日本フィル定期「トゥーランガリーラ交響曲」 ~ こんな曲だったんだ
2002/11/14

職場の後輩のT君、木村かをりさんのメシアン・シリーズを通しで買っているし、児玉桃さんの武蔵野での公演は発売日いの一番に電話するというコンテンポラリー男だ。

「えっ、トゥーランガリーラに行くんですか!」
 「だって、グバイドゥーリナなんて、引っ張って行ったの誰だ!」
 「オンド・マルトノはハラダ・タカシさんでしょ。これがメシのタネですから」
 「…」

公演のチラシ

私の本棚にある古い本、音楽之友社の「名曲解説全集2・交響曲下」、昭和34年発行。ショスタコーヴィチの第11番(それ以降はまだ作曲されていなかった)に続いて、一番最後に収録されているのがこの曲なのだ。この本を買ったのは高校生のころかなあ。昭和41年の第8刷で、何と定価460円とある。

改めて読むと、本邦未初演との記述。10楽章もあって、聞いたこともない楽器を使って、いつか聴いてみたいと思っていた。それが、根が不真面目なもので、レコードやCDを買うわけでもなく、ようやく本日、30数年目の体験となった。

沼尻竜典さんの指揮、変わった曲が多いなあ。つい、興味をそそられて出かけてしまう。先日のイドメネオなんて、フツーすぎるぐらい。この世代の指揮者は、優秀な人が目白押し。黄金時代の様相を呈しているような…。明日、豊中でブゾーニを聴く予定の評判の阪さんはどうかな。

パイプオルガン前の舞台裏席なので、指揮ぶりがよく見える。本当に見やすく判りやすいという感じ。めまぐるしく変わる拍子記号の振りの的確なこと。これもオペラグラスでパート譜を覗きこんでいるので、なるほどという感じ。そもそも、パート譜を見ないと、私はいま第何楽章かな、という有様だ。

音楽としては、統一感があるという見方もできるのだろうが、私は各楽章が同じように聞こえてしまって…。目の前の鐘と木魚の音が耳につきすぎたせいかな。私が素晴らしいなと思ったのは第8楽章「愛の展開」、これだけでも聴き応えがある。第何楽章か忘れたが、印象的なチェロのソロがあった。T君に聞いておこう。アマオケでトップを弾いていたというから、きっと知っているはず。

在京のオーケストラで、日本フィルは今回が初めて。裏から見るのでよく判る客席の入りは4~5割かな。熱演にしては、ちょっと気の毒。何度もソリストと指揮者が拍手で呼び出された後、このオーケストラは最後に全員で一礼するんだ。これはびっくり、すがすがしい感じだ。

ということで、現代物は初心者同然の私。おっと、プログラムに載っていた来年のスケジュール、2003/11/27・28、サントリーホール、プッチーニ「つばめ」演奏会形式、カーラ・マリア・イッツォ、佐野成宏ほか、ジャンルイジ・ジェルメッティ指揮、これはマーク。と、いつもの路線に。

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