シノーポリ/ニューヨークフィルのスクリヤービン 〜 キャンセルはなく
1988/2/2

エイブリーフィッシャーホールのチケット窓口で、この公演チケットを買うときに確かめた。「シノーポリはMETをキャンセルしたんだけど、ニューヨークフィルは振るの?」
 窓口の人は「そんな話は聞いていない」とかで、チケットを入手したものの不安だった。キャストがガタガタになった「マクベス」は先月のこと、どうやらMETだけのキャンセルだったにらしい。

スクリャービンの二つの交響曲を一夜のプログラムに組む指揮者というのは、よほどの自信家であるとは、ニューヨークタイムスの記事の書き出しだ。端からこの作曲家には好意的ではない。神秘主義と狂気は紙一重、形式を持たず、騒々しくてよく判らない音楽という見方をしている。それは確かに判らなくもない。自分だってそう思うし、指揮者がシノーポリでなかったら、絶対に聴きに行ったりはしなかっただろう。この指揮者はスクリャービンに並々ならぬ親しみを覚えているのだろう。パドヴァ大学で心理学と脳外科学を学んだということも関係するのだろうか。そちら方面には縁遠い私にとっては、やはり距離のある音楽だったかな。間に挟まったモーツァルトのホルン協奏曲がまるで水と油のようだったのは面白い。

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