2000年以前に行ったオペラやコンサート

2000/12/16

新国立劇場
ポンキエッリ:「ラ・ジョコンダ」

新国立劇場でのソフィア国立歌劇場の来日公演。まさにゲーナ・ディミトローヴァの一枚看板という演目だ。2005年に亡くなったので、これが最後になった。メトロポリタン歌劇場にデビューしたシーズン、トゥーランドットで度肝を抜かれた大歌手、そんな歳でもなかったのに残念なことだ。

2000/12/1

ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団

ピアノと指揮はフィリップ・アントルモン。ラヴェルのコンチェルトと「マ・メール・ロア」、それにシベリウスの第2交響曲というプログラムだった。

2000/11/29

ザ・シンフォニーホール
プッチーニ:「蝶々夫人」

ミラノ初演版をもとにしたオリジナル改訂版と称しているが、ブレッシア版に近いもの。牧村邦彦氏は先にミラノ初演版も取り上げている。ミラノ初演版の台本のどぎつさは少し緩和されている。タイトルロールは佐藤康子、オーケストラは大阪シンフォニカー。

2000/11/25

びわ湖ホール
ヴェルディ:「ジョヴァンナ・ダルコ」

びわ湖ホールのプロデュースオペラ、ヴェルディの日本初演が続き今回は「ジョヴァンナ・ダルコ」、タイトルロールの浜田理恵さんが好演。

2000/11/24

新国立劇場中劇場
バルトーク:「青ひげ公の城」

東京で連日のオペラ。中劇場で観るのは初めてだ。飯守泰次郎指揮による公演。リチャード・コーワン、クリスティン・チェジンスキーという招聘キャスト。演出はゲッツ・フリードリッヒ。オーケストラは合併前の新星日本交響楽団だった。

2000/11/23

東京文化会館
ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」

胃癌の手術を経て復帰したアバド。ザルツブルグ音楽祭の来日公演の指揮台に立ったが、げっそりとやつれた風貌にびっくり。しかもワーグナーの長丁場だけに聴いているほうも心配。東京文化会館の5階Rゾーンのいちばん舞台寄りの席、前列に座ると思わず足を踏ん張ってしまう高度感はスリリングなものがある。舞台は見にくいがオーケストラピットは真上から覗き込む感じで、両方が目に入るので面白い場所だ。

2000/11/18

武庫川学院甲子園会館
畑儀文

シューベルト歌曲全曲演奏に取り組んだ畑儀文氏が主宰するシューベルティアーデのシリーズ。会場がライトの手になる甲子園会館というのもユニーク。こぢんまりとした、それこそシューベルトと仲間たちという雰囲気のコンサートだ。他に3人の歌手が出演し、二重唱、三重唱、四重唱が歌われた。

2000/11/16

ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団

高関健氏指揮による定期演奏会。リヒャルト・シュトラウスのホルン交響曲第2番のソリストはラドヴァン・ヴラトコヴィチ。コープランドの管弦楽変奏曲にシューベルトの交響曲第6番という、ずいぶん珍しいプログラムだった。

2000/11/15

ザ・シンフォニーホール
大阪音楽大学管弦楽団

入場料の安さとプログラムに惹かれて行ったアマチュアのコンサート。ハイドンの戦時のミサなんて名前も聞いたことのない曲だ。メインは「春の祭典」で、いまどきはアマチュアでもこんな曲を取り上げるのだから、オーケストラの演奏技術は格段に向上しているのだろう。

2000/11/8

ザ・シンフォニーホール
フランクフルト放送交響楽団

エリアフ・インバル指揮、モーツァルトのハフナー交響曲とマーラーの第1交響曲というプログラム。NHK放送75周年記念事業ということで、来日オーケストラにしては価格設定が安めだった。

2000/11/7

フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団

ソリストに諏訪内晶子、指揮がパーヴォ・ヤルヴィという顔合わせだ。ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番の冒頭で弦が切れて仕切り直しというハプニングがあった。朝比奈隆氏の十八番ブルックナー(交響曲第4番)を客演指揮者が振ることは極めて珍しい。この人が後任音楽監督に来てくれたらなあと感じたコンサートだった。終演後、コンサートが長引いたことにクレームを付けている高齢者がいたのには驚いた。早く終わる朝比奈翁の定期演奏会に慣れてしまった人たちなんだろうか。十数年を経て、このパーヴォ・ヤルヴィがNHK交響楽団のシェフに迎えられる日が来る。

2000/10/26

いずみホール
大阪センチュリー交響楽団

ソリストに藤原真理、指揮がウリエル・セガルで、エルガーのチェロ協奏曲とブラームスの交響曲第1番というプログラム。この頃には在阪オーケストラがいずみホールで定期演奏会を開くことも多かったが、800人というキャパシティの問題もあり、その後もなかなか定着していない。

2000/10/20

フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団

これが私が聴いた最後の朝比奈隆指揮のコンサートになった(2001年12月没)。高齢ということもあり、この頃には定期演奏会のプログラムは通常より一曲少ないパターンが定着していた。20:30にはコンサートが終了するという具合だった。この日も同様、オール・ブラームスで、伊原直子をソリストに迎えたアルト・ラプソディと交響曲第2番。普通なら序曲のひとつでも冒頭に入るところだが、それはない。ブラームスの厚ぼったさが朝比奈翁には似合いなんだろうし、それを好むファンも多いことは承知しているが、壮年期の演奏はこんなのではなかった気もする。

2000/10/17

ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団

飯守泰次郎指揮の定期演奏会。メインはショスタコーヴィチの第5交響曲、ソリストに工藤すみれを迎えてハイドンのチェロ協奏曲第1番、ほかに武満徹の弦楽のためのレクイエム。

2000/10/7

アルカイックホール
ワーグナー:「パルジファル」

関西では初演になる。関西二期会の公演。飯守泰次郎指揮の京都市交響楽団がピットに入る。国内では滅多に上演されない作品だけに、いわゆるワグネリアンが各地から集結という感じだった。

2000/9/19

平安女学院
釜洞祐子

京都の平安女学院の創立125周年記念でのリサイタル。彼女は神戸女学院の出身なので、平安女学院との関係はよく判らない。学校関係者のみのコンサートなのでダメモトで出かけたら、平安女学院に転じた元上司と会場で偶然にお会いし、ご厚意で入場させていただいた。行ってみれば何とかなるの典型。リサイタルは、日本歌曲とドヴォルザークのジプシー・ソング、ロッシーニのアリアなど、釜洞さんの清澄で暖かみのある声はいつ聴いても癒やされる。

2000/9/14

フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団

若杉弘指揮の定期演奏会。定期演奏会にベートーヴェンの交響曲第5番を取り上げるとこなんて、大変珍しいことではないだろうか。ちょっと他では記憶がない。プログラムが、ウェーベルン編曲のバッハの六声のチェルカーレ、ベルクのヴァイオリン協奏曲(ソロ:竹澤恭子)との組合せは若杉さんらしいところであるが。

2000/7/19

いずみホール
カテリーナ・マヌーキアン/若林顕

カナダ人、アルメニアと日本の血をひくヴァイオリニストのリサイタル。チケットが売れなくて関係者から動員を依頼されて職場の何人かを誘って出かけたリサイタルだった。アンコールにアルメニアの作曲家ハチャトゥリアンの「剣の舞」をヴァイオリンソロで披露したのが印象的だった。

2000/7/13

フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団

井上道義指揮の定期演奏会。ショスタコーヴィチの第4交響曲をナマで聴くのは初めてだった。これはなかなか面白い曲だ。プログラムの一方はウォルトンのヴィオラ協奏曲で、ソロは深井碩章さん。

2000/7/7

いずみホール
大阪センチュリー交響楽団

ソリストは渡辺玲子、指揮が高関健、いずみホールでの定期演奏会。この頃は高関さんの演奏会は欠かさず聴いていた。スークの弦楽合奏のためのセレナード、ワイルのヴァイオリンと管楽のための協奏曲、ハイドンのびっくり交響曲という、動員が期待できそうもない不思議なプログラムだ。

2000/6/14

フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団

リムスキー=コルサコフの序曲「ロシアの謝肉祭」とチャイコフスキーの第5交響曲、どう見ても20:30には終了するコンサートで、音楽監督朝比奈隆氏の健康に配慮したプログラムだ。アンサンブルの乱れ、バランスの悪さ、オーケストラの惨状をみれば後任の人選が急務であるはずなのに、それは一種のタブーのような状況だった。

2000/6/8

ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団

ハイドンのロンドン交響曲、メンデルスゾーンのスコットランド交響曲という、英国ゆかりの曲の間にサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番が挟まるというプログラムだ。指揮は秋山和慶、ピアノは田部京子。

2000/5/26

ザ・シンフォニーホール
大阪シンフォニカー

園田高弘さんをソリストに迎えた定期演奏会、指揮はトーマス・ザンデルリンク。シューマンの第4交響曲をさしおいて、プログラムのメインがブラームスの第2協奏曲というのは、この作曲家の最高の交響曲と言われるだけに納得感がある。

2000/5/24

フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団

ボロディンの交響曲第2番とストラヴィンスキーの「エディプス王」という珍しいプログラムだった。外山雄三指揮、エディプス王には福井敬。1000円のD席で聴くのが定番だが、後半の声楽は1階の空席に移動。

2000/5/14

新国立劇場
マスネ:「ドン・キショット」

五十嵐喜芳芸術監督になっての特色はマスネ作品を取り上げていることだろう。ルッジェーロ・ライモンディのタイトルロールで珍しい作品がかかるとなれば、東京まで出かけて行く。

2000/5/11

ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団

大町陽一郎指揮、堤剛のチェロでの定期演奏会。ドヴォルザークの協奏曲とブラームスの第2交響曲。大阪フィル、大阪センチュリーともに1000円で定期演奏会が聴けるのはありがたい。四つもオーケストラがあって、それぞれ運営は大変だとは思うが。

2000/4/29

いずみホール
モーツァルト:「魔笛」

演奏会形式での上演。関西二期会のメンバーのほか、タミーノに五郎部俊郎、タミーナに釜洞祐子などの名前が並んでいる。ピットもない中規模ホールでのオペラは、このホールのコンセプトから逸脱するのは否めない。ただ、上質の公演が提供されるなら歓迎だ。

2000/4/28

フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団

指揮者ジャン・フルネが客演し、フランスもののプログラム。児玉麻里・桃姉妹とプーランクの2台のピアノと管弦楽のための協奏曲のほか、ラヴェル、ドビュッシー、ルーセルの作品が並ぶ。大阪フィルではフランスものが少ないだけに、バランスに配慮したものだろう。

2000/4/1

アステールプラザ大ホール
ドニゼッティ:「シャムニーのリンダ」

広島のオペラフェスティバルで珍しい作品が上演された。これは秋のウィーン国立歌劇場の演目になっていて、グルベローヴァがタイトルロールを歌った。しかし、時間差で広島が日本初演ということに。日帰りで友人と広島まで出かける。

2000/3/31

京都コンサートホール
札幌交響楽団

このオーケストラの東京や関西での公演にはよく出かけた。児玉桃がソリストのベートーヴェンの第4協奏曲とブラームスの第4交響曲、それにウェーバーの「魔弾の射手」序曲。

2000/3/27

ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団

高関健指揮、小山実稚恵のピアノ。ハイドンの交響曲第68番なんて聴いたこともない曲だ。バルトークのピアノ協奏曲第2番、ショスタコーヴィチの交響曲第9番と、演奏頻度の高くない曲が並ぶ。

2000/3/24

カレッジオペラハウス
ダッラピッコラ:「囚われ人」/「夜間飛行」

「世紀末から新世紀へ」と題してカレッジオペラハウスが取り組んでいるシリーズ。これは聴き逃せない現代オペラ。指揮は飯森範親氏、客席には若杉弘氏の姿もあった。

2000/2/22

フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団

秋山和慶指揮、スティーブン・イッサーリスがソリストでバーバーのチェロ協奏曲。いつもいつもドヴォルザークではつまらないから、これは歓迎だ。武満徹の「ノスタルジア」と、メインはストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」(1947年版)。

2000/2/17

フェスティバルホール
プッチーニ:「ラ・ボエーム」

関西電力がスポンサーとなって開催する「オペラへの誘い」、700組1400名の招待ということだ。すると残りのキャパシティ1000名あまりはということになるが、それは野暮な詮索だろう。ハイライトではあるが、関西二期会の主だったところが出演している。

2000/2/3

びわ湖ホール
ヴェルディ:「運命の力」

マリインスキー劇場がキーロフオペラと称されていた頃の来日公演、サンクトペテルブルクで初演された際の版が演奏された。主役3人が絶命するという救いのない幕切れ。ホール3階バルコニーの一番舞台寄りの席でずっと首を捻っていたのでおかしくなりそうだった。

