エイブリー・フィッシャー・ホールのイギリス室内管弦楽団
New York 1988/2/24

寒い季節はオーケストラのコンサートのシーズン。いろんなところのオーケストラがニューヨークにやって来る。ジェフリー・テイト指揮のイギリス室内管弦楽団、ソリストは内田光子さんだ。この人はずっと英国在住なので、あまり日本人という感じはしないが、もちろん同胞であることに違いない。ピアノ音楽をあまり聴かない私は日本で聴いたことがないので、ニューヨークで初めてというのも奇妙だ。

いちおうモーツァルトのプラハ交響曲がメインのプログラムだけど。休憩前のウエイトが異様に高い。ほとんど前半がメインと言っていい構成だ。リヒャルト・シュトラウスの晦渋な作品とモーツァルトのピアノ協奏曲第25番という組合せは変わっている。弦楽だけのシュトラウスの後にハ長調のコンチェルトが始まると、ずいぶん雰囲気が一変する。そういう効果も狙ったプログラミングなのかも。

内田さんには大家の雰囲気さえ漂う。モーツァルトの演奏で金字塔を立てたという実績を知って聴くからかも知れないが、一過性でない名声の拠って立つところが堅固なのだろう。この人は狭い日本に縛られない国際人でもあるのだろう。

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