イノウエ/大阪フィル定期のフランス・プロ ~ Comimg back to Osaka
2003/4/15

公演のチラシ

私は大阪フィルをザ・シンフォニーホールで聴いた記憶がない。ここでは御大の特別演奏会が何度も行われていたが全てパス。いつもフェスティバルホールの1000円席で定期演奏会を聴いていた。

2年半ぶりの大阪、時あたかも新音楽監督で新しいスタートを切るタイミングというのも、何かの因縁だろう。もらったプログラムには、定期会員として私の名前が載っている。5月定期が完売というので、そんなことならと、会員になっただけなのに。

シーズン最初のフランス音楽プログラム、これまた東京からの引越のドタバタで新日本フィル定期を聴き逃したデリック・イノウエ氏を大阪でというのも何かの縁か。

プーランクの「オルガンと弦楽、ティンパニーのための協奏曲」、これはよかった。オルガン(松居直美)とオーケストラの絡みがとても新鮮、もともと運動性に欠けるパイプオルガンと、それを補完する軽やかな弦の対比の妙、そしてティンパニの隈取り。コンサートホールのオルガンの音というのは偽物(教会の中で鳴らさないと不完全)だと思っている私だけど、なるほど、こういう手があったのかと思う。

後半の、サンサーンス「オルガン付き交響曲」も、すっきりさわやかな演奏だった。イノウエ氏を聴くのは初めてですが、外連味のない指揮ぶりに好感を持った。オーケストラも、この曲では持ち味発揮、うーん、これは在京のオーケストラに全くひけをとらない。

このオーケストラの各プレイヤー、各セクション、下手じゃないし、優秀だと思う。2年半前まで聴いていたときもそう思っていた。しかし、決定的に問題だったのは、往々にして見られた各セクションのアンサンブルの破綻、総奏の時には誤魔化せても、弱音、中音での各パートの受け渡しになったときに気になるアンバランスさ、音量の不適切さだった。

プログラム最初のドビュッシー「海」は、やはりその片鱗が覗いていた。各パートがハズルのピースのようにバラバラで、キレのいいクライマックスを除けば、やはり大阪フィルかなあと…。でも、プログラムが進むに連れ、だんだん良くなってきたので、これからに期待出来そう。

次回は、いよいよ、大植新音楽監督が登場(マーラー「復活」)、大阪のファンが期待(手ぐすね?)して押しかける。大植氏がバイロイトでの「トリスタンとイゾルデ」でピットに入ることが決定というニュースには驚いた。今夜の会場でも、大阪フィルから告知のチラシが配られていた。
 私は、正直、このニュース、「大植(英次)じゃなくて、大野(和士)の間違いじゃないのか」と、最初に聞いたとき思った。ともあれ、大植さんは聴いたことがないのだ。予断抜きに次回の定期に出かけたい。

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