2000/1/20

フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団

クルト・ヴァイル生誕100年・没後50年記念と銘打ったオール・ヴァイル・プロ。こういう企画はいかにも若杉弘さんらしい。二つの交響曲の間に、劇音楽のナンバーが並ぶ。歌い手は伊藤淑、三橋千鶴の両名。盛りだくさんなプログラムで、終演時刻はかなり遅くなった。

1999/12/29

ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団

普通なら避けて通る年末第九だけど、お知り合いが歌うとなれば別。仕事帰りに北の新地の花屋に寄ってシンフォニーホールへ。岩井理花さんに届ける。他のソリストは、手嶋眞佐子、吉田浩之、福島明也という顔ぶれで、指揮は佐渡裕。

1999/11/21

びわ湖ホール
バーンスタイン:「キャンディード」

びわ湖ホール開館1周年記念として上演された演奏会形式によるバーンスタイン作品。佐渡裕指揮の特別編成のオーケストラに、吉田浩之、日紫喜恵美、福島明也、郡愛子、黒田博といった顔ぶれ。コストの問題もあろうが、せっかくの舞台機構があるのにもったいない気もする。

1999/11/7

いずみホール
シュトラウス:「町人貴族」
シュトラウス:「ナクソスのアリアドネ」

「二人のシュトラウスとウィーン」と題するウィーン音楽祭 in Osaka'99のひとつ。これは当然リヒャルトのほう。もともとの音楽劇+オペラの形に再構成した上演は、東京でも5年前に聴いているので、二度目になる。ツェルビネッタは釜洞祐子さん。

1999/10/24

びわ湖ホール
ヴェルディ:「群盗」

ソプラノのアリアだけが名高い日本未初演の作品。びわ湖ホールのプロデュースオペラとしてヴェルディ上演の空白が埋まっていくのは嬉しいこと。

1999/10/22

カレッジオペラハウス
シュトラウス:「サロメ」

飯森範親指揮の演奏会形式での上演。タイトルロールは小西潤子。その後、特異なキャラクターテノールとしてブレイクした高橋淳がヘロデ役を歌っていた。

1999/10/8

フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団

佐渡裕指揮、ソリストに永井和子を迎えたマーラーの第3交響曲。年間の定期演奏会にマーラーが複数回取り上げられるのは普通のことになった感がある。コーラスやエキストラの手配など、オーケストラも大変だろう。

1999/10/4

ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団

高関健指揮、漆原朝子のソロでのエルガーのヴァイオリン協奏曲、シベリウスの第4交響曲というプログラム。演奏頻度が低くてなかなか聴けない大好きな第4交響曲、これは絶対聴き逃せないコンサートだった。

1999/9/25

堺市民会館
ストラヴィンスキー:「ナイチンゲール」
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」

何とも不思議な二本立てだ。老朽化した堺東の市民会館では気の毒な気もするが、堺市民オペラは運営に熱意が感じられるのがいい。なかなか大変だとは思うが。

1999/9/13

びわ湖ホール
東京都交響楽団

開館1周年のリヒャルト・シュトラウス・フェスティバルと銘打ったコンサートのひとつ。作曲家の没後50年記念。歌い手は大倉由紀枝、澤畑恵美、大島幾雄の3人、若杉弘指揮で、「無口な女」、「平和の日」、「エジプトのヘレナ」、「火の消えた街」、「ダナエの愛」、「カプリッチオ」ほかとは、いかにもマニアックなプログラムだ。こういうプログラムはありそうで、ない。

1999/9/10

ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団

ビゼーの交響曲第1番、ラヴェルの「子供と魔法」(演奏会形式)という、興味深いプログラムだ。なので、高関健さんの定期演奏会は外せない。

1999/6/19

アルカイックホール
プッチーニ:「ラ・ボエーム」

関西二期会の公演。ピットは沼尻竜典指揮の大阪センチュリー交響楽団。ダブルキャストのメンバーを見ると、何人かを除けば残っている人はほとんどない。オペラ歌手が育つのも難しいし、舞台に立ち続けるのも難しいものだ。

1999/6/4

フェスティバルホール
ビゼー:「カルメン」

ルーマニア国立歌劇場の来日公演。アグネス・バルツァが題名役で、ホセにはルイス・リマ。1986年のロイヤルオペラハウスの来日公演の素晴らしさを知っているだけに、10年以上経って観る当たり役はどこか複雑なものがある。

1999/4/20

フェスティバルホール
佐藤美枝子

大阪国際フェスティバルの公演の一つとして開催されたコンサート。バックは現田茂夫指揮の京都市交響楽団。前年のチャイコフスキー・コンクール第1位となった凱旋公演的なところもある。見事なコロラトゥーラで期待は高まるが、コンクールはたんなる第一歩、それは本人も自覚しているようだ。

1999/4/13

ザ・シンフォニーホール
大阪センチュリー交響楽団

ベートーヴェンの交響曲第2番、モーツァルトのミサ曲ハ短調、高関健さんらしい、ちょっとニッチなプログラムだ。大阪センチュリー交響楽団は合唱団も持っているので、シーズンプログラムにはコーラス入りの作品が必ず並ぶ。

1999/3/28

カレッジオペラハウス
ブリテン:「アルバート・ヘリング」

「世紀末から新世紀へ」のシリーズとして上演。飯森範親の指揮。ブリテンの作品が続く。作品の規模が小さなオペラハウスに適当で、取り上げやすいこともあるのだろう。ただ、どの作品にしても辛気くささがつきまとうのがブリテンのオペラ 、こういうところはテイストの差ということなんだろうか。

 

1999/3/25

いずみホール
大阪シンフォニカー

ひまわりコンサートの名前で大阪シンフォニカーが開いている新進音楽家のためのコンサート。チケットをもらって聴いたが、まだまだこれからというのは当たり前か。指揮の西本智美さんは、その後何かと話題になることが多くなった。

1999/3/13

びわ湖ホール中ホール
ブリテン:「小さな煙突そうじ屋さん」

沼尻竜典指揮、びわ湖ホール声楽アンサンブルのメンバーによる公演。大ホールに加えオペラ上演可能な中ホールまであるとは、なんだかもったいない気もするが、ホール規模に相応しい珍しい作品の上演は歓迎すべきこと。

1999/2/28

いずみホール
プッチーニ:「蝶々夫人」

牧村邦彦指揮、大阪シンフォニカーによるミラノ初演版の演奏会形式での上演。このあと、牧村氏はブレッシア版も取り上げているので、「蝶々夫人」異版はほぼ網羅したことになった。これは、日本人蔑視が随所に見られる台本である。ちょっと酷いという箇所がいくつもある。後に改訂して世界中の歌劇場の主要レパートリーに残ったのは寿ぐべきことなんだろうが、もともとはこういう内容と知れば、複雑な思いもある。

1999/2/16

オーチャードホール
シュトラウス:「無口な女」

大野和士指揮、東京フィルによるオペラコンチェルタンテ・シリーズ。ちょうど東京出張の予定がありオーチャードホールへ。このオペラは引用やパロディが多くて、謎ときのような楽しみもある。ハルトムート・ヴェルカーという歌手がモロズス卿として招かれていた。開演に先立ち大野さんがピアノを弾きながら解説、この人のオペラへの情熱は半端じゃない。

1999/1/16

びわ湖ホール
ヴェルディ:「ドン・カルロ」

若杉弘芸術監督によるびわ湖ホールプロデュースオペラがスタート。毎年一作ずつヴェルディの日本初演を取り上げるというので大いに期待される。この「ドン・カルロ」も5幕版(イタリア語)なので本邦初ということになる。レコーディングは5幕版のほうが多い感じだが、劇場上演されるのは4幕版ばかりなので、初めて客席で聴く音楽は新鮮だ。エリザベッタとエボリの衣装交換だとか、幕開きのフランドルの人々の合唱だとか、ドラマに不可欠な重要なシーンが、あるのとないのでは全然違う。

1998/11/28

いずみホール
かぶとやま交響楽団

職場の同僚がメンバーとなってるアマチュア・オーケストラが少し早い年末第九を演奏する。ソリスト確保の都合もあるのだろうか。メシアンの「キリストの昇天」はクリスマスを意識してのことだろうか。

1998/11/21

びわ湖ホール
マスネ:「サンドリオン」

びわ湖ホール開館記念としての県民オペラ。訳詞上演。タイトルロールを歌ったのはまだ新星の頃の並河寿美さん。オーケストラ、コーラスは臨時編成のもの。その後、滋賀の県民オペラという話は聞かないので、この開館のときだけだったのかな。

1998/10/11

神奈川県民ホール
ヴェルディ:「ドン・カルロ」

びわ湖ホールの杮落とし公演のあと、ボローニャ歌劇場は東に。それを追いかけ神奈川まで「ドン・カルロ」を観に出掛ける。

1998/9/26

びわ湖ホール
ジョルダーノ:「フェドーラ」

大津に完成したびわ湖ホール、湖畔のロケーションも相俟って素晴らしいオペラハウスだ。フェドーラを歌ったフレーニはイタリアに持って帰りたいと言ったとか。当初予定のカレーラスに代わり、売り出し中のホセ・クーラが相手役を務めた。

1998/5/7

アルカイックホール
ドビュッシー:「ペレアスとメリザンド」

小澤征爾氏の病気により指揮者はジェラード・シュワルツに変更。パトロンもヘネシーからロームに替わっている。チラシのデザインもイメージチェンジ。テレサ・ストラータス、ホセ・ファン・ダムといった名だたる歌手を連れてくること、上手にスポンサーを見つけること、これらは芸術だけではいかない指揮者の大事な才能だと思う。

1998/2/22

カレッジオペラハウス
ワーグナー:「さまよえるオランダ人」

演奏会形式で上演されたワーグナー、舞台の動きがないぶん音楽に集中する。ワグネリアンなら否定するかも知れないが、この作品がイタリアやフランスのオペラの影響を色濃く残していることがよく判る。

1998/2/11

愛知県芸術劇場
ヴェルディ:「ルイーザ・ミッレル」

テノールのアリアは有名でも、国内未上演の演目とは意外。初演マニアの若杉弘氏が名古屋でヴェルディの佳作を取り上げる。林康子、市原多朗、直野資、秋葉京子というメンバーも強力だ。

1997/12/5

いずみホール
菅英三子/大阪フィルハーモニー交響楽団

これも「グスタフ・マラー再発見」シリーズのひとつ。交響曲第4番とモーツァルトの交響曲第39番のプログラム。いずみホールのステージに乗るマーラーのシンフォニーはこれが唯一のものだろう。

 

1997/11/29

カレッジオペラハウス
黛敏郎:「金閣寺」

岩城宏之氏がカレッジオペラハウスに登場。黛敏郎追悼公演と銘打って「金閣寺」を上演する。国産オペラを観ることは少ない私だが、これはちょっと気になる。

1997/11/4

いずみホール
白井光子/大阪センチュリー交響楽団

「グスタフ・マラー再発見」シリーズのひとつ。交響曲第5番のアダージョ、リュッケルトの詩による5つの歌曲、マーラーが編曲したシューマンの第1交響曲という凝ったプログラムだ。指揮は湯浅卓雄。

1997/10/22

東京オペラシティ・コンサートホール
前橋汀子/ベルリン放送交響楽団

大学祝典序曲、ヴァイオリン協奏曲、交響曲第2番というオール・ブラームス・プロ。ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスという指揮者はブラームスを得意としているのだろうか。この来日公演ではシンフォニーふたつというプログラムもあった。

1997/10/5

アルカイックホール
ヴェルディ:「トロヴァトーレ」

関西歌劇団の公演で、これもアルカイックホール開館15周年のひとつ。マンリーコ役を歌える人材が見当たらないのか、アントニオ・ロッティというテノールが招かれている。ピットは関西フィルハーモニー管弦楽団。指揮もブルーノ・ダル・ボンという客演指揮者。

1997/9/3

いずみホール
伊原直子/畑儀文/クラングフォーラムウィーン

「グスタフ・マラー再発見」という、いずみホールの年間企画で開催されたコンサート。交響曲「大地の歌」の室内オーケストラ版が珍しい。これはシェーンベルクとリーンの編曲になるもの。このほか、シェーンベルクの室内交響曲第1番も演奏された。指揮は高関健。

1997/5/29

アルカイックホール
モーツァルト:「魔笛」

小沢征爾指揮のヘネシーオペラ。ディヴィッド・ニースの演出。バーバラ・ボニー、ポール・プリシュカ、スミ・ジョーといったアメリカで活躍する有名どころがクレジットされている。

