差。関西人の私は、シェフ就任予定の大植英次氏に捲土重来を期待したいところです。

公演のチケット

いきなり話がそれてしまったが、アラン・ギルバート氏、私は初めて聴く。うん、なかなかいける。一言で言えば明晰、とてもクリアな響きで、濁りというものが一切ない。各声部のバランスもいいし、それぞれがクリアで、最弱音から耳を劈くトゥッティまでダイナミックレンジの大きいこと。テンポの揺れも見事にコントロールされていて、一糸乱れぬ凄さ。これはオーケストラの力量が遺憾なく発揮されたものとも言える。

第1楽章の終盤の弦楽のフーガからクライマックスへの流れは鳥肌が立つほど。そして第2楽章木管のアンサンブルの見事さ。この曲は、本当は5番に匹敵するほどの名作かも知れない。

チケットを買っていたわけではなく、帰りにふらっとNHKホールに寄って、外野自由席(1520円)を求め入場した。前半のラヴェルの左手コンチェルトは、近くのオジサンの鼾で、こちらもハッと意識が戻るような有様だったので、私には語る資格なし。

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