ゲルギエフはオペラ指揮者? ~ キーロフ+N響の「レニングラード」
2002/11/24

公演のチラシ

弦楽器が27-22-18-18-14で100人(第一ヴァイオリンは一名欠で奇数?)、舞台上に奏者が総勢158人、別働隊も舞台裏にいたはずなので200人近いものだろうか…勘定するなんて、私もヒマだなあ。これだけの人数なのに、どうしてこんなに合うのと不思議。さすがに優秀なオーケストラは違う(それとも指揮者の腕か)。

実を言うと、前半のチャイコフスキーの弦楽セレナーデの半分ぐらい、後半のレニングラードの第三楽章あたりは、意識が遠のいていました。つまらないということではなく、心地よいという感じ。

何しろ、東京国際フォーラムAホール、この巨大コンサートホール(じゃないか)の天井桟敷、暖かい空気は上に昇るのは物理の常識、さらに上野で狩野探幽展を観て、お昼を食べたのも遅かったしなあ…

この曲(レニングラード)のCDは持っているはずなんだけど、聴いた記憶がない。とても我が家で聴けるような曲じゃないし。

ということで、シュワちゃんの「ちーちん、ぷいぷい」(※)のイメージしかないのだが、初めてまともに聴いて感じたのは、ゲルギエフの全曲通しての大オーケストラのコントロールの鮮やかなこと。

私は彼がピットに入った「運命の力」(びわ湖ホール)、「オテロ」(NHKホール)を観たことはあるが、世間で騒ぐほどの指揮者かなとずっと思っていた(そして、今も)。この人はオペラ指揮者と言うよりも、本当はコンサート指揮者が本領なのかも知れないなあ。

ただ、どうなんだろう、この曲は作品として…。小太鼓のリズムに乗せて、各楽器が執拗に同じメロディを繰り返しクレッシェンドしていくという、第一楽章の例の部分。ここまでやると、本歌取りと言うよりも、ボレロの二番煎じに過ぎないし、最後の交響曲(15番)のロッシーニ引用のほうが、ずっと洒落ていると思うのだが。第4番のシンフォニーをN響で聴いたとき、作品の真価に目覚めたが、いかなゲルギエフでも、ちょっとこの作品だと…

東京にいると、一年でショスタコーヴィチのシンフォニーの半分以上は聴けるというのが凄い。これから3番、12番とあるし。

(※)
 これは、そんなに昔じゃないアーノルド・シュワルツネッガーが登場したアリナミンのCMに使われていた。また、私のようなある年齢層の大阪人にとっては、第5のフィナーレ冒頭は「部長刑事」という大阪ローカルのかつての長寿番組(番組オープニングテーマ、確か大阪瓦斯提供)と分かちがたく結びついている。そう言えば、武田薬品も大阪瓦斯も関西企業、大阪人はショスタコ好きかな。

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