小泉和裕/大阪センチュリー交響楽団 ~ 団塊の世代は、いま
2003/11/10

公演プログラムの表紙

大阪センチュリー交響楽団は、高関健さんの頃に、ずっと聴いていた。今でこそ大阪フィルの定期会員になってるが、あのころはセンチュリーを聴くほうが多かったように思う。それと言うのも、この両オーケストラには、1000円一回券というのがあり、御大(故朝比奈隆さんのこと)の日のチケットが取りにくかったので、必然的にセンチュリーが多くなる。

今なら東京でも500円券(東京フィルオペラシティ定期)があるが、このころは、大阪ならではのものだった。そして、それは今も健在。久しぶりに入手した映画よりも安いチケット、シンフォニーホールに向かう。

後半からの鑑賞になったが。今週は飲み会が重なるので、月曜日から早帰りという訳にもいかないお家の事情、安いとこういうことも出来る。前半の矢部達哉さんとのベートーヴェンのコンチェルトはパスしたが、どんな演奏だったんだろう。

後半はチャイコフスキーの第5交響曲、いったいこれまで何度聴いた曲か。なので、なかなか新鮮という訳にはいかない。

首席奏者は以前とあまり替わりがないようだが、全体に大阪フィルよりも少し若いかな。私は、各セクションで音色にかなり違いがあるように感じた。ヴァイオリンは大阪フィルよりもしっとり感があるが、逆に低弦の厚みはそんなにない。木管はレベルが揃って私は前から好感を持っているが、金管、ティンパニは元気なのはいいにしても、ちょっと音が刺激的すぎるような気もする。

バラバラではないのにオーケストラとしての統一的な音色のイメージは感じない。それはそれで、この曲でこれまで耳に入らなかったブラスのフレーズなどに気づくという効果もあるのだけど…。2階席最後列のど真ん中、1000円席にしちゃ悪くない。このホールだと舞台は近いし、各楽器がとてもよく分離して聞こえてくる。

小泉さんはチャイコフスキーを得意にしているようで、演奏も確かに手慣れている感じ。ただ、ライバルの大阪フィルで、大植さんが発するオーラのようなもの(ときに思わず引き込まれてしまうようなもの)はちょっと希薄かなあ。

この人は、プログラムを見ると私よりちょっと上の年齢、いわゆる団塊の世代、枯れるには早すぎるし、かと言ってがむしゃらにという歳でもなし。何かと難しい時期かも知れない。

ホワイエには金聖響さんの大きなポスターが飾られている。会場での前売りチケットの販売も、そちらが主力の様相だ。大阪に4つのプロオーケストラは厳しいし、客を呼べる若手成長株に力点が置かれるのも致し方ないことか。

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