1997/5/20

フェスティバルホール
プッチーニ:「蝶々夫人」

関西電力が一般公募招待で開催する「かんでんクラシック・スペシャル」。「蝶々夫人」のハイライト上演。小松一彦指揮の関西フィルハーモニー管弦楽団で、岩井理花さんの蝶々さん、伊達英二さんのピンカートン、青山智英子さんのスズキ、末吉利行さんのシャープレスというキャストだった。

1997/5/10

アルカイックホール
ワーグナー:「ワルキューレ」

関西二期会の公演で、アルカイックホール開館15周年、大阪フィルハーモニー交響楽団創立50周年を記念を兼ねる。指揮は現田茂夫。ダブルキャストとなっているが、意欲は買えるものの、なかなか歌手陣を揃えるのは難しい作品だ。

1997/4/30

フェスティバルホール
ヴェルディ:「椿姫」

大阪国際フェスティバルの公演として上演された「椿姫」、一昔前のような華やかさがなくなったフェスティバルのプログラムだが、サンティの指揮するヴェルディはひとつの目玉。

1997/4/27

カレッジオペラハウス
プッチーニ:「トスカ」

カレッジオペラハウスにしてはポピュラー過ぎる演目である。トスカ役の並河寿美、指揮の広上淳一と、その後著名になった人たちが名を連ねている。この頃は、大阪音楽大学関係者以外の聴衆は多くなかったように思う。私は阪急宝塚線に乗って、豊中(庄内)まで頻繁に足を運んでいた。

1997/3/26

ザ・シンフォニーホール
プッチーニ:「蝶々夫人」

大阪センチュリー交響楽団の定期演奏会でオペラを取り上げるのは珍しい。片岡啓子さんをタイトルロールに迎えての「蝶々夫人」、ピンカートンは売り出し中の福井敬さん、シャープレスには関西期待のバリトン、三原剛さん。

1997/3/6

フェスティバルホール
ガーシュイン:「ポーギーとベス」

このオペラはなかなか邦人キャストで上演できないからか、著名な割にはほとんど観る機会がない。ということで、どういう団体かよくわからないままフェスへ。

1997/2/23

カレッジオペラハウス
シューベルト:「家庭戦争」

カレッジオペラハウスが取り上げた大変珍しいシューベルトのオペラ。そもそもシューベルトがオペラを書いたなんて知らない人も多いだろう。かく言う私も、あるとは知っていたけど、このときまで全く聴いたことがなかった。

1997/1/29

オーチャードホール
ブリテン:「ピーター・グライムズ」

オペラコンチェルタンテのシリーズでブリテン聴くのは初めて。なかなか舞台にかからない(かけにくい)オペラが取り上げられるこのシリーズは貴重。

1996/9/23

東京文化会館
ドニゼッティ:「ランメルモールのルチア」

フィレンツェ歌劇場の来日公演。当代随一、エディタ・グルベローヴァのルチアを聴く。しかし、ダブルキャストがマリエッラ・デヴィーアとは何という顔ぶれ。

1996/7/7

河内長野市文化会館ラブリーホール
ヴェルディ:「マクベス」

大阪市内からでも遠い河内長野、そこのホールで毎年オペラがかかる。本格的な上演を実現している自治体の取組には感心する。

1996/6/23

アルカイックホール
ヴェルディ:「ファルスタッフ」

関西二期会の公演。佐藤功太郎指揮の京都市交響楽団がピットに入る。日紫喜恵美さんの名前があるから、この人はずいぶん長いキャリアということが分かる。

1996/5/17

アルカイックホール
プッチーニ:「蝶々夫人」

小沢征爾指揮のヘネシーオペラ。いつも公演チラシには指揮者のポートレートが載るのに、今回はそれがない。浅利慶太演出ということを強調する意味合いがあるのだろう。ガリーナ・ゴルチャコワ、リチャード・リーチ、ジェロルド・シエナ、そして、その後ブレイクするブリン・ターフェルの名前がある。

1996/1/28

カレッジオペラハウス
グルック:「オルフェオとエウリディーチェ」

大阪音楽大学カレッジオペラハウスでの公演。牧村邦彦の指揮。こういう古いオペラはあまり観たことがないので、阪急電車に乗って庄内まで出かける。下町の商店街、住宅街を抜けたところに忽然とオペラハウスが現れるのは何ともシュールな光景だ。

1996/1/12

新神戸オリエンタル劇場
グノー:「ロメオとジュリエット」

珍しい作品だと見逃してはならじ。開演に間に合うよう新神戸まで新幹線で直行する。東京のパナソニックグローブ座で上演されたものと同じのはず。

1995/12/8

いずみホール
釜洞祐子/三原剛

いずみホールの主催公演では年間テーマを設定して一連のコンサートを行っている。今シーズンは「ブラームスの散歩道」と銘打って4つのコンサートがある。そのうち、「4つの厳粛な歌」をメインにした声楽のコンサートを聴く。私のお気に入りの釜洞祐子さんだ。

1995/11/27

フェスティバルホール
カールマン:「チャルダーシュの女王」

オペレッタはあまり観ないけど、ウィーンの歌姫メラニー・ホリディが出演となれば出かけてみようかなという気に。

1995/10/24

フェスティバルホール
ミレッラ・フレーニ/ ニコライ・ギャウロフ

フレーニのデビュー40周年記念と銘打って、夫君のギャウロフとのリサイタル。指揮台には息子。キャリアを重ねるとともに、慎重にレパートリーを変化させてきたフレーニは賢明だ。

1995/9/30

東京文化会館
プッチーニ:「西部の娘」

ミラノスカラ座の来日公演。むかしNHKイタリアオペラで上演されたことはあるが、それは観ていないので、初めてナマの舞台に接する作品だ。シノーポリが指揮するのも注目。

1995/6/30

いずみホール
東京混声合唱団

岩城宏之指揮の東京混声合唱団のコンサート。ウェーベルン、バルトーク没後50年のシリーズ企画のひとつ。とても珍しい曲が並ぶ変わったコンサートだった。

1995/6/3

いずみホール
かぶとやま交響楽団

職場の部下が所属していてフルートを吹いているアマチュアオーケストラの公演で、シューマンのいまどきのアマチュアはレベルが高い。彼らにとっては定期演奏会はルーチンではなく晴れの舞台だ。プロ・オーケストラとは気合いの入り方がちがう。

1995/3/17

オーチャードホール
ロッシーニ:「セヴィリアの理髪師」

ヘネシーオペラのシリーズ。ルース・アン・スウェンソン、ウィリアム・マテウッツィ、 パウロ・コーニ、 エンツォ・ダーラという錚々たる顔ぶれ。デヴィッド・ニースの演出。まだこの頃はアルマヴィーヴァの最後のアリアが歌われることはなく、ロジーナが中心のオペラだった。

1995/2/27

東京文化会館
プッチーニ:「外套」
プッチーニ:「修道女アンジェリカ」
プッチーニ:「ジャンニ・スキッキ」

三部作を一挙上演というのは、海外でも少なくなっているようだ。三作の中で優れたパフォーマンスの実現が難しいのは「外套」だろう。これは二期会が意欲的に取り組んだもの。

演のプログラムの表紙

1995/2/6

東京文化会館
ドニゼッティ:「愛の妙薬」

藤原歌劇団の公演。ヒロインに出口正子、ネモリーノ役はピエトロ・バッロ。それに、大ベテランのジュゼッペ・タッディが偽薬売りで出演していた。

1995/1/30

サントリーホール
オルフェウス室内管弦楽団

モーツァルトの交響曲第40番、この辺りが指揮者無しでやれる限界なんだろうと思う。ストラヴィンスキーの「プルチネッラ」にしても古典的佇まいだし。「ボエーム」にも使われているプッチーニの「菊」なんて珍しい作品も演奏された。

1995/1/20

サントリーホール
日本フィルハーモニー交響楽団

ベルリオーズの大作オラトリオ「キリストの幼時」、この作曲家は誇大妄想的なところがあって、独墺系の音楽をはるかに突き抜けている。なかなか真価が判りにくいけど、面白い音楽が多い。

1994/12/12

サントリーホール
読売日本交響楽団

ガリー・ベルティーニが読売日響に初客演ということらしい。定期演奏会に競合オーケストラの現職シェフを呼ぶことは異例ではないだろうか。それだけベルティーニの評価が高いということかも。得意のマーラーとシューベルトのプログラムだ。

1994/12/2

東京文化会館
ヴェルディ:「シモン・ボッカネグラ」

レナート・ブルゾンがタイトルロールを歌う。ヴェルディの傑作でありながら、地味なオペラゆえに上演が稀だったが、日本でもこの作品の真価が理解されてきたように思う。国内勢は市原多朗と渡辺葉子、仇役はカルロ・コロンバーナ。

1994/10/25

サントリーホール
シュトラウス:「町人貴族」
シュトラウス:「ナクソス島のアリアドネ」

この二作品をセットで上演するアイディアは、いかにも若杉弘さんらしい。ツェルビネッタを歌う釜洞祐子さんもこの公演の目玉だ。

シーズンプログラムの表紙
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1994/10/19

コンセルトヘボウ Amsterdam
シャイー/コンセルトヘボウ・オーケストラ

ブラームスの第4交響曲とストラヴィンスキーのバレエ音楽「ミューズの神を率いるアポロ」というプログラム。音楽監督のシャイーが指揮台に立つ。ホールの音の良さに感嘆。

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1994/10/15

オペラ座バスティーユ Paris
プッチーニ:「蝶々夫人」

パリでオペラを観るのにヴェルディとプッチーニというのも奇妙だが、まあ上演頻度からするとそんなものだろう。タイトルロールはミリアム・ガウチ、ピンカートンはジャコモ・アラガル、シャープレスはアンソニー・マイケルズ=ムーアというキャスト、指揮はマウリツィオ・ベニーニ、衣装は現代に近い舞台だった。

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1994/10/14

オペラ座バスティーユ Paris
ヴェルディ:「シモン・ボッカネグラ」

これが音楽監督チョン・ミュンフンの最後の公演に。異例の抜擢から実績を積み重ねてきたものの、当局との軋轢の末の辞任ということに。

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1994/10/9

バービカンセンター London
ロンドン交響楽団

マイケル・ティルソン・トーマスとロンドン交響楽団によるマーラーのシリーズ。共演者はヴィオラのユーリ・バシュメトとソプラノのルネ・フレミング。第4交響曲のソロを歌った後者は、その後METのトップスターとなったが、この頃だと私は初めて聞く名前だった。

1994/10/4

東京芸術劇場
シェリル・スチューダー/フランシスコ・アライサ

イタリアものも、ドイツものも、なんでもこなす女声版ドミンゴといった感じのスチューダー、多くの録音をリリースし日の出の勢いの頃のコンサートだった。その後ヨーロッパでの失速が残念なところ。アライサも同じようなところがある。オペラ歌手のキャリア形成の難しさを感じるところだ。

1994/9/22

サントリーホール
読売日本交響楽団

尾高忠明指揮。前半はストラヴィンスキーのハ調交響曲、後半はフランシスコ・アライサをソリストに迎え、「リエンツィ」、「ローエングリン」、「タンホイザー」、「マイスタージンガー」からのナンバーを演奏。 リリックなテノールが、いまやワーグナーにもレパートリーを拡げているようだ。

1994/9/5

サントリーホール
北川曉子/東京交響楽団

ピアニスト北川曉子さんのデビュー30周年記念として開催された一連のブラームス・プログラムのひとつ。「協奏曲の夕べ」としてブラームスの二つのコンチェルトが演奏された。秋山和慶指揮の東京交響楽団。

1994/8/23

サントリーホール
シェーンベルク:「期待」

ソリストに緑川まり、大野和士指揮の東京フィルハーモニー交響楽団による公演。サントリー音楽財団のサマーフェスティバル1994の一環で、「20世紀の音楽名曲展」としてのコンサートだった。

1994/7/16・18

東京文化会館
ヴェルディ:「トロヴァトーレ」

コンサートでたまたま隣に座った女性と話していたら、これに出演するというのでびっくり。それが岩井理花さん。もともと行くつもりだったし、彼女がレオノーラを歌う初日と、最終日にも行く。この二期会公演はトリプルキャスト。

1994/6/24

サントリーホール
プッチーニ:「ボエーム」

オンドレイ・レナルト指揮、新星日響による演奏会形式による上演。松本美和子、塩田美奈子、市原多朗、福島明也という首都圏では珍しい二期会と藤原歌劇団の混在キャストだ。

