フルシャ/大阪フィルのロシアプロ ~ 異色のメインプログラム
2012/12/10

今日から冬の青春18きっぷが使える。仕事は休みだ。当然の如く乗りテツ出動となるところが、生憎の寒波。日本海側の大雪は目に見えている。ダイヤの乱れは確実なので断念。その代わり、大阪フィルの年寄り60きっぷがあるぞ。シンフォニーホールの当日窓口に並ぶ。シニア、学生は当日残席を1000円で販売、だいぶ認知度が高まっていて寒いなか列が伸びている。

バルトーク:バレエ音楽「中国の不思議な役人」
 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
 ボロディン:交響曲第2番ロ短調
 ヴァイオリン:クリストフ・バラーティ
 指揮:ヤクブ・フルシャ

チラシには「天才の証明」というものすごいキャッチフレーズが踊っている。本人もこんなのを知ったら面はゆいと思うのだけど、どうなんだろう。三度目の客演になるからオーケストラからの評価も高いのか。この人と、来シーズンにこちらも三度目となるウルバンスキ、若い優秀な指揮者が東京のオーケストラのポストに着いてしまって、大阪フィルは大植監督退任のあと空位のままだ。どうするつもりなんだろう。

ポロディンにシンフォニーがあるのは知っていたが、聴いたことはない。それを、定期演奏会、しかもメインプログラムに据えるというのだから珍しい。4楽章、30分ほどの長さだからさして重量級でもない。曲としては結構面白いし私は楽しめた。フルシャは細かくテンポを動かす人で、オーケストラはよく付いていっている。バルトークもそうだったが、鮮やか、なかなかの才能である。ただ天才かと言われると、それは何とも言えないなあ。

天才ということで言うなら、チャイコフスキーのソロを受け持ったバラーティのテクニックは水際立っている。どんなパッセージでも楽々とこなし、朗々たる音量を響かせるのは耳の快感である。コンチェルトとはそういうものだと割り切れば理想型かも知れないが、それだけでは済まないのが難しいところ。楽しかったし、あまり文句を言う筋合いのものではないけど。

1000円と引き換えに渡されたのは一階2列目の上手寄り。A席6000円というのが券面にある。ここがA席というのはちょっとね、という気がする。ビオラ奏者の前、オーケストラのパートのバランスは良くないし、売れ残るのは納得の席である。映画館の前方席で観るのと同じだ。1階に座って居心地の悪さを感じるのは、天井桟敷が習い性となっている貧乏人ゆえのことかなあ。

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