エイヴリー・フィッシャー・ホール「アマールと夜の訪問者」 〜 X'mas opera
New York 1987/12/5

Thanks giving dayを過ぎたら街はすっかりクリスマスモード、日本もニューヨークも同じだ。この時期に定番というオペラがあるようで、日本では観たことがないメノッティの「アマールと夜の訪問者」もそのひとつらしい。リンカーンセンターにあるコンサートホール、エイヴリー・フィッシャー・ホールでこれを観た。

この日は土曜日、早朝7:30からMETの前で、来週一週間分の立見席発売の行列に並ぶ。お目当ては10日の「イル・トロヴァトーレ」、ルチャーノ・パヴァロッティが題名役を歌う。10:00の発売に向け早く着いたつもりでも既に70番目、寒い中で大変だが良くしたもので、ボランティアの順番管理が徹底しているので、名前を申告して決められた時間に並び直せばいい。その間はカフェで暖かいコーヒーを飲んでいてもいいのだ。そして、首尾良くチケットを入手、行きがけの駄賃みたいで、どちらがメインかは自明だが、楽しいオペラ鑑賞となった。11:00と13:00の二回公演、その朝の部を観た。

The Little Orchestra Societyという団体はどういうものか判らないが、主役アマールを歌ったクラーク・アッターバックというボーイソプラノは、歌も演技も上手くてなかなかいい。この少年は、METの「トスカ」でも羊飼い役で出ていた。

会場のエイヴリー・フィッシャー・ホールはコンサートホールなのでピットがない。下手に小編成のオーケストラ、上手にセットという舞台で、客席通路をコーラス、バレエなどが動く。私は一人で観に行ったのだが、親子連れが多い。これだったらカミサンと二歳児を連れて来ても良かったかも。

この作品は、もともとメノッティがテレビ放送のために作曲したもの、リンカーン・センター近くのレコードショップでこのオペラのCDを探していたら、私が手に取った録音(初演時の放送)を、実際に聴いたというベテラン店員が親しげに話しかけてきた。こちらを大のオペラ好きと直感したのだろうか。

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