1994/6/14

オーチャードホール
チレア:「アドリアーナ・ルクヴルール」

指揮者ではなく、タイトルロールの歌手名が特筆大書されるのはこのシリーズでは珍しい。カティア・リチャレッリが歌うのだから宜なるかな。このヒロインは、多くのソプラノリリコにとって演じたい歌いたい役柄らしい。

1994/4/22

サントリーホール
ヴェルディ:「椿姫」

ホールオペラのシリーズ。ダニエラ・デッシー、ジュゼッペ・サッバッティーニ、レナート・ブルゾンというメンバーで、グスタフ・クーン指揮の東京フィル。デッシーが適役かどうかは議論のあるところだが、これだけの顔ぶれというのも贅沢だ。

1994/4/7

サントリーホール
片岡啓子

希少なヴェルディ・ソプラノである片岡啓子さんのリサイタル。当日券を求めてチケット売場に並んでいたら、余り券を持った人に声をかけられて格安で購入。オール・ヴェルディというプログラム。「ナブッコ」、「アイーダ」の二重唱では直野資さんが共演。大野和士指揮の東京フィルがバックを務めた。

1994/3/28

サントリーホール
札幌交響楽団

札幌交響楽団の東京公演。ホクレンがスポンサーになっていて、来場者にはいつもお土産がつく。アーノルド・カーツというリボシビルスク国立交響楽団の音楽監督が指揮。寒いところ繋がりなのか、両都市は姉妹都市だとか。メインはチャイコフスキーの「悲愴」、花房晴美さんのピアノが入るラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」など。  

1994/3/25

新宿文化センター
モーツァルト:「魔笛」

都民オペラ劇場の公演。このオペラだからか、訳詞上演だった。二期会のメンバーの出演で、タミーノにはその後人気が出た錦織健がクレジットされている。パミーナに名古屋木実、パパケーナに斎藤昌子といった名前が並ぶ。

1994/3/22

東京文化会館
ルチア・ヴァレンティーニ=テッラーニ

前半はヴィヴァルディ、ロッシーニなどのナンバーが並び、後半にはヴェルディのアリアも。この人がレパートリーを重い役に拡げたのは結果的に失敗だった。周囲からのオファーに抗しきれず、無理をしてしまったのだろうか。声の傷みがひどく痛々しいほどだった。

1994/3/18

サントリーホール
プッチーニ:「トスカ」

ヘネシーオペラのシリーズ。主役にはマーラ・ザンピエリ、 ウラディーミル・アトラントフ、インクヴァル・ヴィクセルという顔ぶれ。アトラントフの粗い歌唱が水を差す公演になった。悪いとは言えないにしても、不思議にこのシリーズのオペラでは感銘を受けたことがない。ことオペラでは、小澤氏はまだ途上なのか。

1994/3/10

サントリーホール
読売日本交響楽団

読売日本交響楽団の定期演奏会。指揮者はクラウディオ・シモーネ。ピアニストはゲルハルト・オピッツ。プッチーニの交響的奇想曲、メンデルスゾーンのピアノ協奏曲第1番、チャイコフスキーの交響曲第5番というプログラム。プッチーニのオーケストラ作品が演奏されるのはとても珍しい。後に「ボエーム」に転用されるメロディが出てくる。

1994/2/27

オーチャードホール
プッチーニ:「修道女アンジェリカ」
プッチーニ:「ジャンニ・スキッキ」

三部作から「外套」を除いた二作品の演奏会形式での上演。大野和士さんが指揮しないオペラコンチェルタンテシリーズもある。

1994/2/19

東京文化会館
ベートーヴェン:「フィデリオ」

若杉弘の指揮による二期会公演。あちこちでずいぶん色々な作品を観ていても、このオペラの舞台上演を観るのはこれが初めてだった。ベートーヴェンを敬遠していた訳ではないが。

1994/1/28

サントリーホール
シェーンベルク:「モーゼとアロン」

秋山和慶指揮の東京交響楽団による演奏会形式の上演。これは録音されてCDになっているはずだ。それだけ稀少な機会ということでもあったのだろう。

1993/12/15

東京文化会館
東京都交響楽団

このオーケストラは、かつて若杉弘指揮でのマーラーのシンフォニーのシリーズに取り組んでいたが、いまの音楽監督ガリー・ベルティーニともシリーズを進めている。第7交響曲はこの作曲家では演奏機会が少ない部類の曲に入るだろう。

1993/11/26

日生劇場
ヴァイル:「三文オペラ」

名高い作品の割には観たことがない。これはオペラか演劇か。はたまた、ミュージカルか。オペラの時代が終わった後、世に出た作品には色々なスタイルがある。

1993/11/18

オーチャードホール
ドビュッシー:「ペレアスとメリザンド」

欧州出張から戻ったばかりで時差ボケのなか、さすがにこのオペラは苦しい。何度も船を漕ぐ始末。メリザンド役に予定されていた緑川まりさんは出産のため豊田喜代美さんに交代。

シーズンプログラムの表紙
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1993/11/10

スカラ座 Milan
スカラ座管弦楽団

スカラ座のオペラシーズンは12月7日から始まる。せっかくのミラノ滞在だが、今回はオペラでなくオーケストラ・コンサート。ジョルジュ・プレートルが指揮するストラヴィンスキー「火の鳥」、ブラームスの第4交響曲というプログラムだった。初めて登った天井桟敷の広さにびっくり。

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1993/11/7

チューリッヒ歌劇場 Zurich
ヴェルディ:「ファルスタッフ」

ジョナサン・ミラーの演出による美しい舞台。指揮はネッロ・サンティ。主役を歌ったのはアルベルト・リナルディだった。

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1993/11/6

チューリッヒ歌劇場 Zurich
モーツァルト:「魔笛」

空港到着からホテルを経由してもオペラハウスまでの時間はとても短いチューリッヒはコンパクトな街だ。週末の「魔笛」の客席には子供の姿も多い。レパートリー公演で注目度は高くないものの、夜の女王役にエレナ・モシュクの名前が見える。

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1993/11/2

ロイヤルオペラハウス London
チャイコフスキー:「エフゲニー・オネーギン」

ディミトリー・ホヴロストフスキーがタイトルロールを歌う「エフゲニー・オネーギン」、ロイヤルオペラハウスで二夜連続、初めて観る作品がつづく。

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1993/11/1

ロイヤルオペラハウス London
モーツァルト:「ポントの王、ミトリダーテ」

モーツァルトのオペラではマイナーな作品のひとつ。こういうチャンスに観ておかなければと、コヴェントガーデンへ。

1993/9/18

東京文化会館
ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」

ベルリン・ドイツ・オペラの来日公演。歌い手ではなく、ゲッツ・フリードリッヒの演出が売り物というのが、イタリアの歌劇場と対照的。

1993/9/13

サントリーホール
マリエッラ・デヴィーア

主催の会社に勤務している方にお願いしてチケットを入手。この人もずいぶん息の長い歌い手だ。得意のレパートリーを披露、衰えが感じられない。

1993/7/19

東京文化会館
ワーグナー:「ラインの黄金」

「ニーベルンクの指輪」四部作を長期間かけて上演した二期会が二度目のチクルスに取り組んだ序夜の作。指揮台に立ったのは大野和士。彼は四部作の上演を、国内ではなくカールスルーエの歌劇場監督の時代に実現した。

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1993/7/2

シドニーオペラハウス Sydney
シドニー交響楽団

海上に浮かぶオペラハウスの公演は、オペラじゃなくてオーケストラのコンサート。むかしNHK交響楽団に客演していたハインツ・ワルベルクが指揮。モーツァルトのシリーズのコンサートなのだが、メインプログラムはベートーヴェンの「田園」交響曲。

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1993/6/26

セントラルパーク New York
ルチャーノ・パヴァロッティ

セントラルパークで開催されたパヴァロッティの無料コンサート、ピクニック気分のニューヨーカーたちの大変な人出となる。

1993/6/17

東京文化会館
ロッシーニ:「チェネレントラ」

ボローニャ歌劇場の来日公演。このオペラハウスの引越し公演はキャスティングにハズレがない。グロリア・スカルキ、ウィリアム・マテウッツィのコンビに、リッカルド・シャイーが指揮台に立つ。海外出張と重なり他の2演目(「リゴレット」、「アドリアーナ・ルクヴルール」)のチケットは友人に譲ることになった。

1993/6/9

オーチャードホール
プロコフィエフ:「炎の天使」

大野和士が指揮するオペラコンチェルタンテシリーズ。これはまた珍しい作品だ。なかなか舞台上演にまで至らないオペラを、こういう形で紹介してくれるこのシリーズは貴重だ。

1993/6/2

神奈川県民ホール
ヴェルディ:「仮面舞踏会」

チラシはMET来日公演のうち「ワルキューレ」のもの。パヴァロッティ、バトルが歌う「愛の妙薬」、ドミンゴが歌うこの「仮面舞踏会」に比べるとチケットの売れ行きが悪かったことが窺える。このチラシは各地の公演会場で最後まで配られていた。

1993/5/20

東京文化会館
ヴェルディ:「ファルスタッフ」

初演から100年ということもあり、内外で「ファルスタッフ」の上演が多い。こちらは、ヘネシーオペラのシリーズで、小澤征爾の指揮。キャストにはフィオレンツァ・コッソットなどの大物の名前も並ぶ。

1993/4/23

東京芸術劇場
ヴェルディ:「ファルスタッフ」

読売日本交響楽団の演奏会形式による上演。指揮はニューヨークでよく聴いたネッロ・サンティ。有名どころはいないが、サンティが選んだ歌手のアンサンブルは良好。この人が振るヴェルディは安心して聴ける。

1993/4/14

サントリーホール
エディタ・グルベローヴァ

グルベローヴァの信者たちが集うリサイタル。いつもながら、衰えを知らぬコロラトゥーラに陶然となる。完璧なテクニックに裏打ちされた表現力、今世紀の奇跡かも。

1993/3/22

東京文化会館
ヴェルディ:「アイーダ」

題名役にメットのプリマ、アプリーレ・ミッロ、相手役にジュゼッペ・ジャコミーニというキャスト。藤原歌劇団がトップ・スターを呼んでくるコネクションには感心する。

1993/3/19

新宿文化センター
ヴェルディ:「椿姫」

都民オペラ劇場としての二期会メンバーによる公演。塩田美奈子さんがヒロイン役ということで出かけた。この人は花のある人、オペラの世界に止まっていない感じ。ただ、それがいいか悪いかは何とも言えない。

1993/3/15

サントリーホール
プッチーニ:「ラ・ボエーム」

サントリーホールのホールオペラ。ダニエラ・デッシー、ジュゼッペ・サッバッティーニの組み合わせで、グスタフ・クーンの指揮。第3幕のミミの歌が記憶に残っている。

1993/3/9

オーチャードホール
ベッリーニ:「ノルマ」

大野和士指揮の東京フィルによるオペラコンチェルタンテ・シリーズ、カティア・リッチャレッリが題名役を歌うということで話題となった公演。アダルジーザに松本美和子、ポリオーネに川上洋司という配役だった。

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1993/3/4

ロイヤルオペラハウス London
プッチーニ:「トゥーランドット」

ロンドンで観た「トゥーランドット」は来日公演のときの演出と同じもの。題名役はギネス・ジョーンズ、王子役はジョルジョ・ランベルティだった。

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1993/2/28

ヘラクレスザール Munich
バイエルン放送交響楽団

これが、カルロ・マリア・ジュリーニを聴いた唯一の機会となった。シューベルトの悲劇的交響曲とザ・グレイトと呼ばれるニ長調交響曲のプログラムだった。

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1993/2/26

ローマ歌劇場 Rome
ビゼー:「真珠採り」

出張先のローマで観た日本ではあまり上演されないビゼーのオペラ。サッバッティーニが歌い、ミシェル・プラッソンがピットに入る。

1993/2/5

サントリーホール
東京都交響楽団

サントリーホール/若杉弘&東京都交響楽団ワーグナーシリーズの第Ⅱ期「純愛と救済」の第1夜という位置づけでの「さまよえるオランダ人」の演奏会形式上演。全曲ではないものの、ほとんどの主要ナンバーを網羅していた。平野忠彦さんのオランダ人、高橋啓三さんのダーラント、関定子さんのゼンタ、伊達英二さんのエリックというキャストだった。

1993/1/29

オーチャードホール
新日本フィルハーモニー管弦楽団

手塚幸紀指揮、ソリストはシューラ・チェルカスキーでのコンサート。80歳を超えたピアニストが弾いたのはハチャトゥリアンのピアノ協奏曲、山田和男の交響的「木曽」、ショスタコーヴィチの交響曲第6番というプログラムだった。

