外山雄三/大阪フィル/プロコフィエフ・プロ ~ 欲しい、強奏のニュアンス
2003/6/11

公演のチラシ

大阪フィルの定期、だいぶ客層が変わった。このプログラムでほぼ満席、従来の会場のフェスティバルホールの聴衆は、NHK交響楽団なみの年齢層が目立ったが、とみに若い人が増えた。これも、エイジ効果!?

「三つのオレンジへの恋」組曲、ピアノ協奏曲第3番(独奏ミシェル・ベロフ)、交響曲第5番という名だたる曲を並べているとは言え、それで客が呼べるとは思えないのに…

私、定期会員になっていなければ絶対に足を運ぶことはなかったと思う。ショスタコーヴィチには感情移入できても、プロコフィエフは…

大阪フィルのソロ奏者の巧さ、合奏能力の向上は見るべきものがある。でも、欠けているものは強奏のニュアンス、それが判る。金管楽器、打楽器の元気の良さ、でもffが単調だ。退屈する。大きな器のフェスティバルホールから、シンフォニーホールに会場が替わり、まだ順応できていないのだろうか。「やかましい」と感じる瞬間が多すぎる。私の席は三階3階RRF列だけど、響き過ぎるのだろうか。

このホールでは、ぞんざいなffの連続ではつらいものがある。楽器の重なり、それぞれの音量、きめ細かくコントロールして聴かせて欲しい。まあ、これは、演奏と言うより、曲自体の問題かも知れないけど。一定音量以下では、自分の好みはともかく、悪い演奏ではなかったと思う。そんなにやかましくない交響曲第5番の第2楽章が一番好ましく思えた。

外山雄三氏は音楽監督不在の時代を支えた功労者ということだ。私が初めてオーケストラの実演を聴いたのは、外山/大阪フィルだった。中学生の頃だから、もうン十年前、近鉄劇場(上本町)の前身の映画館でのコンサートだったと思う。当時、「若大将シリーズ」がウケていて、「一字違いで大違い」なんて、外山氏がどこかでしゃべっていた記憶がある。

ギャグついでに、以前に掲示板に私がスレッドを立てた「オペラゆかりの食べ物」を思い出した。「三つのオレンジへの恋」には、「ごっつい(←大阪弁)オレンジケーキ」、原作は、「トゥーランドット」と同じく、カルロ・ゴッツイだ。オペラを観てみたいものだ。

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