ベルティーニ/大阪フィルのブラームス ~ ようおこし、大阪へ
2003/7/7

公演のチラシ

ベルティーニ/都響のブラームスのシンフォニー4曲の演奏会、チケットを買っていたのに、引越でパア。でも、わざわざ大阪まで来てくれた。大阪フィルには初客演だそうな。そう言えば、今日は七夕。

さすがに、都響とのような阿吽の呼吸はない。音楽監督の意図を汲んで極めて鋭敏に反応する都響の演奏は、それはそれで黄金時代という感じもするが、初めての顔合わせもスリリング。あこがれの君との束の間の逢瀬(例えが悪い!)

帰り際の魔術師(さだまさしじゃないが、巨人の高田の背番号を知っている人どれだけいるかな)に失敗、後半だけの鑑賞となる。

ブラームスの第1交響曲、緊張と弛緩の曲だということを改めて感じた。ふわっと緩めるところが、ベルティーニ、ほんとに魅力的だ。手綱を緩める随所のパッセージでは、見事にソロパートが決まるところと、宙に彷徨ってしまうところがあり、これは初顔合わせだから大目に見るべきだろう。

第2楽章のオーボエは素敵だった。いずみホールでも注目したこの若い奏者、名前は知らないが、演奏後の拍手の際に何度もベルティーニ氏が立たせていたのも当然。

大阪フィル、響きが信じられないほどクリアになった。ブラームスは重厚な響きでそれなりに誤魔化せるのに(前音楽監督時代はいつも)、そういう方向とは全く別。これはベルティーニの手腕なんだろうか。

ヴァイオリンの音は、私の席(3階RRF)では、かなり金属的に響いていたが、オーケストラ全体のトーンは濁りがない。部分部分では「いまいち」のところはあっても、それとて、上り坂にあるのと、下り坂にあるのとの違いは判る。幸いなるかな、今の大阪フィルは前者、「いまいち」が少なくなっていく予感がある。

なぜか、今夜もほぼ満席、一回公演のフェスティバルホールで、ときに空席の目立った頃を知っている私としては、いいときに大阪に戻ってきたという気持ちだ。ベルティーニ氏、また来てほしいなあ(東京のチケットを手放した都響とのマーラーが京都であることを知った。行くぞお)。

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