1992/12/6

市川市民会館
チレア:「アドリアーナ・ルクヴルール」

市川オペラは比較的上演機会の少ないオペラを取り上げる。このチレアの有名作も国内の舞台にかかることは稀だ。タイトルロールは木村珠美さん。まだ新進テノールだった福井敬さんがマウリツィオ役で出ている。

1992/11/30

サントリーホール
読売日本交響楽団

ソプラノの渡辺美佐子、バリトンの多田羅迪夫を迎え、モーシェ・アツモン指揮の読売日本交響楽団によるワーグナー・プログラム。サントリー音楽文化展'92「ワーグナー」とタイアップした公演。「タンホイザー」、「ローエングリン」、「トリスタンとイゾルデ」、「マイスタージンガー」、「神々の黄昏」、「ワルキューレ」からのナンバー。

1992/11/9

サントリーホール
ウィリアム・マテウッツィ

キング・オブ・ハイFという異名のマテウッツィ、ロッシーニのテノール役では欠かせない歌手のリサイタル。ロッシーニ生誕200年を記念して、後半はオール・ロッシーニのプログラムだった。

1992/11/4

オーチャードホール
ロッシーニ:「アルジェのイタリア女」

東京フィルのオペラコンチェルタンテ・シリーズ、この回は大野和士さんの指揮ではなく、アントン・グァダーニョが振った。永井和子さんがエルヴィーラ役を歌った。斉田正子さん、菅有美子さん、五郎部俊朗さんと、ロッシーニを得意とする歌手が揃った。

1992/10/24

サントリーホール
東京都交響楽団

サントリーホール/若杉弘&東京都交響楽団ワーグナーシリーズの第Ⅰ期「聖杯と禁令」の第3夜という位置づけでの「パルジファル」の演奏会形式上演。演奏されたのは主要部分のみで、全曲の1/3程度のものだろうか。田代誠さんのパルジファル、岩永圭子さんのクンドリー、木村俊光さんのアムフォルタス、平野忠彦さんのグルネマンツという顔ぶれ。

1992/10/19

サントリーホール
フィルハーモニア管弦楽団

楽団監督のジュゼッペ・シノーポリの指揮。チャイコフスキーの第5交響曲がメインだったが、この演奏時間が思いのほか長くて、NHKの放送時間内に収まらなかったやの話があった。

1992/9/25

東京文化会館
ヴェルディ:「運命の力」

ジュゼッペ・ジャコミーニのドン・アルヴァーロ、レナート・ブルゾンのドン・カルロ、ジョヴァンナ・カゾッラのレオノーラ、ボナルド・ジャイオッティのグァルディアーノ神父という強力なキャストだ。何よりもテノールとバリトンの火花を散らす歌はまさに圧巻、この難儀なオペラを、これだけの水準で観られるとは奇跡的。ピットは菊池彦典指揮の東京フィル。

1992/7/23

サントリーホール
東京都交響楽団

サントリーホール/若杉弘&東京都交響楽団ワーグナーシリーズの第Ⅰ期「聖杯と禁令」の第2夜という位置づけで初期の2作品を取り上げたもの。「妖精」と「恋愛禁令」の演奏会形式での抄演。聴き慣れないワーグナーというか、イタリアオペラの影響下にあることが歴然の作品というのが面白い。

1992/7/16

サントリーホール
日本フィルハーモニー交響楽団

名曲コンサートにはとんと行かないのだけど、どういう訳か聴きに行った。ホルストの「惑星」という曲をこれまで一度も聴いたことがないというのが主な理由。前橋汀子さんのメンデルスゾーンのコンチェルトもある。この人も長いキャリアの人だ。

1992/7/10

新宿文化センター
ロッシーニ:「なりゆき泥棒」

ロッシーニ生誕200年記念と銘打った珍しいブッファの公演。復活が目覚ましいロッシーニの作品は色々なものが上演されるようになった。この作曲家は2月29日生まれのはずだから、誕生日は50回目なのか49回目なのか。

公演プログラムの表紙

1992/6/22

東京文化会館
ビゼー:「カルメン」

藤原歌劇団の公演。ダブルキャストの日本人キャストの日を観る。主役を歌ったのは永田直美さん。上演機会が非常に多いオペラだけど、オリジナルのオペラ・コミーク形式での上演が国内団体ではついぞ見られないというのもどうなんだろう。

1992/6/17

サントリーホール
プッチーニ:「蝶々夫人」

渡辺葉子をタイトルロールに迎えた演奏会形式での上演。読売日本交響楽団の定期演奏会。スカラでもMETでも、そしてウィーンのシュターツオパーでもコヴェントガーデンでも、主役を歌った日本人ソプラノは彼女が最初だろう。スカラではリュー、METではこの役。早世されたのが惜しまれる。

公演のプログラムより
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1992/5/30

ロイヤルオペラハウス London
シュトラウス:「サロメ」

冷房がないロイヤルオペラハウスは暑い。ましてや天井桟敷。オペラグラスで遠目に過激な演出の舞台を観る。

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1992/5/28

ロイヤルオペラハウス London
プッチーニ:「ラ・ボエーム」

ロベルト・アラーニャとアンジェラ・ゲオルギュウ、このシーズンにデビューしたフレッシュコンビの「ボエーム」を観る。

1992/4/24

サントリーホール
東京都交響楽団

デヴィッド・シャローン指揮、ヴィオラ・ソロにタベア・ツィンマーマンによる定期演奏会。ラヴェルの「道化師の朝の歌」、ヒンデミットの「白鳥を焼く男」、ベルリオーズの幻想交響曲というプログラム。ヒンデミット作品はヴィオラ協奏曲でもある。

1992/2/23

東京文化会館
ベッリーニ:「ノルマ」

初めて訪れたウィーンとミラノで連日のオペラ三昧の後、東京に戻って林康子、ジュゼッペ・ジャコミーニの顔合わせの「ノルマ」。このオペラ上演のためには、タイトルロールに人を得なければならないので、そんな機会はめったにない。

1992/2/15

東京文化会館
ワーグナー:「さまよえるオランダ人」

ケルン歌劇場の来日公演。休憩なしの全曲上演を観るの初めてだ。音楽やドラマの連続性では確かにメリットはあるにしても、長いのは困りもの。オランダ人役はロバート・ヘイル、指揮はジェームズ・コンロン。

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1992/2/12

スカラ座 Milan
シュトラウス:「アラベラ」

初めて訪れたミラノスカラ座で観るオペラがRシュトラウスというのも残念な気がしたが、またの機会もきっとあるだろう。

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1992/2/10

ウィーン国立歌劇場 Viena
ロッシーニ:「セヴィリアの理髪師」

前夜がプレミアムな公演だとすれば、これはレパートリーのルーチン的な公演とも言える。出演歌手に知った名前はほとんどない。連日連夜、日替わりの演目で年間300日ぐらいを埋める劇場なので、全てが最高水準ということはどだい無理な話だ。

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1992/2/9

ウィーン国立歌劇場 Viena
ヴェルディ:「オテロ」

ドミンゴがタイトル・ロールを歌う「オテロ」、当代一の当たり役をニューヨークで二度聴いているので、これが三度目。イャーゴはカップッチッリ。

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1992/2/8

ウィーン国立歌劇場 Viena
シュトラウス:「ばらの騎士」

ウィーン国立歌劇場に初めて足を踏み入れる。時差の影響もあって、長いオペラはなかなか大変だ。この頃はまだ座席の背中の字幕装置は導入されていなかった。イタリア語のオペラならよかったんだけど。

1992/1/10

いずみホール
山下和仁

山下和仁のギターソロと、妹の山下尚子とのデュオによるコンサート。バッハ、モーツァルト、プーランク、ミヨーといった作曲家の編曲作品が並ぶ。タレガの「アルハンブラの思い出」ぐらいが、ギターソロらしいもの。

1991/12/4

東京文化会館
ムソルグスキー:「ホバンシチナ」

ロシアのオペラハウスが来日し超レア演目と言える「ホバンシチナ」が上演される。ソヴィエト連邦は崩壊したが、まだサンクトペテルプルグに復古する前、レニングラードと呼ばれていた。ちょうど都市名が変わったタイミングでの公演。

公演プログラムの表紙

1991/9/29

東京文化会館
ヴェルディ:「オテロ」

国内の歌手で固める二期会の公演でも「オテロ」となると題名役を歌う人材はいないのだろう。この団体にしては異例、海外からウラディミール・アトラントフが招かれていた。

1991/7/20

東京文化会館
ワーグナー:「神々の黄昏」

若杉弘の指揮、日本人歌手によるキャストで、二期会が長い期間をかけて取り組んできた「ニーベルングの指輪」四部作がついに完結。間違いなく、ひとつのエポックだろう。

公演プログラムの表紙

1991/7/6

東京文化会館
ベッリーニ:「夢遊病の女」

タイトルロールにルチア・アルベルティを迎えて、なかなか掛からないベルカントオペラを藤原歌劇団が上演する。片や二期会はワーグナーの楽劇。東京のオペラ二団体の個性は顕著だ。

1991/2/23

東京文化会館
ヴェルディ:「リゴレット」

藤原歌劇団はイタリアもの、二期会はドイツものと色分けがされている印象が強いなか、「リゴレット」をやるのは珍しいこと。塩田美奈子さんのジルダが鮮烈な印象だった。例年2月の両団体の公演には、東京都の助成があり、チケットが安くなるのがありがたい。

1991/2/10

東京文化会館
ロッシーニ:「チェネレントラ」

ルチア・ヴァレンティーニ=テッラーニをタイトルロールに迎えた藤原歌劇団の公演。この人はロッシーニ歌いとして名を上げたのだが、ヴェルディなどの重い役もレパートリーに入れた頃から声が傷み、50歳そこそこで白血病で早世した。そんな気の毒なイメージがある。

1990/12/7

東京文化会館
エディタ・グルベローヴァ

フリードリッヒ・ハイダー指揮、東京フィルハーモニー交響楽団をバックに、得意のレパートリーを歌った。「セミラーミデ」、「リゴレット」、「ルチア」、「ラクメ」、「ロメオとジュリエット」、「ミニョン」からのナンバーだった。

1990/11/12

東京文化会館
カティア・リチャレッリ

「マリア・ストゥアルダ」、「セミラーミデ」、「ワリー」、「オテロ」、「マノン・レスコー」、「運命の力」、「アドレアーナ・ルクヴルール」、「トスカ」、「アドレアーナ・ルクヴルール」とバラエティに富んだ選曲、いささか拡げすぎという感じもするが、サービス精神の現れなのかも。

1990/10/25

東京文化会館
R.シュトラウス:「ばらの騎士」

ベルリン国立歌劇場来日公演、都民劇場主催の公演。ハインツ・フリッケ指揮。元帥夫人がマグダレーナ・ハヨショワ 、オックス男爵がジークフリート・フォーゲル、オクタヴィアンがローズマリー・ラング、 ゾフィーがマルゴット・ステイスカルというキャスト。

1990/10/16

新宿文化センター
カルロ・ベルゴンツィ

ベニャミーノ・ジーリ生誕100年記念リサイタルと題した公演。ベルゴンツィは66歳、METの舞台でネモリーノを聴いたのは3年前のことだった。端正な歌のフォーム、そして独特の歌い回しですぐに彼だと分かる。この日はナポレターナと歌曲中心のプログラム、ずいぶん軽めの選曲だった。

1990/10/12

オーチャードホール
イレアナ・コトルバス

カルロス・クライバーが録音した「トラヴィアータ」のタイトルロールで歴史に残るルーマニアのソプラノ。フレーニの急な代役でスカラ座で歌ったミミでの大成功の逸話も有名だ。唯一リリースしたアリア集のレコードは私の愛聴盤だった。早い引退が残念。

公演のパンフレット

1990/9/17

東京文化会館
デリギッテ・ファスベンダー

都民劇場主催のリサイタル。シューベルトの「冬の旅」全曲をファスベンダーが歌う。こういうリートはやはり大ホールではなく、小ホールで聴きたいものだ。

公演のパンフレット

1990/9/16

東京文化会館
シュトラウス:「サロメ」

小澤征爾指揮の新日本フィルがピットに入り、題名役にエヴァ・マルトンを迎えた公演。ヘローデスに ラグナル・ウルフング、ヘローディアスにヘルガ・デルネッシュ。演出はピエル・ルイジ・ピッツィ。

1990/7/14

東京文化会館
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」
レオンカヴァッロ:「道化師」

カプッチッリがバリトンの二役を歌うのが聴きものの藤原歌劇団公演。「道化師」の幕開けの口上をいきなりアンコールしたのは驚いた。メットで何度か聴いたエルマンノ・マウロも出ていた。

