佐渡裕/PACオーケストラのオール・レスピーギ ~ あれから19年
2014/1/18

前日が阪神淡路大震災から19年のメモリアルデー、もうそんなに経ったのか。定期演奏会の初日に当たっていて追悼のG線上のアリアが演奏されたそうだが、この日はそれは無し。佐渡さんが開演前に舞台挨拶で、追悼の辞とともにスーパーキッズオーケストラの活動へ篤志家から寄付があったことを報告、東北復興支援という意味合いらしい。プレートが衝突する上に住んでいる我々としては地震はいつ来るかわからない。

公演のチラシ

1月の定期演奏会にはレクイエムなどの曲が演奏されてきていたが、今年のプログラムは一転、賑々しいオール・レスピーギ。災害の記憶が風化したわけではないだろうが、それだけ時間が経過したということだろう。

オール・レスピーギ・プログラム
 交響詩「ローマの祭」
 交響詩「ローマの噴水」
 リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲
 交響詩「ローマの松」

何とも爽快、スカッとするコンサートだ。「祭」と「松」のときには舞台寄り3階バルコニーの高さに設けられた猛獣の檻のようなものでブラスが咆哮する。舞台一杯のオーケストラともども大音響が炸裂する。こんな曲、家ではとても聴けない。それ故にナマで聴く意義があるわけだ。このオーケストラの若々しいパワーと見事にマッチする。

休憩後の「リュートのための古風な舞曲とアリア」、初めて聴く曲で、どこにリュートの人が座っているんだろうと舞台上に視線を走らせる。なあんだ、この第3組曲というのは弦だけで演奏するんだって。どうも間の抜けたことを言っているみたいで恥ずかしいが、この弦だけの演奏が思いのほか良い。交響詩3連発でなく、この曲を挟むことでコンサートにずいぶん奥行きが出る。三部作一挙演奏自体もありそうでないのだが、さらにプラスワン、なかなかいいプログラムビルディングだ。

ということで、2014年は景気よくスタート。

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