都響定期「二つのオーボエ協奏曲」 ~ 舞台姿も音楽のうち?
2002/5/20

公演のチラシ

プログラムは、前半がアルビノーニのアダージョをはさみ、マルチェッロとマルティヌーのオーボエ協奏曲、後半が英雄交響曲という一風変わったもの。

勤め帰りだと、前半の開始直後にコックリすることが多い私だが、週末の睡眠が足りたせいか、眼はパッチリ。愉悦あふれるフランソワ・ルルーのオーボエを堪能した。
 いやあ、上手い人はうまい。後半のプログラムではそのパートの人は大変やりにくかったろう。

マルティヌーの曲は、時代がバロックから現代に飛んでいるのに、意外に違和感がなかったのは不思議。演奏もこの曲が今日の白眉かな。

それにしてもルルーはよく動く人だ。上下左右にとどまらず斜めもあり、はたまたスタンスも変わるし、あっち向いたりこっち向いたり。前後もあるから、バイオリンにあわやニアミス。これだけ体で音楽をやらないといけないなら、オケのオーボエ奏者はあんな狭いスペースでは、表情のつけようもないということに。

対照的なのは指揮の大山平一郎さん。空席も目立ったので、後半は4階から1階に移動したが、下で見ると首から上はほとんど見えない。要するに、両足を大きく広げて踏ん張り、超前傾スタイル。あれでは肩が凝らないかなあと心配する。

英雄交響曲なんて聴くのは、いつ以来かほとんど記憶がない。これは奇をてらわない安心して聴ける演奏だったと思う(特にテンポ)。私には大山さんが内声部の響きに意を払っていたように見受けた。何となくブラームス風、オーケストラでヴィオラを長くやっていた人らしく、そのせいもあるのかなあ。

オーケストラの弦楽器奏者から指揮者に転じた人は、トスカニーニやジュリーニなんて巨匠の例もあるが、日本では珍しい存在だ。

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