1990/7/2

東京文化会館
レハール:「メリー・ウィドウ」

バイエルン国立ゲルトナープラッツ劇場の来日公演。オペレッタと言えば、ウィーンフォルクスオパーの来日公演が定番のようになっているが、独墺圏ではいろいろな劇場で上演されているのだろう。

公演プログラムの表紙

1990/6/17

新宿文化センター
シカゴプロムジカ

シカゴ交響楽団のメンバーによる室内アンサンブル、R.シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」、ストラヴィンスキーの「兵士の物語」、ベートーヴェンの7重奏曲などのプログラムだった。

公演プログラムの表紙

1990/4/25

東京文化会館
シカゴ交響楽団

都民劇場の主催公演。ゲオルグ・ショルティからダニエル・バレンボイムへのシェフ交代のタイミングでの来日。両人が指揮台に立ったが、この日はバレンボイム。最後の「ボレロ」では、イントロととコーダだけ指揮棒を振ったが、あとは全てオーケストラに任せるという自信満々の演奏だった。

1990/2/23

サントリーホール
ヴェルディ:「シモン・ボッカネグラ」

サントリーホールのホールオペラは、いつも素晴らしい顔ぶれだ。タイトルロールにレナート・ブルゾン、娘役にダニエラ・デッシー、その恋人がジュゼッペ・サバッティーニ、敵役にロベルト・スカンディウッツィなんて、ヨーロッパでもなかなか揃わないだろう。

公演プログラムの表紙

1990/1/29

東京文化会館
プッチーニ:「トスカ」

二期会、藤原歌劇団の双方で主役を務めるということは、片岡啓子さんの実力の証だろう。声に厚みのあるソプラノが少ないという背景もある。これは藤原歌劇団の公演で、共演は市原多朗、ホアン・ポンス。

1990/1/15

オーチャードホール
ヴェルディ:「椿姫」

カルロス・クライバーの録音でヴィオレッタを歌ったイレアナ・コトルバスがタイトルロールを歌う。大好きな歌手の舞台は見逃せない。

1989/12/3

神奈川県民ホール
ヴェルディ:「アイーダ」

藤原歌劇団の公演。タイトルロールに林康子、アムネリスにフィオレンツァ・コッソット、ラダメスにジュゼッペ・ジャコミーニという重量級のキャストだった。ランフィスにコッソットの夫君、イヴォ・ヴィンコが出ていた。

1989/11/27

東京文化会館
イ・ムジチ

都民劇場主催公演。メンバーは何代も替わっても「四季」ひとつでこの団体はずいぶん稼いだはず。もちろん、この日のメインも「四季」、ほかに「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」と、まさに人気定番メニューのコンサートだ。

1989/11/5

新宿文化センター
チャイコフスキー:「スペードの女王」

小澤征爾指揮でのみんおんオペラというのも珍しいパターンだ。海外で振るオペラを国内で練習しているのではないかと悪口を言われがちな小澤氏だが、この上演は確かにそんな感じがあった。上演の質は良いとは言えないものだった。

1989/11/3

サントリーホール
ホセ・カレーラス

カミサンのために買ったチケットだが、体調不良で私にお鉢が回ってきた。病後の復活リサイタルだが、かつての声の艶はだいぶ失われている。それでも人気は高くて高額にもかかわらず満員の盛況。しかし、声楽で舞台背後のP席まで売るのは良心的とは言えない。アンコールの一曲、カレーラスは後ろを向いて歌った。

1989/10/28

東京文化会館
ロッシーニ:「ランスへの旅」

ウィーン国立歌劇場の来日公演の最大の呼び物。このオペラの蘇演の立役者、クラウディオ・アバドが指揮し、チェチーリア・ガスディア 、ルチア・ヴァレンティーニ=テラーニ、レッラ・クベルリ 、モンセラ・カバリエ、ウィリアム・マテウッツィ 、フェルッチョ・フルラネット、ルジェロ・ライモンディ、エンツォ・ダーラなど、ものすごい顔ぶれのキャストだ。最終場面ではシャルル10世戴冠式の行列が客席を練り歩いた。

1989/9/29

東京文化会館
シュトラウス:「サロメ」

秋山和慶指揮、東京交響楽団の演奏会形式での「サロメ」。タイトルロールにカラン・アームストロングを招いての上演だった。

1989/9/1

新宿モーツァルトサロン
モーツァルト:「カイロの鵞鳥」

ジロー・フィオーレ・サマー室内オペラとしての東京室内歌劇場の公演、小さなホールでの珍しい作品の公演だった。現田茂夫指揮のアンサンブル、竹沢嘉明、井坂恵、小林彰英、曽根雅俊、長畑玲子、佐藤光政、芳賀美穂という歌手陣。

1989/6/18

フェスティバルホール
レハール:「メリー・ウィドウ」

韓国から会社に研修に来ていた人と一緒に、フェステバルホール一階後部で立見で観たことを覚えている。なんだかずいぶん長く感じたのは、立見のせいか。

1989/5/28

新宿文化センター
ヴェルディ:「オテロ」

首都オペラ旗揚げ公演。いったいどういう団体なんだろうと思いつつチケットを購入。主役を歌うウイリアム・ウーという人の名前は聞いたことがない。総監督としても名前が記されている。台湾出身で日本で学んだ人のよう。立派な声だが、歌はかなり乱暴だ。

1989/5/27

神奈川県民ホール
ヴェルディ:「ドン・カルロ」

藤原歌劇団の公演。題名役にジョルジョ・ランベルティ、その親友にピエロ・カップチルリ、国王がニコラ・ギュゼレフ、王妃が片岡啓子という豪華メンバーだった。

1989/3/19

伊丹市立文化会館
モーツァルト:「フィガロの結婚」

伊丹市民オペラの公演。阪神間には愛好家や演奏家も多いのだろう。そんな背景あっての市民オペラか。出演者も多くて、それぞれにアリアもある。そして一見簡単そうに見えるモーツァルトの音楽、それがこのオペラが頻繁に上演される理由かも。反面、素晴らしい上演に出逢うことが稀な作品でもある。

公演プログラムの表紙

1989/3/17

フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団

秋山和慶指揮による定期演奏会。堤剛のソロでの松村禎三のチェロ協奏曲とマーラーの第4交響曲。マーラー終楽章のソプラノ・ソロは豊田喜代美。

1989/2/21

東京文化会館
ヴェルディ:「運命の力」

国内では上演されることが稀なヴェルディの大作に、イタリアものをあまり取り上げない二期会が取り組んだ。この団体の常でキャストは国内メンバーで固め、指揮は井上道義。ちょうど昭和天皇の大喪の礼と重なり、一部の公演は中止を余儀なくされた。

1989/2/5

東京文化会館
ベッリーニ:「清教徒」

これが日本初演ということらしい。ベッリーニの「清教徒」、テノールに超高音のアリアがあって歌える人がいなくて上演されなかったのか、それとも、ベルカント・オペラの魅力が知られていなかったからか。

1988/11/30

フェスティバルホール
シュトラウス:「アラベラ」

バイエルン州立歌劇場の来日公演。プロモーションでは「ミュンヘンオペラ」と称していた。音楽監督のサヴァリッシュが全演目を指揮。彼が一番脂の乗り切っていた頃だ。

公演プログラムの表紙

1988/11/23

神戸文化ホール
プッチーニ:「「蝶々夫人」

神戸での藤原歌劇団の公演。スカラ座でもこの役を歌った林康子さんのタイトルロール、ロッシーニでも評価の高い人だけど、日本人歌手だと海外ではどうしてもこの役を期待されることに。それはプラス・マイナス両面がありそうだ。オーケストラが広島交響楽団というのも珍しい。

公演プログラムの表紙

1988/11/19

アルカイックホール
モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」

関西二期会の公演。タイトルロールは黒田博さんなので、この人だけ東京からの参加か。ピットには京都市交響楽団、この頃音楽監督兼常任指揮者だった井上道義さんの指揮。最前列中央で観たので、長身の指揮者の特徴ある頭部が目の前だった。

公演プログラムの表紙

1988/11/2

フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団

尾高忠明氏の得意なシベリウスの第2交響曲がメイン。吉松隆の「朱鷺によせる哀歌」とチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲とのプログラム。

公演プログラムの表紙

1988/10/22

アルカイックホール
ヴェルディ:「アイーダ」

関西歌劇団創立40周年記念として上演された。私が初めてナマの舞台を見たのが「アイーダ」で、高校生のとき、1967年だった。指揮は朝比奈隆で会場はフェスティバルホール。今から思えばずいぶん貧相な舞台だった。

1988/10/8

フェスティバルホール
ロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団

ブラームスの第3交響曲とショスタコーヴィチの第5交響曲というかなり重いプログラム。才人アンドレ・プレヴィンが主席指揮者を務めていた頃の来日。後にNHK交響楽団の主席客演指揮者になるとは想像もできなかった。

1988/9/26

フェスティバルホール
フィルハーモニア管弦楽団

マーラーの「千人の交響曲」を演奏するのだから、地元の名の知れたコーラスを総動員の趣きとなる。このホールには据付のオルガンがないのが残念なところだ。

公演プログラムの表紙

1988/9/14

フェスティバルホール
ベッリーニ:「カプレーティとモンテッキ」

ミラノスカラ座の来日公演。アグネス・バルツァがロミオ、ルチア・アリベルティがジュリエット、指揮はリッカルド・ムーティ。ピエル・ルイジ・ピッツイの演出。この年のスカラ座来日公演にはカルロス・クライバーの指揮する「ボエーム」の大阪公演もあったのに、ニューヨークで観たばかりなのでパスしたのが悔やまれる。

公演プログラムの表紙

1988/9/10

NHKホール
ヴェルディ:「ナブッコ」

ミラノスカラ座の来日公演。レナート・ブルゾンがタイトル・ロール、ニューヨークのトゥーランドットで度肝を抜かれたゲーナ・ディミトローヴァがアビッガイッレを歌った。指揮はリッカルド・ムーティ。隠れた主役は合唱、この作品を初演したオペラハウスのコーラスで聴くのは格別のものがある。ロベルト・デ・シモーネの演出。

1988/8/5

ザ・シンフォニーホール
札幌交響楽団

岩城宏之指揮で進境著しい札幌交響楽団の大阪公演。武満とブラームスという、いかにもこの人らしい選曲。数だけは多い在阪オーケストラもうかうかしておれない。

1988/7/11

ザ・シンフォニーホール
カティア・リッチャレッリ

アメリカから帰国後、初めて行ったリサイタル。METへの出演がなかったのでニューヨークでは聴けなかった。最前列の席でリッチャレッリが目の前、アンコールは大サービスで、10曲ぐらい歌ったはず。

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1988/3/17

カーネギーホール New York
フィルハーモニア管弦楽団

先にニューヨーク・フィルに客演したジュゼッペ・シノーポリがフィルハーモニア管弦楽団を率いて来米、演目はブルックナーの第8交響曲。私は全くブルックナーを好まないので、このコンサートを含めても、たったの二度しか聴いていない。

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1988/3/16

メトロポリタンオペラ New York
オッフェンバッハ:「ホフマン物語」

4月には帰国となるので、これがMET最後の公演になる。シーズンレパートリーのうちいくつか観ることができなかったものもあるが、ほぼ見尽くしたという感じ。「ホフマン物語」は二度目、前回はニール・シコフが題名役だったが、今回はプラシド・ドミンゴ。

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1988/3/13

メトロポリタンオペラ New York
プラシド・ドミンゴ/アグネス・バルツァ

ビッグ・ネームの顔合わせ、ネッロ・サンティが指揮するガラ・コンサート。「カヴァレリア・ルスティカーナ」の二重唱など白熱の歌唱が繰り広げられる。

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1988/3/11

メトロポリタンオペラ New York
モーツァルト:「コジ・ファン・トゥッテ」

演出の名前にはグラツィエラ・シュッティとあるから、これは往年のソプラノ歌手だ。METにしては装置もかなり古ぼけて、お蔵入り寸前のプロダクションではないかな。もちろん、台本の深読みなど期待できない。姉役はキリ・テ・カナワ、容姿の点ではぴったり。

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1988/3/3

カーネギーホール New York
ヨーロッパ室内管弦楽団

クラウディオ・アバドの指揮、マーラーの「リュッケルト歌曲集」のソリストはフローレンス・クイヴァー。プログラム中のシェークベルク「室内管弦楽のための3つの小品」は、拍手に応えて全曲アンコール、それだけ短い曲ということ。プロコフィエフの古典交響曲で始まり、メインはメンデルゾーンのスコットランド交響曲。

