アマオケでスタート ~ 京大オーケストラのショスタコーヴィチ
2004/1/14

新年最初のコンサートはアマチュア・オーケストラの公演となる。ザ・シンフォニーホールでの京都大学交響楽団の定期演奏会、第174回と言うから、新しいプロオーケストラよりも多いのじゃないかな。戦前、故朝比奈御大も指揮台に立っていたらしいから。

中一日おいて大阪と京都で公演、初日の大阪の入りは7~8割程度、若い人が多いようだ。チケットは、わずか1000円、大阪フィルや大阪センチュリー交響楽団の定期にも1000円席があるから、アマなので格安とも言えないが、大して収益が揚がるとも思えない。指揮は本名徹次で、プロの指揮者、ノーギャラかな。

プログラムは芥川也寸志「交響管絃楽のための音楽」、メシアン「忘れられし捧げもの」、ショスタコーヴィチ「交響曲第10番ホ短調」。たいへん意欲的なプログラムだ。私は後半のショスタコーヴィチだけを聴いた。

この曲、学生オーケストラにすれば、技量いっぱいいっぱいの曲だと思う。そういうものに、果敢に挑戦するところが若さの特権なんだろうな。未熟なところも多いが、かと言って、悪い印象ではない。速度が緩めの楽章(第1・第3楽章)では、バランスやアンサンブルの不備が耳につくし、ソロパートもヒヤヒヤするところがいっぱい。でも、失敗を恐れない、思いっきりのよさは特筆ものだ。エネルギッシュな第2楽章、第4楽章はそんなよさが表れていた。

もらったプログラム、薄い冊子には隙間もないほど文字が埋まっている。曲目紹介から各パート紹介、たぶんメンバーの手作りなのだろう。まるで学園祭のプログラムを見るよう。ちょっと自意識過剰なところがほほえましい。コンサートマスター君の(半ば冗談の)不遜なコメントも、いかにも挫折を知らないエリート京大生的な感じ。ノブレス・オブリージェ、天寵を負える子らよ、この先、立派な社会人になってほしいものだ。

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