小泉和裕/大阪センチュリー交響楽団 ~ 重・重の二本立てだが
2003/12/8

あれっ、おかしいな。年末の片付けで古いプログラムやらチラシやらを整理していたら、チラシもチケット半券も残っているのに記事がないコンサートを発見。おかしいなあ、21世紀に入ってからは漏れなく書いているはずなのに。間違って消してしまったんだろうか、それとも書き忘れただけなのか。そのコンサートがこれ、大阪センチュリーの定期演奏会。

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op83
  園田高弘(ピアノ)
 チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調「悲愴」Op74

思い出しながら書いている今は2009年の終わりだから、6年前のことになる。ソリストでブラームスの大曲を弾いたのが園田高弘氏だから、このときには75歳、今でいう後期高齢者、このコンサートから一年も経ずに他界されたが、元気なものだった。

シンフォニーに匹敵するほどのオーケストラの厚みがあるブラームスのピアノ協奏曲第2番、真偽のほどは知らないが、クリーブランド交響楽団でならしたジョージ・セルが「一番好きなブラームスの交響曲は、ピアノ協奏曲第2番だ」と言ったのは有名な話だ。それで、この日の演奏、そこまでのスケール感はなく、あっさり終わったという印象。老大家の枯淡の境地なのか、大阪センチュリー交響楽団の線の細さなのかは判然としない。プログラム後半の悲愴交響曲にしても圧倒的な響きはなかったから、小泉和裕/大阪センチュリーが集中して取り上げているチャイコフスキーのアプローチ自体がどちらかと言えば淡泊なもので、ブラームスもその延長線だったのだろう。

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