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1988/3/2

メトロポリタンオペラ New York
プッチーニ:「トゥーランドット」

二度目の「トゥーランドット」。この日の題名役はゲーナ・ディミトローヴァではなく、マリタ・ナビエ。シーズンプログラムの表紙を飾るぐらいだからMETの看板演出であることは間違いない。オペラファンでなくても、この舞台を目当てにやって来る観光客もいるぐらいだ。

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1988/2/27

メトロポリタンオペラ New York
ヴェルディ:「オテロ」

二度目の「オテロ」、キャストは変わらず。相変わらずドミンゴは高水準の演技と歌唱だ。これもフランコ・ゼッフィレッリの演出だが、「ボエーム」や「トゥーランドット」ほどのインパクトはない。それでもベネツィアからの使者到着の場面の転換効果は見事だ。これが彼の自家薬籠中のパターン。

シティコープセンター
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1988/2/26

聖ピーター教会 New York
ブリテン:「カリュー・リヴァー」

ミッドタウンの聖ピーター教会で「カリュー・リヴァー」を観る。もともとは教会オペラにしても、ここはずいぶん近代的な建物の中の教会。

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1988/2/24

エイブリー・フィッシャー・ホール New York
イギリス室内管弦楽団

ジェフリー・テイトの指揮、モーツァルトのピアノ協奏曲第25番のソロは内田光子。シュトラウスの「メタモルフォーゼン」、モーツァルトのプラハ交響曲というプログラムだった。

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1988/2/19

メトロポリタンオペラ New York
ヴェルディ:「ルイーザ・ミッレル」

二度目の「ルイーザ・ミッレル」、シーズン前にはドミンゴの出演がアナウンスされていたので、チケットを早めに確保していたものだ。前回とは父親役がシェリル・ミルンズではなく、METデビューのジャンカルロ・パスケットに代わっている。

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1988/2/18

メトロポリタンオペラ New York
ヴェルディ:「オテロ」

シーズンのオープニングだったドミンゴの「オテロ」をようやく観ることができた。秋のシーズンでは当日にオペラハウスの入口で並んで粘ったが、ついに余り券は出なかった。そんな因縁の演目だ。キリ・テ・カナワ、フスティーノ・ディアスとの顔合わせというキャストだった。

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1988/2/12

メトロポリタンオペラ New York
ワーグナー:「ジークフリート」

オットー・シェンク演出の四部作、「ジークフリート」は今シーズンからなので、これがプレミエ。題名役はMETデビューのウォルフガング・ノイマン、ブリュンヒルデはヒルデガルド・ベーレンス、ヴォータン(さすらい人)はドナルド・マッキンタイヤーで、これで三人のヴォータンを聴いたことになる。四作のなかでは長くて変化に乏しい作品なので、字幕がないのが辛い。

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1988/2/11

アリス・タリー・ホール New York
レナータ・スコット

リンカーンセンターの中でまだ行ったことのなかったアリス・タリーホールでレナータ・スコットのリサイタルを聴く。グルック、ペルゴレージ、ロッシーニ、モーツァルト、マスネが前半のプログラム、後半ではレスピーギ、ヴォルフ=フェラーリという多彩な内容。ずいぶん後に「イル・カンピエッロ」の最後のアリアに聴き覚えがあると思ったら、このリサイタルのラストナンバーだった。

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1988/2/10

メトロポリタンオペラ New York
ヴェルディ:「ルイーザ・ミッレル」

アプリーレ・ミッロが題名役、父親役がシェリル・ミルンズ、恋人役はエルマンノ・マウーロ。このテノールはMETにしばしば登場し、リリコ・スピントの役柄を歌う。声の大きさからすると確かにMET向きではあるが、繊細な表現とは無縁だ。ピットにはイタリアものの御大、ネッロ・サンティだ。

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1988/2/7

カーネギーホール New York
バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団

同じニューヨーク州でもバッファローは遠い。ナイアガラの近くで、すぐにカナダだ。このオーケストラの評価は最近急上昇、セミヨン・ビシュコフ指揮で、またもマーラー、今回は第6交響曲だ。オーケストラの実力のほどを分かりやすくアピールするのに、マーラーは最適なのかも知れない。

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1988/2/2

エイブリー・フィッシャー・ホール New York
ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団

ジュゼッペ・シノーポリが指揮台に上がり、モーツァルトのホルン協奏曲を挟んでスクリャービンの二つの交響曲という変わったプログラムを振る。今シーズンのMETで「マクベス」のキャンセルがあっただけに、このコンサートは大丈夫かと、チケットボックスでしつこく確認したことを覚えている。

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1988/1/26

カーネギーホール New York
クリーブランド管弦楽団

ニューヨーク、ボストン、フィラブルフィアときて、次のメジャーオーケストラはクリーブランドだ。シカゴ交響楽団を聴くチャンスがないのが残念だ。この日はクリストフ・フォン・ドホナーニ指揮でマーラーの第5交響曲。日本でもマーラーの演奏が増えているが、ユダヤ系の多いアメリカは。なおさらか。

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1988/1/22

メトロポリタンオペラ New York
プッチーニ:「ラ・ボエーム」

ほんとうに指揮台に立つのか、キャンセルの噂も飛び交うなか、カルロス・クライバーがメトロポリタンオペラにデビュー。その夜に居合わせたことはひとつ事件だ。とても若い恋人同士には見えないパヴァロッティとフレーニだけど、クライバーの音楽が始まれば魔法がかかる。

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1988/1/19

カーネギーホール New York
フィラデルフィア管弦楽団

ニューヨークにいると居ながらにしてアメリカのメジャーオーケストラが聴ける。ボストン交響楽団に続きフィラブルフィア管弦楽団、指揮はクラウス・テンシュテットでお得意のマーラーだ。演目は第9交響曲。

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1988/1/15

メトロポリタンオペラ New York
ヴェルディ:「マクベス」

再び「マクベス」を観る。舞台に生彩がないのか、それとも自分の体調がよくないせいか。風邪が悪化しそうなので途中でMETを後にする。ほんと、この「マクベス」は巡り合わせがよくない。

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1988/1/13

メトロポリタンオペラ New York
ヨハン・シュトラウス:「こうもり」

年末にはつきものの「こうもり」を年明けに観る。アイゼンシュタインをトーマス・アレンが歌う。ロザリンデのマリリン・ミムズはこれがMETデビュー、ついこの前シティオペラで聴いた人で、ステップアップということだろう。オットー・シェンクの演出、もともと役者の人なのでフロッシュ役で出演していた。

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1988/1/7

メトロポリタンオペラ New York
ヴェルディ:「マクベス」

このシーズンの「マクベス」はキャンセルの連続で崩壊状態の上に、追い討ちをかけるような衝撃的な出来事もあり、公演は祟られ続き。

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1987/12/26

メトロポリタンオペラ New York
プッチーニ:「トゥーランドット」

この役でMETデビューしセンセーションを巻き起こしたゲーナ・ディミトローヴァに圧倒される。こりゃ、すごい。舞台はビデオ映像では見ていたものだが、暗転から燦然たる謎解きの場面に変わる瞬間は、劇場での効果にアッと驚く。ゼッフィレッリの舞台は必ずこういうポイントがある。でも、ここまで金に糸目をつけずにやれるのはMETぐらいのものだろう。

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1987/12/21

メトロポリタンオペラ New York
オッフェンバッハ:「ホフマン物語」

シーズン後半にはドミンゴが歌うホフマンを聴くのだが、このオール・アメリカン・キャストで主役を歌ったニール・シコフもとってもいい。敵役をジェームズ・モリスが歌う。ピットにはこの日がMETデビューのシャルル・デュトワ。プロローグのルーテル酒場が沈み込み、オリンピアの幕へ移る転換の見事さ。これはオットー・シェンクの演出だ。

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1987/12/18

カーネギーホール New York
シュトラウス:「エレクトラ」

初めて訪れるカーネギーホール、そこでの公演が小沢征爾指揮のボストン交響楽団による演奏会形式での「エレクトラ」だ。題名役はヒルデガルド・ベーレンス、彼女は舞台上のミニ舞台で最後のダンスを見事に踊った。クリスタ・ルートヴィヒ、ジェームズ・キングなどのベテランもキャスティングされていた。

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1987/12/10

メトロポリタンオペラ New York
ヴェルディ:「トロヴァトーレ」

ニューヨークでのパヴァロッティの人気は大変なもの。もちろん早くからSold outだ。ジョーン・サザランド、レオ・ヌッチ、エレナ・オブラスツォヴァという超弩級の顔合わせが聴けるのはMETならではのことか。

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1987/12/8

メトロポリタンオペラ New York
モーツァルト:「後宮からの誘拐」

ニューヨークに来て、モーツァルトは初めてだ。ときどき台詞に英語を交えるのが、なんとなくミュージカル的なところも。マッティ・サルミネンやハインツ・ツェドニックが脇を固めているのがいい感じだ。

公演プログラム
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1987/12/5

エイブリー・フッシャー・ホール New York
メノッティ:「アマールと夜の訪問者」

こちらではクリスマス・シーズンによく上演されるようだ。コンサート・ホールでの衣装・演出付きでの上演。リンカーン・センター近くのレコードショップでこのオペラのCDを探していたら、私が手に取った録音(初演時の放送)を、実際に聴いたという店員が親しげに話しかけてきた。

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1987/12/2

メトロポリタンオペラ New York
ヴェルディ:「トラヴィアータ」

アンナ・トモワ=シントウがタイトルロールを歌ったこの公演は不満だらけ。彼女の声、彼女の歌はこのヒロインには異質だ。METでオペラを観だしてからの最低のパフォーマンスだった。アルフレード役も病気交代だった。

公演プログラム
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1987/11/25

エイブリー・フッシャー・ホール New York
ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団

レナード・バーンスタインのマーラー交響曲全集のライブ録音が行われた演奏会。そのためか、会場ではのど飴の配布があった。演目は第3交響曲。長大なシンフォニーの第四楽章になってやっと出番が来る、子供のコーラスを最初から舞台に上げておくのはちょっと酷な気がした。

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1987/11/4

メトロポリタンオペラ New York
プッチーニ:「トスカ」

エヴァ・マルトンのタイトルロール、ウラディミール・ポポフ、シェリル・ミルンズというキャスト。舞台はフランコ・ゼッフィレッリの華麗な装置だ。第三幕のサンタンジェロ城の牢獄と屋上の二層の舞台転換はナマで観ると壮観だ。

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1987/10/31

メトロポリタンオペラ New York
ワーグナー:「ワルキューレ」

「ニーベルングの指輪」の二作目、「ワルキューレ」では、フリッカはヴァルトラウド・マイヤーで同じだが、ヴォータン役をハンス・ゾーティンが歌う。ブリュンヒルデは後に日本で客死したヒルデガルト・ベーレンス。

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1987/10/23

メトロポリタンオペラ New York
マスネ:「マノン」

ベルゴンツィに続き、テノールの大ベテラン、アルフレード・クラウスを聴く。賢明なレパートリー選択でここまで歌手寿命が伸びるのかと感嘆。題名役はキャロル・ヴァネス。ジャン・ピエール・ポネルによるとても美しい舞台だ。

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1987/10/9

メトロポリタンオペラ New York
ワーグナー:「ラインの黄金」

進行中のオットー・シェンク演出「ニーベルングの指輪」、このシーズンは「ジークフリート」までの3作が舞台にかかる。ヴォータンがジェームス・モリス、フリッカはMETデビューのヴァルトラウド・マイヤー、ローゲを歌ったのはジークフリート・エルサレムだった。もちろんピットにはジェームズ・レヴァイン。

タウン誌New Yorkに掲載された公演写真
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1987/10/2

メトロポリタンオペラ New York
ドニゼッティ:「愛の妙薬」

大ベテラン、カルロ・ベルゴンツィの舞台を観られるとは思わなかった。歌のフォームがしっかりしていて、息の長いテノール、大好きな歌い手だ。村娘ジャンネッタ役のドーン・アップショウとは、親子以上の歳の差がある。

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1987/10/1

ニューヨークシティオペラ New York
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」
レオンカヴァッロ:「道化師」

ヴェリズモ・オペラのダブル・ビル。定番の組み合わせだが、どちらもそうだし、両方いっぺんにしてもそう、実は観るのが初めてだ。こんな有名作品なのに。

タウン誌New Yorkに掲載された公演写真
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1987/9/23

