ビエロフラーヴェク/大阪フィルのマルティヌー ~ 二年経ったら
2006/9/14

この人、イルジ・ビエロフラーヴェク、一昨年の定期演奏会にも客演している。印象にほとんど残っていないのだが、自分の書いたものを繰ってみたら、あった。「ひさびさの空振り公演」なんて、ひどいサブタイトル付きでホームページに掲載しているんだから。

そのときも、オール・チェコ・プロ、今回もシューマンこそ入っているが、基本路線は同じ。ヤナーチェクとマルティヌーの曲はどちらも聴いたことのないものだ。たぶん、定期会員じゃなかったら購入することもなかったチケットだ。

シューマン:チェロ協奏曲イ短調作品129(独奏:長谷川陽子)
 マルティヌー:交響曲第4番

仕事の都合で、開演には間に合わず、休憩後のマルチヌーだけの鑑賞となった。シューマンのコンチェルトには食指が動かないので、残念でもなんともなかったのだが、ロビーでモニターを眺めていたら、これは○なのではないかなと。
 チェロを弾く知人がイチオシの長谷川陽子さんがソリストだということもあるのだろうが、しっくりとクリアな音がモニタースピーカーから伝わってくる。後半、ひょっとして、期待できるかな。

妙な曲だ。いろいろな音がする。ニューヨークで作曲されたらしいが、そのせいか、東欧のにおいがするのではなく、新旧世界のごた混ぜという感じ。音の重ね方が独特。ちょっと似たものが思いつかない。それがマルチヌーの個性なんだろうか。

弦楽器を中心に音の精妙さを感じさせる。オーケストラの精度が2年前とは段違いのよう。ここしばらくは、夏休みシーズンということもあり、お馴染みの曲がプログラムに並んでいたから、オーケストラとしても新曲(?)を準備する時間が充分にあったのだろう。面白く聴けた。かなり複雑なオーケストレーションだと思うが、指揮者は暗譜、オーケストラへの指示も的確。今や大阪フィルも、その気になればなんでも来いという感じだ。

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