メトロポリタンオペラ New York
シュトラウス:「ナクソス島のアリアドネ」

ドミンゴの「オテロ」で開幕したシーズン、私の初日は「ナクソス島のアリアドネ」、名前を聞いただけで涎が出そうな顔ぶれだ。題名役はジェシー・ノーマン。ツェルビネッタ役は後に素行不良でMETから追放されることになるキャスリーン・バトル、この頃はまだ全盛期だったが、天井桟敷まで届く声量はない。

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1987/9/22

ニューヨークシティオペラ New York
プッチーニ:「蝶々夫人」

ニューヨークに住みだして1か月、日本を舞台にして、イタリア人が作ったたオペラを、アメリカで観るという不思議な経験。これで、プッチーニだけで5作品目、こんなに集中して観たのは初めてだ。いよいよ、明日は初めてのMET。リンカーセンターの隣の劇場、距離にして50mほど。

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1987/9/19

ニューヨークシティオペラ New York
プッチーニ:「つばめ」

日本では滅多に上演されない作品を観ることができるのは嬉しい。もちろん私は初めて観るオベラだ。このオペラの日本初演は1998年の市川オペラなので、それに10年ほど先立って舞台上演を観たことになる。

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1987/9/18

ニューヨークシティオペラ New York
プッチーニ:「トゥーランドット」

シティオペラのプッチーニ・シリーズを観るのも3作品目となる。リュー役にマリア・スパカーナの名前がある。この人が蝶々さんを歌って異版も全て収録した珍品CDが、そのジャケット写真のおどろおどろしさと相俟って印象に残っている。

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1987/9/13

ニューヨークシティオペラ New York
プッチーニ:「ボエーム」

行きだしたら止まらない。三日連続のシティオペラ、この日は「ボエーム」。ロドルフォ役にリチャード・リーチの名前が見える。プラシド・ドミンゴのようにシティオペラで経験を積みMETに進出した歌手も少なくない。

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1987/9/12

ニューヨークシティオペラ New York
ヴェルディ:「トラヴィアータ」

連日のシティオペラ。今日は「椿姫」なので、著名作品が続く。一方でナッセンの "Where the wild things are" なんて作品もラインアップされているのだが、この秋のシーズンでは観られない。

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1987/9/11

ニューヨークシティオペラ New York
プッチーニ:「トスカ」

初めて海外で観るオペラ。METのシーズンが始まる前、シティオペラではプッチーニの作品を中心にしたラインアップだ。「トスカ」でスタート、これから日参しそう。ここの公演には英語字幕が付く。キャストに知った名前はない。

1987/6/23

フェスティバルホール
ロッシーニ:「チェネレントラ」

民音が主催するオペラ。創価学会とは全く縁がないが、オペラなら話は別。永井和子さんが主役を歌い、夭折した山路路久さんが王子役を歌った。

1987/6/21

アルカイックホール
ウェーバー:「魔弾の射手」

関西二期会の公演。アルカイックホール開館5周年記念ということだ。工業地帯の尼崎にオペラという取り合わせは違和感もあったが、だんだん定着してきたかも。

公演のパンフレット

1987/4/16

フェスティバルホール
プラシド・ドミンゴ

プラシド・ドミンゴの来日コンサート。チケットはいい値段でカミサンと出かけたら財布が軽くなる。 ロザリオ・アンドラーデという若いソプラノとの共演だが、こちらはさっぱり。あまりに出来がひどいので、ドミンゴはサービスでプログラムにない曲を追加で入れるというひと幕も。 ユージン・コーン指揮の大阪フィルハーモニー交響楽団がバック。

公演のパンフレット

1987/4/7

フェスティバルホール
モーツァルト:「後宮よりの誘拐」

大阪国際フェスティバルでのベルリン国立歌劇場の公演。プログラムの表紙はマイスタージンガー。この東独の歌劇場はイタリア語のオペラもドイツ語で上演していたが、モーツァルトでもこの作品なら原語で問題なし。

公演プログラムの表紙

1987/3/16

フェスティバルホール
大阪フィルハーモニー交響楽団

尾高忠明指揮でのマーラー交響曲第5番、モーツァルトのピアノ協奏曲のソリストはオクサナ・ヤプロンスカヤ。朝比奈隆氏の人気は高いが、どうも私は好きになれなくて、なるべく避けている。

1987/2/23

フェスティバルホール
オペラ・ガラコンサート

「超豪華! 六大歌手、夢の饗宴!」とチラシの文字が躍る。イタリア系、ドイツ系の歌い手混在というのもガラコンサートらしい。テノールのニコラ・マルティヌッチの名前があったが、ブルーノ・ベッカリアに代わった。

オープニングシリーズの総合プログラムの表紙

1987/1/25

サントリーホール
プッチーニ:「蝶々夫人」

振り返ればバブルの時代ということだが、負の遺産ばかりではない。前年、六本木にオープンしたサントリーホール、豪華絢爛のオープニングシリーズは年を跨いで続く。ジュゼッペ・シノーポリ指揮のフィルハーモニア管弦楽団のシリーズのひとつ、「蝶々夫人」。分厚い総合プログラムでは林康子の名前になっているが、題名役を歌ったのはユリア・ヴァラディ。ピンカートン役もジョルジョ・ランベルティに変更。ホアン・ポンス、永井和子は変わらず。終演後、品川で寝台急行「銀河」を掴まえて大阪に戻る。

オープニングシリーズの総合プログラムの表紙

1987/1/24

東京文化会館
プッチーニ:「トスカ」

注目のソプラノ、佐藤しのぶがタイトルロールを歌う。舞台映えのすることも相俟って、スケールの大きさを感じさせる。

1986/12/11

近鉄劇場
オッフェンバック:「天国と地獄」

関西歌劇団の公演、この頃には同団体の公演はかなりの回数にのぼっているのだが、そのレベルとなるとちょっと疑問符が付くものが多い。最後のフレンチカンカンだけが盛り上がるという奇妙な公演だった。

1986/11/29

アルカイックホール
シュトゥットガルト放送交響楽団

サー・ネヴィル・マリナー指揮でのワーグナー、シューベルト、ブラームスのプログラム。関西の団体のオペラ公演でおなじみのホールだが、この頃にはオーケストラの来日公演もあった。映画「アマデウス」の指揮者というキャッチコピーが面白い。

1986/11/12

アルカイックホール
ドヴォルザーク:「ルサルカ」

関西歌劇団の公演、観たことのないオペラということで興味津々で出かけたものの、残念な出来の舞台だった。藤原啓子さんという歌い手が題名役だったが、その後、名前を聞いたこともない。指揮は朝比奈千足さんということで、父親には及びもつかないのは気の毒な感じもする。

1986/11/6

ザ・シンフォニーホール
セントルイス交響楽団

ランキング全米2位に躍進したセントルイス交響楽団、レナード・スラットキンに率いられての来日公演。大阪出身の五嶋みどりがメンデルスゾーンの協奏曲のソリストで共演。メインプログラムはショスタコーヴィチの第5交響曲だった。

1986/10/17

フェスティバルホール
ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団

とにかく録音が嫌いで実演を聴くしかない伝説の指揮者チェリビダッケ、シューマンの第4交響曲とムソルグスキーの「展覧会の絵」、後者の異様に遅いテンポに驚く。その緊張感のなかでも破綻しないオーケストラの凄さ。

1986/10/5

ザ・シンフォニーホール
ルチア・ポップ/ペーター・ザイフェルト

大町陽一郎指揮の京都市交響楽団をバックにしたデュオ・コンサート。モーツァルト、ヨハン・シュトラウス、レハールというプログラムだった。ポップとザイフェルトが「メリー・ウィドウ」のワルツを踊るシーンは絵になった。数年後にこの美人ソプラノは癌で早世する。

公演のパンフレット

1986/10/1

フェスティバルホール
ビゼー:「カルメン」

アグネス・バルツァのカルメンに、相手役がホセ・カレーラス、これ以上ない組み合わせで、カミサンは一気にオペラファンになってしまった。まだこの頃は、有名歌劇場の来日公演が、大阪でも東京と遜色ない演目数だった。

公演のパンフレット

1986/9/29

フェスティバルホール
プッチーニ:「トゥーランドット」

ロイヤルオペラの来日公演。タイトル・ロールはオリビア・スタップ、カラフはフランコ・ボニソッリ、リューはシンシア・ヘイマンというキャスト。主役以外の登場人物はお面をかぶっている。このプロダクションは長く使われていたようで、数年後にロンドンでも同じものを観ることになる。

公演のパンフレット

1986/9/13

東京文化会館
東京交響楽団

東京に出かけた折に聴いたコンサート。秋山和慶指揮でソリストにシュロモ・ミンツ。プログラムは、武満「鳥は星形の庭へ降りる」、ハイドンのロンドン交響曲、ブラームスのヴァイオリン協奏曲だった。

公演のパンフレット

1986/4/3

フェスティバルホール
プッチーニ:「マノン・レスコー」

大阪国際フェスティバルにおけるウィーン国立歌劇場来日公演。ジュゼッペ・シノーポリの指揮、ミレッラ・フレーニとペーター・ドヴォルスキーのコンビでの上演は素晴らしい盛り上がりとなった。

公演プログラムの表紙

1986/4/2

フェスティバルホール
モーツァルト:「フィガロの結婚」

大阪国際フェスティバルにおけるウィーン国立歌劇場来日公演。「マノン・レスコー」は必見としても、もうひとつ「ばらの騎士」を観るか、「フィガロの結婚」を観るか迷って結局こっちにした。プログラムの表紙は「ばらの騎士」だが、これは「フィガロの結婚」の本歌とりみたいなものだし、舞台もよく似ている。

1986/3/30

ザ・シンフォニーホール
シカゴ交響楽団

サー・ゲオルグ・ショルティに率いられたシカゴ交響楽団の来日公演。世界一のオーケストラを聴かなくては。演目はモーツァルトのハフナー交響曲とマーラーの第5交響曲。

1986/3/15

アルカイックホール
ヴェルディ:「椿姫」

第2幕第2場の夜会のシーンで、アルフレードがヴィオレッタに札束を投げつけるシーンでタイミングがずれたことを鮮明に覚えている。オペラには予期せぬことが起きる。関西歌劇団の公演。

1986/2/27

京都会館
ボストン交響楽団

小澤征爾指揮ボストン交響楽団の来日公演。マーラーの第3交響曲の一曲プログラム。ソリストは伊原直子さんだった。京都とボストンは姉妹都市という縁もあっての公演のようだ。

1985/11/21

厚生年金会館大ホール
ヴェルディ:「リゴレット」

関西歌劇団の公演。歴史のある団体だが組織の停滞と水準の低さは危機的かも。歌い手もさることながら、ピットに入った朝比奈千足氏にはオペラの指揮は無理。関西のオペラ界の行く末が思いやられる公演だった。

1985/11/14

大阪厚生年金会館
プッチーニ:「蝶々夫人」

民音のオペラで全国を回るプロダクション、ダブルまたはトリプルのキャストが組まれていた。粟国安彦の演出、指揮の尾高忠明さんはこれが初めてのオペラ指揮とのこと。蝶々さんは岩崎由紀子さん、シャープレスは栗林義信さんという顔ぶれだった。

1985/10/18

近鉄劇場
モーツァルト:「魔笛」

近鉄上本町駅に隣接する近鉄劇場での公演。私が初めてオーケストラのコンサートを聴いたのもここだった。関西歌劇団のメンバーによる上演で、江戸時代に読み替えて、夜の女王が花魁姿だったのを覚えている。このオペラの場合、あまり違和感はない。

1985/9/3

フェスティバルホール
イスラエルフィルハーモニー管弦楽団

レナード・バーンスタインがマーラーの第九交響曲を指揮する。一曲プログラムということもあるが、演奏自体よりも、指揮者が舞台に登場するまで異様に長かったことを覚えている。

1985/6/29

ザ・シンフォニーホール
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

チェコ続きでこの日はオーケストラ、こちらもゆかりの作曲家マーラーの第5交響曲を聴く。指揮のヴァーツラフ・ノイマンは大熱演で、譜面台を倒しそうになるほど。この頃はまだチェコスロバキアの分裂前だった。

1985/6/23

大津市民会館
モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」

びわ湖ホールなど影も形もなかった頃、大津でプラハ国立歌劇場の公演を観る。プラハにとってはご当地ものと言ってもよい演目。この日、車で行った後輩は終演後の大雨で幌から水漏れで難渋したとか。

1985/4/24

吹田市文化会館メイシアター
ヴェルディ:「仮面舞踏会」

吹田市文化会館メイシアターのオープン記念行事としての公演、関西歌劇団と関西二期会の混成キャストによる上演だった。ピットには松尾昌美指揮の大阪フィルが入った。何故か幕切れにウルリカが登場するという演出だった。占いのとおりの結末ということの強調のつもりだったのか。

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